昭和四十一年六・七月歌舞伎座 中村錦之助公演を想像する | 俺の命はウルトラ・アイ

昭和四十一年六・七月歌舞伎座 中村錦之助公演を想像する

 

『織田信長』

 舞台  歌舞伎座公演

 昭和四十一年(1966年)六月二日→二十八日

 原作 山岡荘八

 脚色 伊藤大輔

 

 出演

 中村錦之助(織田信長)

 桑野みゆき(濃姫)

 中村賀津雄(日吉丸後に木下藤吉郎)

 澤村精四郎(前田犬千代)

 中村光輝(松平竹千代)

 坂東三津五郎(平手政秀)

 中村勘三郎(斎藤道三)

 

 ☆☆☆

 中村錦之助→初代萬屋錦之介

 中村賀津雄→中村嘉葎雄

 澤村精四郎→二代目澤村藤十郎

 中村光輝→三代目中村又五郎

 坂東三津五郎=八代目坂東三津五郎

 中村勘三郎=十七代目中村勘三郎

 

 演出 伊藤大輔

 

 

 『宮本武蔵』

 舞台 歌舞伎座

 昭和四十一年(1966年)七月七日→三十一日

 原作 吉川英治

 脚色 伊藤大輔

 

 出演

 

 中村錦之助(宮本武蔵)

 

 入江若葉(お通)

 

 加賀まりこ(朱実)

 藤代佳子(お崎)

 

 坂東吉弥(本位田又八)

 中村光輝(源次郎 伊織)
 尾形伸之介(宍戸梅軒)

 市川八百蔵(長岡佐渡守)

 

 香川良介(吉岡源左衛門)

 伊藤雄之助(沢庵)

 

 尾上菊之助(佐々木小次郎)

 

 演出 伊藤大輔

 

 ☆☆☆

 中村錦之助→初代萬屋錦之介

 坂東吉弥=二代目坂東吉弥

 中村光輝→三代目中村又五郎
 市川八百蔵=二代目市川八百蔵

 尾上菊之助→七代目尾上菊五郎

 ☆☆☆

 

 伊藤大輔脚色演出、初代中村錦之助主演

のチームによる公演が、昭和四十一年(19

66年)二か月に渡って歌舞伎座で上演され

た。

 

 初代中村錦之助は映画の当たり役を舞台に

おいて改めて勤めた。

 

 錦兄の織田信長、嘉葎雄の藤吉郎は当たり

である。光輝後の三代目又五郎が家康を勤め

ていることも興味深い。

 

 十七代目勘三郎丈の道三、八代目三津五

郎丈の政秀も貫録を心に思っている。

 

 萬屋・播磨屋・中村屋揃い踏み。

 

 大舞台夢の顔合わせ、見たかったなあ。

 

 写真・音源だけでも残っていないかな?

 

 

 

 内田吐夢監督『宮本武蔵』五部作が完結し

たのは、昭和四十年九月四日公開の『宮本

武蔵 巌流島の決斗』である。翌年錦兄の

武蔵、若葉のお通という映画五部作の主役

二人を迎えて、伊藤大輔の脚色演出で舞台

版が製作された。

 

 吐夢映画五部作で植田良平を勤めた香川

良介が源左衛門役である。

 

 雄之助の沢庵。見たかった。盟友三國連

太郎から継いだ雄之助

 

 光輝が犠牲になる源次郎少年と愛弟子

伊織の二役。

 

 四代目尾上菊之助の小次郎。原作の美剣士

イメージにピッタリである。

 

 現在の七代目尾上菊五郎である。


 高倉健から四代目尾上菊之助後の七代目尾上

菊五郎へ。


 縁を感じる。

 

 七代目尾上菊五郎は歌舞伎座で伊藤大輔の

演出指導を受けたスタアでもある。

 

 二人体制に反対しているからといって、わた

くしが応援してないということは有り得ない。

 

 応援しているに決まってるでしょ。

 

 初代中村錦之助と四代目尾上菊之助はこの

舞台の五年後テレビ『大忠臣蔵』においても

共演する。

 

 ◎

 2010年9月30日発表記事・2011年8月1日

発表記事を再編している。

 ◎

                    合掌