私は見た目は大人しそうだけど、中身は無頼派だから、どこの世界に行っても上手くいかず
世の中を避けるように小さく暮らしていた
そんな自分に嫌気がさして自傷行為も何回かやった
その為に今でも部屋には包丁はない
家庭が貧しかった為なのか混沌とした日々のやるせなさを逃れる為に子供の頃からお笑いだけは好きだった
お笑いならば自分を救ってくれるかもしれない
吃音があったが関係はなかった
一年間、ネタを書く練習をして土日は度胸をつける為に高嶺の花に声をかける日々だった
ネタを書いて、それを捨てて、また書いて捨てて
ネタ出しをして、本質を言われて、構成作家向きなんじゃないのか?なんてことを言われて、自分に呆れて、気晴らしに働いて詰まんないことを言われて、ふてくされながらネタを書く日々だった
そんな僕を見て放っておけなかったのかアルバイト先の作業疲れをした女の子が部屋を訪ねて来るようになった
日々の不満をぶつけるように抱いた
抱かせてもらった
虚しさが押し寄せてくるばかりで、全てが空回りをしていた
自傷行為が頭を過った、、包丁はない、それならば一瓶300円のワインを買って勢いに任せて煽った
睡眠薬を飲もうと思ったがお金がなくて買えなかった、、馬鹿馬鹿しくなった
それでも、出来る限りのことはやった
しばらくして、、働きに出て、お金を貯めて、東京に来た
つても何もなかった、、大阪では経験できないことをやろうと思い、ドラマのエキストラ、映画のエキストラ、ネットテレビでのエキストラ、東麻布にあるインターナショナルストアでアルバイトをした
英語を話せなかったが英語堪能ですと嘘をついて仕事をさせてもらった、苦労は半端ではなかった
寝ないで学習をして働いた
そんなことも限界が来て首や腰が悪くなり、よくわからない高熱が出た、、病院にお世話になり
また当てのない生活に戻った
私は見た目は大人しそうだけど、中身は無頼派だから、どこの世界に行っても上手くいかず
そんな僕を、不器用な僕を快く受け止めてくれたのが浅草だった
東洋興業にはお世話になった
松倉荘に住まわせてもらいつつ
最初は東洋館(旧フランス座)の呼び込み、なかなかお客さんを呼べたので、会長のひと声で演劇ホール担当に変わった
演芸ホールでもお客さんを沢山呼べた
ベテラン無頼派の長さん、いぶし銀の杉さん
肝っ玉の根立ねーさんにお世話になった
会長、社長、女将さんにもお世話になった
厳しい反面、寿司や鰻重を食べさせてくれた
その後、死ぬほど働かされるのだがまたご馳走されると忘れてしまう
報いる為に朝5時から目を覚まして、呼び込み文句を考えた
夜は深夜26時くらいまでネタや今日の反省点を探った、朝になればまた仕事
松倉荘はことのほか冷えるんだよね
そんな中、元演芸ホールスタッフである老人の孤独死を垣間見ることとなる
たまたま居合わせた僕に会長がしっかり見とけよ、これが死ぬと言うことだと喝を入れてくれた
心を癒す為に絵は描いていた
絵を浅草藝画廊に見せに行ったら個展を開くようにと薦められた
仕事の隙をついて漫才、落語、を覗いた
仕事が終われば、歩盃(ポパイ)大根やでお酒をご馳走してもらい先輩たちの世間話を聞いた
俳優座の女優さんや、俳優さんもたまに居たな
いろんな方のお話しを聞く事で今までの体験と学習が結びついた感覚があった
それは今まで振ってきた無数の点が線で繋がれた感覚だった
脳内のシナプスが繋がれたような新しい感覚を体験した
お笑い、芝居、歌、ダンス、路上パフォーマンス、詩、映画、芸術、生死、全てが一つであり、全て繋がっている
そんなことを気付かされたんだ
仕事は益々、忙しく、お客さんはますます入ってくるようになった
落語家さんや芸人さんは喜んでくれているみたいだったが、こっちはたまったもんじゃない
猫の手なり、犬の手も、スズメの手も借りたかった
生活するお給料はスズメのなみだ
一年弱たったところで矛盾を感じて、ささいな事で社長と衝突した
僕は勢いに任せて出て行ってしまった
私は見た目は大人しそうだけど、中身は無頼派だから、どこの世界に行っても上手くいかず
今は新宿に身を潜めているが、無頼派の長さんが文句を云いつつも引越しを手伝ってくれた
やたらと昔を思い出すんだよな
みんな元気にしてるかな、、正直、迷ってる
生き方に、、
心の曇りを取るために今日も絵を描いている
■補足いたします
東洋興業社長との衝突は文化を守らなければいけない為に小さなことでもこだわってキツく伝えなければいけない事情があるのだと思います。
人間国宝の方も出演されていますので。
そして僕の怠慢です、出来が悪いんです
■補足いたします
大阪時代に構成作家向きだよて言っていただいた方はどうにかして僕を救いたかったんだと思います。鋭い感性のようなオーラを感じました。
恐らく天才です。名前は出せません。
僕、高ぶっているのかな?、、僕は落ちこぼれです
長々とした文章をお読みいただいて
ありがとうございます。
感謝いたします。
人生は一瞬