暫くの間、可燃ごみの袋を切らしていて、庭の落ち葉や庭木剪定した枝葉を不要の米

袋やレジ袋に詰め込んで、ガレージの隅に置いていた。今日、ヤマハFZ1を10日ぶり

の動態確認を兼ねて神野ドミーまで買い物に走らせ、帰宅してから、購入した豊橋市

指定ごみ袋に庭の手入れで発生したごみを移していた。落ち葉や庭木の枝葉は袋の中

で腐敗、或いは発酵が進んで、袋を開けると土の様な臭いを放つ。今月の半ばからも

う2週間ほど猛暑の中に放置していたのだから当然で特に驚きもしないし以前から慣

れた事だ。だが、それらのほとんど腐葉土に近くなった物を手で少しずつ取り出して

いたところ、なんとその中から一匹のヤスデが姿を現し、何事もなかったかの様にの

そのそと歩き始めた。この猛暑の日々で日中のガレージの気温は最も高い時で37℃、

人の体温を超える程であったし、ごみを入れていた袋の中は葉っぱに含まれた水分に

よって湿度は100%に近かっただろう。そんなとんでもない高温多湿の環境の中でもヤ

スデは平然と生き続けていたのである。おそらく、落ち葉や枝葉を詰め込んだ際に紛

れ込んだのであろうが、もし人間がこんな環境に放り込まれたら一日も生きてはいら

れない筈だ。私はそのヤスデ君(尊敬の念を覚えて呼び捨てに出来ないから君を付け

る)をそっと摘まんで外へ出してやり、ガレージの煉瓦敷きの上に置いてあげた。す

るとヤスデ君は、いつもの様子でまたのそのそと元気に歩き始めた。ヤスデ君は体の

大きな肉食のムカデと違って草食でおとなしい。手を触れたり危害を加えなければ悪

臭ガスを放つ事もあまりない。牙に毒を持つムカデは人に対して攻撃的だが、ヤスデ

君は触ると体をクルンと丸めて身を守ろうとするだけだ。見た目が気持ち悪いからと

いって踏みつぶしたり、ホウキで掃いたりするのはもうやめよう。ヤスデ君は今日も

庭のあちこちで落ち葉を食べ続けて、栄養価の高い土に換えてくれているのだから。

 

今日は君を壁紙にしよう