イラク、1932年、英国から。
レバノン、1943年、フランスから。
シリア、1946年、フランスから。
ヨルダン、1946年、英国から。
クウェート、1961年、英国から。
中東の幾つかの国が独立した時期やその経緯を、ざっと、時の流れの順に書き並べてみました。エドウィン・ドレーク(Edwin Drake)が、米国ペンシルバニア州で原油の機械掘りに成功し、石油産業が誕生したのが、1859年。以後、現在のロシア、インドネシア、イラン、イラク、サウジアラビアなどで油田が発見され、石油産業が、発展、拡大していきました。
「石油の時代」が始まる以前の中東、つまり、原油めがけて英仏が乗り込んでくる以前の中東には、現在あるような、大きな争いの火種はなく、そういう意味で、平和が保たれていたはずです。
昨年来、自称「イスラミック・ステイト」などのテロリスト・グループによる、民間人(soft target)に対する無差別攻撃が、頻度、規模ともに、激しさを増しています。7月14日のバスティーユ・デイ(Bastille Day、パリ祭の日)の夜に、ニースで発生した、一般の貨物車両を使ったテロ攻撃(terror attack)。
戦闘のための武器を調達するには、それなりの資金が必要です。軍用車両ではなく、一般の貨物用車両を使って、民間人を無差別に攻撃するということは、「テロリスト・グループが資金的に追い込まれている」ことの証左だと思われますが、国境などの検問所なら、いざ知らず、街中において、全ての大型車両を検問することは、実質的に不可能です。
地球の陸地表面のほとんどは、南極地域を除き、いずれかの国の領土ですが、地球の内部にある天然資源は、一体、誰のものなのか。その地表を統治する国が「総取り」をする、現在の仕組みを、これからも続けるべきなのか。
交戦を繰り返すだけでは、「テロリストがテロ攻撃を決行する動機を、弱めることができない」ばかりか、むしろ、その動機を強化し兼ねません。どうやって、憎悪の応酬(exchange of hatred)を止めるのか。先進国の政治的指導者(political leader)の力量、胆識が問われていると、僕は思っています。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則