平成23年度の初日の前日までに、『平成23年度子ども手当法案』を成立させなければ、当然のことながら、同法案に基づき国庫金を支出に充てることは、できない。現行法である児童手当法に基づき、国庫金を支出に充てることになる。
平成23年度の初日の前日までに、『平成23年度公債特例法』を成立させなければ、当然のことながら、国会は、財政法4条1項(注1)に違反する予算を議決したことになる。
財政法4条1項に、罰則規定はない。そもそも、立法府である国会が、財政法違反の予算を議決することは、想定されていない。財政法は、行政府の予算作成、予算執行、決算などについて規定した法律である。国家存立にとって、とても重要な法律である。
『平成23年度公債特例法』を成立させないまま、平成23年度の初日を迎え、行政府が、財政法4条1項に違反する予算を執行するならば、明らかに、刑法193条(注2)に違反すると、私は考えている。
違反している者は、もちろん、特別職の国家公務員である国会議員全員であり、命じられて予算を執行する公務員ではない。
検察に告発をすることは、とても面倒なことなので、なるべくしたくないが、国家財政に関することなので、平成23年度の初日の状況によっては、告発せざるを得なくなると、思っています。
そうならないことを、強く願っております。
(注1)財政法4条1項
国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
(注2)刑法193条
公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、二年以下の懲役又は禁錮に処する。