映画「聖の青春」のDVDを買いました。映画館で見たかったのですが中々時間がつくれないままで、気がつけばDVDの販売。

 この映画は、29歳で夭逝した天才棋士・村山聖と、その棋士人生に公私にわたり寄り添い続けた森信雄師匠の生き様を描いた大崎善生のノンフィクションが原作です。漫画コミックスには「聖 -天才・羽生が恐れた男-」(山本おさむ)があります。

 自分はどちらも持っていて漫画コミックスの方は昨年の11月以来、知人のOさん(龍のコレクター)に貸し出し中です。

 

 振り返ればNHK杯の対局で「爪の切っていない棋士なんているんだなあ」と気になったのが振り出しで、その風貌とエピソードに惹かれてから数年後、たまたまつけたテレビに映った羽生さんとの決勝戦で「ああ、村山さんが勝ったな!」と思った瞬間の信じられない逆転劇(68手目△7六角)、その年の夏の真っ只中での訃報、将棋世界の追悼号を購入・・・とリアルタイムで意識したその生き様が見事に描かれている本とコミックが大好きです。

    

 テレビドラマやドキュメンタリー等でも「聖の青春」にかかわるものが出るたびに感動させていただいてきましたが、とうとう映画となることを知り大きな楽しみとなりました。

 報道等で、主演の松山ケンイチさんが決死の増量をしての役作り、東出昌大さんの“羽生メガネ”。二人の徹底した棋士魂と対局姿の研究で村山聖=松山ケンイチvs羽生善治=東出昌大の緊迫感と臨場感溢れる対局シーンが紹介されるたびに、見たくて見たくてうずうずしていました。

    

そして駒ファンの一人としては対局シーンに登場する盛上駒、殊に「菱湖書」の盛上駒が美しく切なく、時に狂おしく怪しく、登場人物たちの命の極みで舞い続けている様が心にかかっていたのです。

 自宅のテレビでのDVD鑑賞でも、ストーリーとともにその映像美を感じることができ、これを映画館で見たなら、さらなる感動が得られたことと若干の後悔もありました。

  そういえば、我が街の盛上駒師の遠藤さん(隺峯師)は迫力の映像を映画館で鑑賞されていて、うらやましく思えました。

 そんな隺峯師は6月12日(火)にローカル局のテレビ取材を終え、今月末6月28日の放送を待つ中、「ちょっと気になることがあるので」と『聖の青春』のDVDを・・・」と珈琲談義の申し入れをされてきました。

  私自身も取材の様子を聞きたく思い、あわせて「聖の青春」の対局シーンに登場する盛上駒「菱湖書」2組について教えてほしく思い、DVDと再生用のノートPCを持参しての珈琲談義となりました。

 前記事で写真を載せた「菱湖書」の駒がすべて盛り上げを完了したということで、こちらも拝見させていただくことができました。

もちろん、N氏のネルドリップ珈琲はモカ(イルガチョフ)&マンデリン。今回のイルガチョフは香草のニュアンスが色濃く感じられ私の嗜好が強いものでした。N氏からは焙煎のときの調整で私の好みを「意識してみました」とありがたいお言葉をいただきました。マンデリンの方も焙煎の妙が醸し出すその苦味と甘みのバランスが絶妙で最近の豆の売り上げトップランカーの様子です。

 

 おっと、本題に踏み込んでいませんでした。今回の珈琲談義では映画「聖の青春」中に登場する駒の作者が誰か、という点を追究してみたのです。それは「菱湖書」2組のうちの一つが本当に隺峯師作の駒なのか? という私の疑問を解消することでもありました。

 

 以前に隺峯師から、ご本人が映画のPVをCMで一瞬目にしたときに「日本将棋連盟に寄贈した自分の駒」と看て、さらに映画そのものの画像を見たときに間違いなしと感じたとお聞きしていたからです。

 今回、疑い深い私がPCを操作してDVDの画像を細かく分析(笑)させていただき、間違いなく、映画後半で「橘正一郎(安田顕)」と「村山聖(松山ケンイチ)」の対局で使用された「菱湖書」の駒が隺峯作であることを確認いたしました。

 「穴熊」に囲った村山聖(松山ケンイチ)の「玉将」の駒尻に「隺」と「峯」の字を、禁じ手とも言えるキャプチャー画像の拡大、明るさ調整で識別したのです。

 最も駒木地と字母、そして何より自身の製作過程のすべてでわが身に刻み込んでいた隺峯師にとっては、この作業は無用だったわけですが。

 まあ、私の疑惑のお詫びとして不鮮明ながら画像にての紹介をいたします。

 

 それはさておき、この識別作業によって、もう1組の「菱湖書」、映画の最終対局シーンで使われた太字な印象の駒の作者がだれであったのかを特定することにもつながりました。隺峯師が気になっていたことがすっきりすることになったのですから、疑い深かった私をお許しいただきたいと思います。

 では、映画のパンフレットにも写真が出ているこの駒の作者は一体だれだったのでしょうか?

