第35代米国大統領ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ。おおむね、リベラルで若いというイメージが強い人だと思う。彼は、大統領就任演説の中で、"Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country."「国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国に何をすることができるかを、考えてください」と、呼びかけた。あまりに有名な一節である。
人の考え方は、保守か革新かというように、そうばっさりと二分類できるものではないと、私は思う。ただ、保守の考え方を、この一節がうまく表していると思うので、引用してみました。
国というのは、あまりに大きい。「国」を「自分の周りの人達」に置き換えれば、結局、周りの人との縁を大切にして、お互いに相手を思いやるようにしましょうと言っているように、聞こえる。友人を大切にする。家族を大切にする。現在の「自分の周りの人達」だけを、大切にするのではない。過去や未来の「自分の周りの人達」、つまり、先祖や子孫も大切にする。
「自分の周りの人達」を思いやり、地域社会ひいては国を大切にしないから、今、多くの人が、強い不安を感じ心にゆとりがないのではないかと、思う。投機マネーが株式会社を動かし、総資産利益率のさらなる向上を要求する。株式会社の経営を委任された経営者は、人の心よりも株価を気にしながら、業務を執行する。
地位も名誉もある国家公務員が、JR京浜東北・根岸線でキセル乗車をして、課長に降格する。心が壊れている。心の保守点検が必要なのは、言うまでもないことだと思う。