音楽については、今もピアノを弾いたりしているけれども

それほど熱心とは言えないし、音楽に生涯を捧げたような

生活を送った友人などを見ていて、すごいなあと尊敬する。

ライブなどに行かせてもらって、この歳になっても進化を

している彼の音楽や音楽世界に触れると、自分にはそれは

できなかっただろうと思う。音楽に殉じる覚悟はなかった。

 

 

そもそも子供のころから音楽は好きだった。学校の縦笛は

クラスで一番上手かったし、ボーイソプラノの高音は女子

より高い音Aが出た。小学6年生からはギターで遊んで、

オルガンでバイエルを練習していた。でも、借家住まいで

ピアノを置けなかったので、実際にピアノを弾けるように

なるのは高校生なってからだった。高校一年生の後半から。

 

ベートヴェンの「月光ソナタ」が弾きたくて、練習をした。

ピアノをやり始めて一年ちょっとで二楽章までは完璧で、

三楽章も弾き飛ばしていたから、上達は早かったのだろう。

「悲愴ソナタ」も弾けていた。並行して音楽も聴いていて

ほとんどクラシックばかりレコードをかけていた。好みは

ドビュッシーやラヴェルのフランス音楽に傾いて、練習も
していた。「水の反映」という曲が好きで高校を出た頃は

毎日のように弾いていた。譜面を読めるのが強みだった。

中学の頃は、フォークソング・ブームだったし、自分でも

ギターを弾いて歌を作ったりしていて、中学の謝恩会では

ギター二本にボーカルでPPMのカバーを歌ったりしたが、

高校の学園祭では自分のオリジナル曲中心のバンドを作り

出演したりした。当時は、ピアノよりギターで人前に出た。

 

 

しかし一方で本を読むのが好きで、高橋和巳という作家に

入れ上げていて、受験勉強もせず、朝まで小説を読み耽る

という生活のために大学はどこも受からず、浪人を重ねて

入った大学もロクに通わずに読書と音楽という生活をして

その当時は随分父親から叱られて、喧嘩もしたりしていた。

お酒も飲んでいたし、まぁロクでもない息子だったと思う。

 

 

 

 

 

 

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