刑事コロンボ 初夜に消えた花嫁 | 俺の命はウルトラ・アイ

刑事コロンボ 初夜に消えた花嫁

『刑事コロンボ 初夜に消えた花嫁』

(『新・刑事コロンボ 初夜に消えた花嫁』)

 

Peter Falk as Columbo

NO TIME TO DIE

テレビドラマ トーキー 120分 カラー

1992年3月15日 アメリカABC放送

1997年4月4日 日本 日本テレビ系放送

 

製作国 アメリカ合衆国

製作言語 英語

 

 

原作 エド・マクベイン

脚本 ロバート・ヴァン・スコイク

製作総指揮 アラン・J・レヴィ

      ピーター・フォーク

製作 クリストファ―・セイタ―

音楽 パトリック・ウィリアムズ

 

出演

 

ピーター・フォーク(コロンボ)

 

ジョアンナ・ゴーイング(メリッサ)

 

トーマス・キャラロブ(アンディ・パーマ)

ダニエル・マクドナルド(ストラッサ)

ダン・バトラー(グッドマン)

ドナルド・モファラット(シェルドン)

パトリシア・ヒューストン(ルイーズ)

デヴィッド・バード(ビル・ベイリー)

ダニエル・デイヴィス(アレックス)

ランス・ルゴール(デレク)

 

監督 アラン・J・レヴィ

 

日本語吹替版

 

石田太郎(コロンボ)

 

佐々木優子(メリッサ)

大塚芳忠(アンディ)

麻生美代子(ルイーズ)

谷口節(ストラッサ)

沢木郁也(アレックス)

野島昭生(グッドマン)

大木民夫(シェルドン)

清川元夢(ビル・ベイリー)

中庸助(デレク)

島香裕(コンフォート)

柴本浩行

竹口安芸子

笹岡繁蔵

中田和宏

高乃麗

 

 アンディ・パーマ刑事は美しき妻メリッサと

の結婚式を華やかに催した。

 

 新郎の叔父のコロンボ警部は甥の花婿姿に

喜ぶ。

 

 美人花嫁メリッサと踊れて叔父様コロンボは

喜びと共に緊張する。

 

 だが、その夜メリッサは何者かに誘拐されて

しまった。

 

 アンディは最愛の人を守り切れなかったこと

で焦り悔しがる。

 

 メリッサの父ヘイズは大富豪で身代金目当ての

誘拐時間かといいう推理がなされる。

 

 新郎アンディにかつて逮捕・注意された者の

逆恨み犯行かという分析も為される。

 

 コロンボとアンディの綿密な捜査で容疑者の

一人にストラッサ青年が浮かび上がる。

 

 メリッサはストラッサに軟禁されていた。両

親の不和があり、母を亡くしたストラッサの心

に深い傷があった。

 

 メリッサに結婚の儀式を行った後刺殺すると

宣言する。アンディの事を思うと、ストラッサ

を「愛しています」とメリッサはどうしても言

えない。

 

 ストラッサは新郎に扮し、メリッサに花嫁衣

裳を着せて彼の儀式を行おうと計画を進める。

 

 メリッサの危機を思いつつアンディはストラ

ッサの居所を追う。

 

 

 ◎クライマックス新手法◎

 

 ピーター・フォーク Peter Falk 

 本名 Peter Michael  Falk

 

 1927年9月16日ニューヨーク州生まれ。

 2011年6月23日死去。83歳。

 

 

 『刑事コロンボ』のコロンボ警部はピー

ターの当たり役である。

 

 NBCで45話、ABCでABCで24話が製作

された。シリーズも総合11番目のシーズン

となると様々な試みが為される。

 ABC版ではピーター・フォークが自ら製

作総指揮を兼ねている。

 

 第六十話『初夜に消えた花嫁』はエド・マ

クベインの『87分署』「命果てるまで」を原

作にして映像化が為された。

 

 第一話放送から二十四年、六十回目の放送

ということもあってか、パターン破りの新機軸

への挑戦が窺える。

 

 コロンボは狂言回しに徹している。

 

 ヒロインはメリッサである。誘拐されナイフ

を突きつけられた美人がどのように危機を脱す

るか?

 

 ヒーローはアンディである。初夜に眼を離

した短時間の隙に最愛の人を奪い去られたと

いう自責の念が捜査の原動力になる。

 

 犯人のストラッサは冷酷非情ではあるものの

母を亡くした悲しみが契機となり冷酷な犯罪者

になってしまったことが語られる。

 

 ストーカーにはストーカーの世界がある。

 

 アラン・J・レヴィ監督はこの問題をじっくり

と見つめる。

 

 ジョアンナ・ゴーイングは危機のヒロイン

メリッサを体当たりで演じる。

 

 トーマス・キャラロブはアンディの苦悩を

掘り下げる。

 

 ダニエル・マクドナルドは悪の華をじっくり

と咲かせた。

 

 三人がドラマの中心である。

 

 クライマックスでは過去五十九物語が絶対に

映さなかったシーンが起こった。銃撃戦である。

『刑事コロンボ』は銃撃戦の無いテレビドラマ

名作であった。

 

 そのあり方を破って迫力豊かな銃撃戦が演出

発表された。

 

 「『刑事コロンボ』で銃撃戦をやるのはなあ?」

という違和感は拭えないのだ。

 

 倒叙ミステリーでコロンボが犯人を追い詰めて

行くという黄金の定式を敢えて抑えて新形式を打

ち出した。

 

 ストーカー事件捜査のドラマとしては迫力が

ある。

 

 だが、『刑事コロンボ』シリーズの一作として

映像化すべきだっかどうかは考える点がある。

 

 狂言回しに徹したがドラマを支え包む存在は

やはりピーター・フォークのコロンボ警部であ

る。

 

 ピーター・フォーク

 

 96歳御誕生日

 

 おめでとうございます。

 

 

                  合掌