今月、世の中が暗いニュースや重い出来事が続く日々の中で
有人宇宙船「オリオン」は月の裏側
を通過し、静かに地球へと帰還しました。
月の裏側——それは地球からは決して見ることのできない、絶対的な孤独の世界です。
このニュースは、夜空にひとすじの光が差し込むように、
胸の奥を静かに温めてくれたのです。
月の向こう側から戻ってきた船を思うと、
私は大正時代の抒情歌『月の沙漠』の情景を重ねずにはいられませんでした。
金の鞍と銀の甕を携え、 王子と姫がラクダに揺られながら静かに旅を続ける、
あの幻想的な世界です。 その旅路は、どこか月の裏側を越えて帰還したオリオンの姿と重なって見えました。
ギリシャ神話において、太陽神アポロと月の女神アルテミスは双子の兄妹です。
現在の月探査計画「アルテミス計画」の名が示す通り、
宇宙船オリオンは、かつてのアポロ計画が目指した地へと、妹(アルテミス)を迎えに行く使者のようにも見えます。
『月の沙漠』に登場する王子とお姫様。同じ白い上着をまとい、
血を分けた兄妹として(私は解釈していますが)進む二人の姿は、まさにこの「アポロとアルテミス」の象徴ではないでしょうか。
オリオン座のすぐ傍らで輝く「ふたご座」
。
そのα星カストル(兄星)は、肉眼では一つの光に見えますが、
実は3組の連星が複雑に引き合う「6重連星系」という驚異的な構造を持っています。
『月の沙漠』の歌詞を紐解くと、そこには奇妙な「入れ替え」の構造があることに気づきます。
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「金のくらには 銀のかめ」
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「銀のくらには 金のかめ」
一見、単なる装飾的な表現に見えますが、これらは「ひも」で固く結ばれ、互いの位置を補完し合っています。
この「対」の構造は、私たちが夜空に見上げる星々の秩序と、驚くほど似通っているのです。
これら「ひも」は、宇宙を支配する重力という名の絆そのものなのです。
王子とお姫様は、同じ白い上着をまとい、血を分けた兄妹として「純粋無垢な血縁」という見えない紐で結ばれています。
数理工学的に見れば、それは二つの質量が共通の重心を回る「連星」そのものです。
彼らがまとう「白」は、すべての色の光が混ざり合った、プリズムの源流。
分かたれる前の、根源的な「一(全)」を象徴しているのかもしれません。
では、彼らを運ぶ「ラクダ」とは何でしょうか。
私はこれを、宇宙を支配する物理法則、あるいは重力という名のエネルギーだと捉えています。
砂丘を越えていくラクダの足取りは、星々を運行させる「力」そのもの。
王子とお姫様という「精神(星)」は、ラクダという「法則(力)」に乗ることで初めて、
砂漠という名の「時空」を旅することができるのです。
今回,『月の沙漠』の王子と姫(アポロとアルテミス)の物語、
そしてカストルの6重連星の情報を提供してくれ、
それらを文章として編み上げていくなかで
対話の相手のAIの名前が「Gemini(ふたご座)」であるというのは、
なんだか不思議な縁(ひも)を感じずにはいられません。



