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私が何とかこなせるのは、この三級の瀬迄である。

 

このクラスの瀬でも、時々「沈」の洗礼を受けるのではあるが・・・。

 

三級の瀬ともなると、常に恐怖心との戦いである。

 

私はこのクラスの瀬に突入する時は、

 

いつも、妻や子供達の顔が目に浮かび、

 

生命保険の掛け金の低さが、頭をよぎるのである。

 

一方、このクラスの瀬を、無事クリアーした時の爽快感といったら、

 

筆舌に尽くし難い。

 

心臓の鼓動はしばらく続き、

 

瀬を過ぎて上流を振り向いた時「沈」した艇でも発見しようものなら、

 

何んともいえない幸福感にさえ包まれてしまう。

 

この様な笑いと幸福感を、

 

私はクラブの面々に何度提供して来たことか・・・。

 

川の流れも大きくなり、豊田町の街が近くになった。

 

静かなる流れの中で、この日の楽しい旅は終わった。

 

川下りは、いつもスリルに満ちた、束の間の旅である。

 

世界一小さな船で、気の合った仲間達と、大自然の中へ飛び込む。

 

一人一人が船長となり、冒険心を満たしながら、自力で川を下って行く。

 

世の中に、これ程贅沢な遊びは、他にありそうにもない。