 

 羽生善治(東出昌大)が村山聖(松山ケンイチ)陣の金将を歩で攻めた瞬間に見えた村山玉の駒尻。

 このキャプチャーからは「●月作」(●部分はフレームの外)の銘が読み取れます。

 思うにこの駒は富士駒の会の●月師匠作では? と私は推定しています。機会があれば直接お尋ねしたいものですが、なかなかチャンスがないですねえ。

 こうなってくると、やはり映画館の大画面での鑑賞のチャンスがほしいと切実に思うところです。「三月のライオン」も見たいです。

映画館がある街へと旅に出たくなる6月の末です。

 

 

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2017年の日本将棋連盟のカレンダー表紙に、我が街の盛り上げ駒師隺峯さんの盛上駒の写真が掲載されてから6ヶ月。

 2017年は将棋関連の話題がマスコミに絶え間なく取り上げられている真っ只中。加藤一二三九段(ヒフミン)、叡王戦における佐藤名人vsPONANZA(人類対AIのファイナルラウンド)、史上最年少プロデビュー中学生藤井四段の連勝記録等々百花繚乱か百鬼夜行かの平成29年の大祓(おおはらえ)の時期に我が街の盛り上げ駒師隺峯さんが、地方テレビ局が県内の話題を人を取り上げる番組の取材をうけることになりました。

 この番組では48年ぶりに卓球世界選手権でメダルをゲットした平野美宇さんも取り上げられている様なのです。すごいですねえ隺峯さん!

 上昇気流に乗っていってほしいです。

  棋士挑戦中に隺峯さんの盛上駒をゲットしたカロリーナ・ステチェンスカさんはその後、あっというまに外国人初の女流プロ棋士になっていますから、あの勢いに負けずにいきましょう!。

勢いといえば隺峯さんの盛上駒のファンがおられる岡山の菅井竜也七段後援会の皆様にとってもこの6月は喜ばしい月となりましたね、王位戦挑戦者決定おめでとうございます。(もし菅井先生が隺峯さんの盛上駒の根付をお持ちでしたらラッキーアイテムに絶対なります!)

 では岡山に向けて6月10日に行われた珈琲談義中に撮影した隺峯さんの盛上駒を掲載いたします。今日6月11日に富士駒の会定例会にて初お目見え予定の駒も入ってますがややフライングで紹介することお許しいただいて(笑)

 ちなみに最新作は巻菱湖。隺峯さんは江戸時代の千字文の書を手元において勉強されているので、その影響が字母に出ていると思われます。

 私が今回ぞくぞくしたのは水無瀬の駒。水無瀬の書体と駒木地から噴出してくる念波の様な感触を覚え、水無瀬の書体による駒の修練に手指の青白い炎を注ぎ込んでいく駒師の集中力を感じた駒でした。

 自分の勝手な素人的な感想を述べると、隺峯さんは駒木地について話してくれて、薩摩黄楊孔雀の駒木地は木地師の徹底した拘りの製作過程があることを力を入れず穏やかに伝えてくれたのです。

 そうえいば「将棋駒の世界」(増山雅人著)によれば、羽生王位が日本将棋連盟の販売部で「島研」の積立金?で初めて購入された盛上駒は水無瀬の書体でした。羽生先生にはかつて将棋イベントでプレゼントを頂いた時に自分が持っていた隺峯さんの根付の駒をお礼に渡したことがあります。

 その駒は羽生先生の「銀」が磨り減ったというエピソードに従ったもので、表は盛上、裏は彫埋の駒です。

 もし菅井先生が隺峯さんの根付を持っているならそちらは両面盛上の駒。盛上度でいえば・・・・。

 いや、一番盛り上がっているのは岡山のみなさんですよね(笑)

ちなみにこれらの駒写真を撮影している最中にネット中継では藤井四段が25連勝を達成。局後の対局室の盛り上がりはタイトル戦を凌駕してました。

 6月28日(水)の夕方6時55分からのローカル局の放送で隺峯さんの姿を拝見したら負けずに盛り上がりたいと思います。この番組はネットでも放送後はその紹介を見られるらしいので

興味がある方はさがしてみてください。

 

PS 琲談義中最も盛り上がったのは「藤井四段フィーバーでお子さんの才能を開花させたいと願う保護者の皆様や、お孫さんへ良い将棋駒をプレゼントしたいとおもう祖父様祖母様が、隺峯さんの出演番組を見て駒の購入を考えて予約が殺到したらどうしますか?」という問いかけに「たくさんの予約を受けるのは難しいです。手は二本、指は十本ですから」と笑顔で隺峯さんがおっしゃり、「では私が隺峯さんにコネがあるから交渉しますよと宣伝してマージンを・・・」と言ったら「それはいいですねえ」と珈琲マスターが爆笑したことでした。

 

PPS 本珈琲談義中に頂いたドリップ珈琲の豆は、昨年急逝された福岡の美美店主様の輸入されたモカイルガチェフ。珈琲マスターのN氏が日々焙煎されている逸品です。とてつもなく美味いです。

 

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