おはようございます。
ZigZagです。
本日ご紹介するゲームはこちら。
疲弊した人
多大な疲労で全身が脱力したキャラを操作し、終わらせなくてはならないタスクを熟していくゲームです。
※個人的な感想です。プレイしたのはPS5バージョンです。
概要
疲弊した生活を描いたシチュエーションコメディアクションゲーム。
発売は2024年7月25日。
対応ハードはPS5、PS4、Switch、Steam。
ストーリー
主人公はとっても疲れ切った人。
身体を力なくダラァンと床に預け、今にも眠りそうなほど疲労困憊しております。
しかし、主人公はまだ眠るわけにはいきません。
何故ならば、まだ“やらなくてはならないタスク”が残っているのだから。
あなたはそんな主人公を手助けし、安心して眠れるようにすべきことを一緒に終わらせてあげましょう。
特徴
システム
流れ
プレイヤーは疲弊してぐったりしたキャラクターを操作して各イベントをクリアしていき、目標の達成を目指していく。
- 最初に指定された数の小道具を設置、次にイベントカードを選択してショーのタスクを熟し、スコアポイントの集計後、また小道具を設置……の繰り返しを、制限時間に達するまで続けていく流れになっている。
- イベントカードは3色あり、赤は目標に向けて、青は息抜き、黄はミニゲームのショーとなっている。
ショー
イベントカードを選択し、それに提示されたタスクをクリアする。選択したカードによってクリアした際に「目標」「元気」「時間」「小道具」のスコアポイントが増減していく。
◾タスク
ショーを完了させるための目的。タスクには時間制限はなく、全て完了するまでショーは終わらない。
カードによってはタスクが終わるとミニゲームが開始される。
◾時間
目的を達成するまでの制限時間。ショーが終わる毎に加算されていき、最大になるとその時点での目標ポイントに応じたエンディングになる。
◾目標
エンディングを迎えるために必要なポイント。カードには旗マークで表示されている。
◾元気
このスコアポイントにより、主人公の移動速度が変化する。最大値は2で、最低値は−2。マイナスになると主人公の動きが遅くなる上に「触れると一定時間行動不能になる」泡を出すようになる。
◾小道具
ステージ内に配置出来る小道具の数。最低でも10個配置する必要がある。一部の小道具はイベントによって勝手に動き回ることがある。
主人公
主人公は、床や壁、オブジェクトの表面を這うように移動でき、壁を移動する際は重力の影響を受けないようになっている。
- 両手足はそれぞれ独立した操作になっており、両手にはそれぞれ物を持つことが可能。手にしたオブジェクトは主人公と共に移動する他、自動で動くタイプのオブジェクトは動きを止める。
- L3ボタンを押すことで昼寝することが可能。壁を登っている場合は即座に落下できる。他にも特定にのタイミングで昼寝を行うと、コインを獲得でき、同時に配置できる小道具が増える。
ステージ
本編のステージは主人公の部屋であり、ゲーム開始時に好きなモデルの部屋を選択可能。また、自身で自由に小道具を配置出来るDIY部屋も選択出来る。- DIY部屋は最低小道具を10個配置しなくてはならないが、その10個に選ばくてはならないものは存在していない。
- 部屋は2部屋あり、ゲーム中にドアの付近に待機すれば自動で隣の部屋に移動する。
感想
良かった点
◾現代の人間の様相を反映したゲーム性
疲弊したというのは伊達ではなく、作中に登場する主人公はゲーム中に一度も直立せず、常にはいずって行動する。
- 内容も「締め切りに間に合わせるために、疲れた身体に鞭打って行動する」という、まさに現代人の姿を象徴するかのような内容。覚えのある人は思わず自身を重ねてしまうかもしれない。
- 制限時間に達した時点での目標ポイントでエンディングが代わるので、目標が終わっていなくてもエンディングを迎えてしまう。ただし、どれも救いのある前向きな終わり方なので、プレイヤーが心を病む心配はないだろう。
◾操作性の悪さに配慮した仕様
小道具を掴む際、掴む対象がハイライトされるので、狙ったものを取りやすい。
- 即座に掴むわけではなく短時間の長押し後なので、間違った対称が選ばれた時に修正が間に合うのも地味に利点。
賛否点
◾日本語訳が少々変
ムービー中やトロフィー関連の日本語訳に少し違和感がある。
- ゲーム進行を左右するほどでもないので、そこまで気に留めることでもないが。
残念な点
◾ゲーム内容が薄い
「イベントを熟して目標値を稼ぎ、各種エンディングを見る」ことが目的のゲームだが、肝心のゲーム内容が薄い上に、キャラクターの操作性によって達成感よりも徒労感の方が強くなってしまっている。遊ぶ人が疲弊するゲーム。
- イベントはそこそこあるものの、することは「配置した小道具を動かす」「対象に触れる」だけでバラエティに乏しく、人によっては数回プレイしただけで飽きが生じてくる。
- 一部イベントに付随されるミニゲームも同様。ステージが変化するだけで、肝心の内容は通常のイベントと大して変わりがない。いくら「疲れた人の生活」にフォーカスしたゲームにしても、あまりに工夫がない。
- 配置出来る小道具にはギミックもないため、自由に装飾出来るモードを選んだとて面白味に欠けている。寧ろ小道具が少ない方が動きやすい。
