イソップ寓話に、「北風と太陽」という題の話があり、話の筋は、「北風と太陽が、旅人に上着を脱がさせることを競う」というものです。「太陽が勝った、つまり、寛恕(かんじょ)、寛容の心で、相手に接することが大切である」と解釈することも、もちろん出来ますが、僕は、「続いて、脱いだ上着を着させることを競えば、恐らく、北風は、雨雲を運んできて、雨風を旅人に浴びせ、太陽に勝利すると思われます。なので、問題に当たるときは、臨機応変に対応することが肝要である」と、解釈することもできると、思っています。
以上を踏まえて、外交と国防について、書かせていただきます。我が国に対する脅威となっている集団が、国であるか否かを問わず、つまり、国であるのか地域であるのかテロリスト集団であるのかを問わず、そういう脅威を減じていくためには、外交だけに頼っても駄目であるし、軍事力だけに頼っても駄目であり、常に大局を見て、総合的に判断すべきです。
東アジアだけに限定すれば、中国における共産党の実質的な独裁と、北朝鮮における労働党の独裁を、早期に終わらせれば、国防(戦後の流行り言葉で申し上げれば、安全保障)に関する支出である防衛費を、かなり縮減できると、僕は考えています。「独裁を終わらせる」というのは、「完全普通選挙を導入させる」ということです。
人類史に、近代国家が登場してから、もう、どれくらいの歳月が経つのでしょう。21世紀の今、完全普通選挙を導入していない国や地域には、制限や制裁を科すべきではないでしょうか。選挙とは、それほど重要なものであると、僕は思っています。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則