こっちもup
私ね、好きな人ができたの。
できたって言っても、最近じゃないけど。
ずっと、ずっと好きだった。
けど、貴方は私を見てくれなくて、まったく気付いてくれなくて、いっつも私は空回りしてばかり。
ハッピーエンドには程遠い、私の初恋。
バットエンドにはならないけれど、ハッピーエンドにもこのままじゃなれないの。
ずっと、このままの状態を維持し続ける、ノーマルエンド。
良くも悪くもない普通な終わり。
そんなのじゃ満足できない。貴方と恋人になれないなんて。
私、欲張りになったかな?
でも、願わずにはいられないの。
今日は冬至。
日は短くなって、気温もだんだん低くなってきた。
そして、あと3日でクリスマス。
「マイは、今年のクリスマスにはサンタさんに何をお願いするんだ?」
もう知ってるよ?私はサンタさんがいないこと。
いつも忙しいお母さんに代わって、トーマとシンが私に欲しいものを聞いて、プレゼントを買ってきてくれること。
そんなことは、少しも知らないトーマは私に聞いてくる。
「私の想いに気付いてくれますよーにってお願いするの」
「え?ぬいぐるみとかじゃないの?」
「うん。だってそっちの方がよっぽど嬉しいもん」
トーマは困惑した表情をしている。
それもそのはずだ。
マイが頼んだものは、決してトーマやシンが買うことは出来ないものなのだから。
「じゃあ、俺が相談に乗ってあげる」
「本当!?
あのね、その人はね全く私の方を見てないの」
「そうなんだ」
「あんなにアピールしてるのに、気付かないなんて鈍感すぎると思う」
「うんうん」
「だから、二日後告白することに決めた!!」
マイは力強く立ち上がる。
初めは静かに聞いていたトーマも、すっとんきょうな声を上げる。
なんだか、呆れているように見えなくもない。
「だから、応援してね?」
「いいけど。お前にそんなに想われているなんて、そいつは幸せ者だな」
「でしょー」
マイは照れたように笑う。
すると、トーマが鋭く『お前が言うな』と突っ込みを入れてくる。
そんな日常が大好きで、とても大切だった。
けどね、やっぱりこのままは嫌なの。
だから、明日貴方に告白するよ。精一杯の勇気を持って。
二日後のクリスマスイヴ。
私は今、トーマの家に来ている。
告白する五秒前。心臓が暴れまわっていて、今にも飛び出してしまいそうだ。
「私、トーマが好き。ずっと前から好きだったの」
「へ?だって昨日言ってたんじゃ…」
トーマは、話に頭がついていっていない様子だ。
頭の上に疑問符が見えてくる。
「それはトーマなの。だってトーマ鈍感でしょ?」
「そうなのか…?」
駄目だ。
話が段々それていってるよ。
勇気を振り絞ったのに、答えを貰えないなんて論外。
振られるより質が悪い。
「どうなの?トーマは」
「俺もマイが好きだよ。ずっとずっと前から」
そう言うとトーマは私を抱きしめる。
甘い甘いキスを唇に落として。
今年の私のプレゼントは、今までで一番素敵なもの。
私の初恋のルートは、ハッピーエンドで幕を閉じました。
でもきっとハッピーエンド
(サンタさんはこの世にいるんだね)
title by 確かに恋だった 様
2011/12/22