- ゲームスロットが3つもあるもののゲームストーリーは全て一緒で、違うのは目標ポイントに応じたエンディングのみと、複数スロットある意味合いが薄い。
- おそらく後述の点による仕様を回避しつつ、全てのエンディングを見れるようにした配慮かもしれないが、同じイベントを繰り返しやらされるのは退屈極まりなく、手抜き感を強く感じる。
◾雑なポイント制度
イベントカードによって増減する各種スコアポイントだが、そのバランス設計が非常に雑であり、存在意義が皆無。
- 赤カードでは全てのスコアポイントが増減するが、目標と時間のポイントがカードごとで全て一緒なため、「目標値の高いショーを先に熟して時間に余裕をもたせる」といった類いの戦略性が一切ない。
- キャラの移動速度を上昇させる元気ポイントだが、その最大値が2と少ないにも関わらず、赤カードで必ず元気ポイントは減少する上に、カードによっては最大−2される。そのため青カードのショーで元気ポイントをいくら回復させても、目標を1回〜2回クリアしただけでゼロ、またはマイナスになってしまい、回復させる意味が殆どない。
- 時間に追われている様を表現しているといえば聞こえは良いが、プレイヤー側には何らメリットがなく、やるだけ無駄な仕様になっている。もう少し元気ポイントの上限を上げたり、一度に手に入る元気ポイントが多ければ違ったかもしれない。
- 反対にどんどん増加する小道具ポイントだが、配置しても何かギミックがあるわけでもなく、先述の通り配置した分、移動の妨げになるだけ。
- そのくせただの置物なのに配置は強制。終盤にもなれば無駄な置物で部屋が満たされていく。
- 何のギミックもない置物を配置して楽しい人が、果たしてどれだけいるのだろうか。
◾個別にセーブデータを消去出来ない
ゲームスロット自体はチュートリアルが1つ、本編が3つあり、セーブデータ自体はそれぞれ独立しているものの、データを消去する際は全てのセーブデータを消さなくてはならない。
- クリアしたデータでは全てのイベントカードを遊べるものの、ストーリーそのものをリプレイすることは出来ないので、もう一度遊びたいならば全セーブデータを消去する他ない。
- 一番問題なのは目標ポイント稼ぎにミスがあった時。オートセーブであるためミスったとしてもやり直しが効かず、この仕様によって全て消さなくては別エンディングを見ることが叶わなくなる可能性がある。
- そうそうある話ではないが、これからプレイする人は注意。
◾部屋移動が強制
隣室への移動は自動だが、そのエリアにいるだけで勝手に移動してしまうので、イベントによっては思わぬ状況で勝手に移動しやすい。
- すぐにその場を離れれば良いのだが、操作性の悪さによって瞬時の行動が取りづらく、気付いたときには手遅れになることが多く、ゲームテンポを阻害しやすい。
まとめ
ゲームシステムに惹かれて購入しましたが、正直なところゲーム内容が非常に薄く、危うくクリア前に投げ出すところでした。
久しぶりにそのようなゲームをやったので、ある意味では新鮮でしたが……。
タイトル通り、キャラクターが疲弊している様はありありと表現されております。
二足歩行することもなく常に床や壁を這い回って移動する姿は、現代社会に苦労する人々の哀愁や、「ずっと寝転びながら過ごしたい」という極限の疲労に苛まれた人々の願望の現れでしょうか。
操作性の微妙な歯痒さはこの手のゲームでは覚悟していましたが、小道具へのインタラクティブはしやすいです。
掴む対象はハイライトできちんと表示してくれるので、「アレ掴みたいのに別の掴んじゃった!」という面倒くささはありませんでした。
ただ、殆どのシステムが軒並み“意味のないもの”であるため、モチベーションよりも苦痛の方が上昇しやすい点が残念。
スコアポイントはただの飾り、元気ポイントの無意味さ等、プレイヤーが計画や戦略を立てる余地が一切なく、ただタスクを熟すだけという単調さにより、本作の特徴である“ラグドール状態のキャラを操作する歯痒さやもたつき感”が、ただの苦痛になってしまっております。
小道具は本当にただの置物であり、ギミックも「電気のオンオフ」「小道具が勝手に動く」だけと、小道具を配置する楽しさや意味合いも皆無。
極めつけは、用意されたゲーム内容はチュートリアルを除いて全て一緒という手抜きっぷり。
全エンディングを見るための配慮かもしれませんが、だったら個別にセーブデータを消せる仕様にし、別の内容を実装してもらったほうがよっぽど嬉しかったです。
全体的な練り込み不足感が否めず、例えインディーズかつ約1,000円という低価格帯であることを考慮しても、割高に思えてなりません。
本当に申し訳ないのですが、あまり人にはオススメ出来るものではありませんでした。
◾こんな人におすすめ
・ラグドール系統のゲームが好みの人
・お金に余裕のある人
◾こんな人には合わないかも……
・単調なゲームが嫌いな人
・様々な展開のゲームを楽しみたい人
・イライラしたくない人
一応、全エンディング回収はしましたが、トロフィーコンプまではモチベーションが維持できず断念。
ゲームとしては完成しており、際立ったバグ等もないので、お金と時間と精神に余裕がある人はプレイしてみては如何でしょうか?
それでは本日はこの辺で。
おしまい。