◎ 名言あれこれ_26
日本滞在中のエピソードの紹介-1。
ア博士曰く、
「私が日本から招待されたということを聞いて人々は非常に羨ましがった。ベルリンに住んでいてあれほど羨ましがられたことははじめてであった。
私どもにとっては、日本という国は、薄いベールに包まれた不思議な国と思われている。その夢の国に私は招待されたのだ。日本人・・・ドイツでは淋しく暮らし、熱心に勉強し、親切に笑っている、その日本人の住んでいる国に私は招ばれたのだ。
日本人のあの微笑! あの微笑の背後には、われわれの心とは質と形を異にしたやさしい日本の心情が潜んでいる。小さなかわいらしい日本の器具や、ときどき流行する日本風の読み物に現れている日本の雰囲気が、どんなにわれわれのそれと異なっていることであろうか」
11月17日は、数日来の雨が晴れて、小春日和の日であった。北野丸が神戸入港前の様子を、アインシュタイン自身はつぎのようにのべている。
「色々と想像はしていたものの、日本というものを明確に頭に浮かべてみることはできなかった。北野丸が瀬戸内海に入って緑の島々が朝日に照らされているのを見たとき、私の好奇心は極度に緊張した。
船客と船員の顔は喜びに輝いていた。通常なら朝食の前には顔を見せないやさしい日本の婦人たちが、朝の六時というのに、もうデッキにとび出て、一時も早く故国の姿を見ようと歩き回っていた。
寒い朝風が吹いていたにもかかわらず、人々が強い感激をおぼえているのをみて私の心は動かされた。日本人はその国土とその国民を愛している。おそらく日本人ほど愛郷心の強い国民は他にないであろう。
日本人は外国語をよく話し、外国の事情に対して大きな研究心をもっている。それにもかかわらず日本人は、外国ではいつも遠来の客であるという感じから逃れることはできない。その理由はなんであろうかと、私は考えてみた。」
日本滞在中のエピソードの紹介-2。
アインシュタイン夫妻は、ステーション・ホテルで小憩ののち、東京駅から帝国ホテルへ向かった。その帝国ホテルには、歓迎の花束で飾られた部屋が夫妻のために用意されていた。
アインシュタインは、「この部屋はあまりぜいたくすぎます。このホテルは大層私の気に入りましたが、もっと質素な部屋ととりかえるよう山本氏に伝えて下さい」と言ったが、山本実彦氏の、「私は礼を尽くして、できるかぎりのことをあなた方に捧げたい希望をもっています、私の誠意だけは是非受け入れていただきたいと思います」という主張に押し返されてしまった。


