米国外交の更なる劣化しか予感させない、米国大統領選 | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

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 フィリピンのイメルダ・マルコス下院議員が、その昔、夫であるフェルディナンド・マルコス大統領と共にマラカニアン宮殿を追われた直後に住んでいた米国ハワイ州ホノルルのマキキ・ハイツ(Makiki Heights)。その海側(原住民の言葉であるハワイ語では、makai)には、カピオラニ病院(Kapiolani Medical Center)があります。
この病院のウェブサイトによリますと、ハワイ王国のカラカウア国王の妻であるカピオラニ王妃によって、1890年に創設された妊婦のための施設が、この病院の始まりだそうです。

 現在、米国大統領の職を務められているバラク・オバマ氏が、本当にこの病院で生まれたのかどうかを巡って、巷間、あれやこれやと取り沙汰されたのは、もう、8年も前の出来事。僕は、今も、「なぜ、米国人は、それほどまでに、出産の場所が米国か否かに、こだわるのだろうか」と、不思議に思います。

 因みに、出生により日本国籍を取得するための要件は、国籍法2条に列記されていて、ざっくり言えば、父又は母が日本国民であれば、どの国で出産しても、子は日本国民たり得ます。そして、日本国民であって、ある一定以上の年齢になり、そして、禁錮以上の刑に処せられるなどの別段の事情がなければ、国会議員の被選挙権を有するので(公職選挙法10条1項、11条1項)、内閣総理大臣になる道が、かなり狭いですが、開かれています(日本国憲法67条1項)
米国では、もちろん事情が違い、「出生により合衆国市民である者(natural born citizen)」であって、満35歳以上で、合衆国内に住所を得て14 年を経過している、この三つが揃って初めて、大統領になる道が開かれるそうです(合衆国憲法第2章1条5項)

 外交が不得手な者が、米国大統領の職を務めると、世界はどうなるか。イランのウラン濃縮、シリアの内戦、クリミアの危機、中国によるスプラトリー諸島近海での埋め立てなどに関する、オバマ政権の動きを振り返ろうと思っていたのですが、話がどんどん逸れてしまいました。
色んな意味で、「昔の学生集会(student rally)か」と、ツッコミを入れたくなるような候補者ばかりの、米国二大政党による大統領候補指名争い。まるで、「米国外交の更なる劣化を、覚悟しときなよ」と言われているかのよう。そう、僕は感じています。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則