ほとんどの場合、行動の裏にある原動力は、気持ち、個性、態度、あるいはその全てだ。
ただ、マインドこそがパイロットだ。
体が行動に移す前に、我々は物事を考えるんだ。
ウォルト・ディズニー
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秋の夜長、ふと「まゆゆ」と「みやや」を思い出しました。
好きだったんですよね、舞祭組との共演。
元気かな?麻友ちゃん。そのようなことを思いながら。
AKB48の大島優子ちゃんが卒業した後の総選挙で、渡辺麻友ちゃんに投票したことがあります。
彼女が理想とするアイドル像その美学は、俗に言う「ど真ん中の正統派」でした。
有名なドキュメンタリー番組の密着。
自信がない歌唱力を強化するためのボイトレ。多忙でボイトレの時間が取れなかった彼女は言いました。
「寝る時間がいらない。寝なくても良い身体が欲しい。」
まだ若い彼女の口から出た言葉を聞いて、私は感心したのです。
当時、彼女は自身が身を置く場所をこう表現しました。
「真面目な子が損をする世界」
週刊誌による異性とのスキャンダル。その発覚だけにとどまらず、それを自らネタにして世間から話題を集めた人は、総選挙で1位を獲得しました。
私が総選挙で投票した人は、1位にはなれませんでした。
一生懸命に頑張っている子が、報われない不条理な世界。
人そのものが商品である芸能界は、欲望が一番に集まる場所でもあります。
それゆえスポーツ界とは違い、必ずしも頑張りに比例して結果がでるわけでもない。
その最高峰です。
どんな手段を使おうとも、運営(事務所の大人たち)から『推されたもん勝ち』。
本拠地の小さな劇場。
目の前のファンを喜ばせるために汗をかき、懸命に踊る子がいる。
その姿を見て、声を出して応援し、その頑張りや成長を評価してくれるのは、そのファンの人々です。
しかし「目の前にいるファンを喜ばせよう」と頑張る子を、事務所の大人たちは見てはいません。
彼らが考えていることは、広告代理店、テレビや雑誌社、スポンサーといった「取引先が喜ぶことは何か?」だけ。
業界人は「人」が求めるものではなく、「企業」に喜ばれるものをつくります。
タレントも運営も俗に言う『業界関係者』や『スポンサー』に好印象ならば、それで良いのです。
テレビが負け続けている理由は、今になってもそこが分かっていないからでしょう。
ほんの少しでもテレビや雑誌に露出できれば、汗をかかなくても知名度なんてすぐに上がる。
タレントは、効率よく自分を売るための楽(ラク)な方法だけを探すようになります。
舞台に立たず、テレビの世界だけにいると、目の前にいるファンの顔が浮かばない。
CDの売上も「単なる数字」だけを見せられる。実態がわからない。
一体、自分は誰に支えられているのか。
次第に、一生懸命に応援してくれているファンへの感謝など、口先だけの社交辞令になっていきます。
スタッフ、家族、友人知人といった、日頃から触れ合う親しい人物だけが自分の支援者。
現実に言葉を交わすことすら無いファンの存在なんて、いつの間にか消えてしまう。
これは態度でわかります。綺麗に繕われた言葉には血など通ってはいない。
ご都合主義のファンは欺けても、見識・良識あるファンを騙すことは不可能なのです。
『君が変わらないなら、私が変わる』
サヨウナラ。
そういって熱心に苦言を呈してくれていたファン達は、最後に「去る」選択をするのです。
人の本音は、行動の中に現れます。
言葉ではありません。
男女を問わずグループには、運営から好待遇を受ける『推されメンバー』というものが存在します。
好待遇を受けるからには、何かしらの目的や理由があるのでしょう。
そういった『推されメンバー』はメディアへの露出が多くなり、汗をかかなくても比較的簡単に、人気を得ることが出来てしまいます。
すると不思議なことに、そのファンも汗をかいて応援しなくなるのです。
自分(達)が大して力を入れて応援しなくても、努力しなくても、
運営(事務所)が「好条件な仕事」を用意してくれると分かっているからですね。
そしてファンもタレント本人も、他のメンバーと比べて「誰よりも優れた存在である」と、盛大に勘違いするのです。
悲しくも滑稽なほどに。
それはそれは、楽しくて、面白くて、笑いが止まらないでしょう。
双方の顔に、自然と満面の笑みが浮かびます。
ファンは自分の『推しメン』が、「常に頂点にいること」だけを望むようになります。
タレント本人は、「自分こそが頂点の存在」だと示してその立場だけを守ろうとします。
グループ活動は、自分が有名になるための手段。大切なのは自分だけ。
卒業制度があるグループは、それでも良いのです。
そのグループでの活動は、卒業後の先の人生のためにあるはずですから。
そこが、卒業制度を設けていないグループとの相違点ですね。
芸能人は自分自身が商品。
切り取った暮らしぶりにも値段をつけて、当たり前のように陳列棚に並べていく。
価値あるものだと触れ込んでも、金を出す価値がないと判断されれば売れ残る。
『魅力は上手さを凌駕する』
しかし、その「魅力」の基準は時代とともに変化しています。
昔以上に今の世は、その判断が容赦なく厳しくなりました。
買う側の目も肥えたのです。
現代は『魅力も上手さも持っている人々』が世間から評価されます。
「業界人が意図的に飾り立てただけの中途半端」は、ゆっくりと消えていくでしょう。
あなたが好きな人はどんな人ですか?
心にも体にも汗をかいて、心を燃やしている人ですか?
簡単にはファンの前に立つことができない、コロナ禍の今。
たとえ物理的に、ファンが自分の目の前にいなくても、
応援している者の姿を、はっきりとその目に映し出せている人ですか?
たとえ物理的に、ファンが自分の目の前にいなくても、
好きだと叫ぶ者の声援を、しっかりとその耳に受け取れている人ですか?
心の奥。
すべての本音は、言葉ではなく行動の中にある。
私が好きになった人は、
そのキラキラした瞳の奥に、応援する者の存在をとらえてくれていると感じ取れる人です。