仏像を素直に見るみうらじゅん氏と、町中の笑顔のポスター | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
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 イラストレーターなどをされていることになっているみうらじゅん氏が、以前、ラジオで、「仏像を見るとき、その仏像が国宝かどうかなどの属性を知ってから見ると、先入観にとらわれて、色眼鏡でその仏像を見てしまうので、なるべく、頭の中をまっさらな状態にして、仏像を見るようにしている」旨を、仰っていました。

 あの御方は、どこまでが意図的で、どこからがそうではないのか、全く分からない御方ですが、けだし、名言ではなかろうかと、僕は思います。なぜなら、みうら氏の仰っていることは、人の意見、特に、政治的な意見を受け止める際に必要な心構えを、端的に説明しておられるように思えるからです。
特に、政治的な意見は、私情を排して、吟味すべきです。人徳のあるAさんの意見だから、そのまま、鵜呑みにしよう。人徳のないBさんの意見だから、耳を貸す必要はないし、聞いたって、どうせ、大した意見ではないはずだ。それでは、政治に関する議論は、深まりません。

 選挙が近くなると、なぜか、大量の「名前と顔写真が、でかでかと刷り込まれたポスター」が、町中の至るところに出現します。また、選挙が近くなると、なぜか、名前ばかりを拡声器を使って唱える人や、名前ばかりを拡声器を使って触れて回る自動車が、町中に出現します。
今、言及致しましたポスター、人、自動車、いずれも、主義や施策を丁寧に説明してくれません。なので、僕は、「どこからどう見たって、名前を売り込んでるだけじゃん」と思いますが、関係当局のご担当者様に伺ってみますと、「政治活動をなさっている」とのこと。

 これでは、長髪、色眼鏡のみうらじゅん氏が仰っている事のほうが、よほど高尚です。我が国の現状に関し「経済一流、政治三流」という言葉がありますが、まさにその通りと、認めざるを得ません。政治において、意味を為すのは、具体策のみです。大金を投じて、「高価な、ほんわかした笑顔のポスターを、大量に町中に貼り尽くす」ことは、決して、政治活動ではない。僕は、強くそう思っています。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則