ふたつのスピカ | 日常のWunderbar☆

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自分が素晴らしいと感じた作品を勝手に紹介。

月刊コミックフラッパーで
2001年から2009年にかけて
連載されていた柳沼行さんの
作品です。



少し未来のお話


身長143センチの小柄な中学3年生の鴨川アスミ

彼女には友達がいない。

それはアスミに他の人には見えない人、幽霊のライオンさんが見えるたが、不幸にもそれがアスミの真っ正直な性格と合わさり仇となる・・・

見えるものを見えると言っているだけなのに、周囲からは嘘つき呼ばわりされてひとりぼっちに。

それでもアスミはめげない

それは夢があるから

小学1年生の時からロケットの運転手さんになりたくて、幽霊で元宇宙飛行士のライオンさんと毎日の体力づくりに励んできた

そんなアスミも進路に悩む

アスミは母親を早くに亡くして父親のトモロウと二人っきり

父は亡き母の入院費返済
生活費を稼ぐ為にと仕事に忙しくアスミが家事をこなしている
進学を希望する東京宇宙学校は
家から遠く寮生活。
そうなるとお父さんに家事
学費の面で
更に負担をしいる事になり、
男手一つで育ててくれた働きづめのお父さん
これ以上負担をかけたくないとの思いから夢を諦めようとする
父は自分を気遣って
娘が夢を諦めようとしていることに気付き怒り
そして、逆に力強く後押ししてくれる

晴れてアスミ
たったひとつの夢宇宙飛行士を
目指して宇宙学校へ

その後、出会った同じ夢を持った
仲間達
おせっかい焼きで騒々しい、あけすけな性格のケイちゃん
(近江圭)
キレイで負けん気が強く、ひねくれ者のマリカちゃん
(宇喜多万里香)
無愛想な幼なじみの府中野くん
(府中野新之介)
成績優秀なサボり魔、マユ毛無しの鈴木くん
(鈴木秋)
と互いを支えあいながら厳しい訓練や悩みを乗り越えて、一人では到達できない夢を追いかける


どんなに努力しても叶わない夢かもしれない
だけど夢に近づく為の歩みは止められない
好きだから努力せずにはいられない


そんな彼女らの切ない思い
心を強くしてくれます

時折含まれる過去のエピソードは寂しくも幻想的で、
素直な子どもの行動が不憫で悲しかったり
勇気が足りなくて素直に慣れなかった事への後悔だったり
どれも心に染み込みます

(*・.・*)