従業員が1人の会社でも、1万人の会社でも、各従業員は、個別的に、会社と労働契約(民法でいう雇用契約)を締結している。そういう従業員が、自分の労働条件に関し会社と交渉するときに、複数の従業員がまとまり一団となって、会社と交渉することがある。
そういう交渉は、collective bargaining、団体交渉と呼ばれている。
政治の世界では、最近、集団的自衛権について、よく語られている。英文の国際連合憲章の51条(Article 51)は、次のような文で、始まっている(国際連合憲章の正文は、中国語、フランス語、ロシア語、英語、スペイン語のみ)。
Nothing in the present Charter shall impair the inherent right of individual or collective self-defence if an armed attack occurs against a Member of the United Nations, until the Security Council has taken measures necessary to maintain international peace and security.
(拙訳)この憲章のいかなる規定も、「加盟国に対する武力攻撃が発生し、国連安保理が国際的な秩序を維持するために必要な措置をとるまでの間」における、個別的自衛権もしくは集団的自衛権という、固有の権利の行使を、一切、妨げない。
私は、ちょうど1年前の防衛相と同じく、安全保障の素人なので、「集団的自衛権って、変な言葉だな。きっと、集団的防衛権と訳すべきところ、間違って訳しちゃったんじゃないのかな」と、思っていました。が、先ほど、英文の国連憲章の51条を読み、collective self-defence(米語では、defense)という語を見つけ、びっくりしている。
構成員がまとまり一団となって、自分が属する集団を守る。どんな場合でも、守る対象は、自分であり、自分が属する集団である。わざわざ、「self」や「自」を付ける必要はないと、思う。
目の前で成らず者が暴れ、仲間が殴られ殺されかけていても、「自分が殴られそうになるまでは手を出すな」と、さんざん言われているので自分が殴られそうになるまでは傍観し、仲間を見捨てるべきなのか。
私は、安全保障の素人なので、単に、「仲間を見捨て傍観するだけの者には、なりたくない」と思っています。
神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則