地球へ・・・ | 俺の命はウルトラ・アイ

地球へ・・・

『地球へ・・・』

(『テラへ・・・』)

映画 トーキー 119分 カラー

アニメーション

昭和五十五年(1980年)四月二十六日封切

 

製作国 日本

製作言語 日本語

配給 東映洋画

 

原作 竹宮恵子

製作 今田知憲

企画 有賀健

   田宮武

脚本 恩地日出夫

   塩田千種

アニメ演出 笠井由勝

作画監督 須田正己

音楽 佐藤勝

メカデザイン ひおあきら

 

 

撮影 池田重好

主題歌 ダ・カーポ

 

 

声の出演

 

井上純一(ジョミー・マーキス・シン)

 

秋吉久美子(フィシス)

 

志垣太郎(ソルジャー・ブルー)

 

薬師丸ひろ子(ジョナ・マッカ)

 

古谷徹(トォ二ィ)

川島千代子(トォ二ィ 子供時期)

神谷明(セキ・レイ・シロエ)

増山江威子(テラズ・ナンバー5)

小山芙美(カリナ)

石丸博也(サム・ヒューストン)

三景啓司(リオ)

塩屋翼(アルフレート)

野田圭一(船長ハーレイ)

柴田秀勝(ゼル機関長)

戸谷公次(クフ)

八奈見乗児(ドクター)

野口すみ江(エラ)

田中崇(パパ)

藤田淑子(ママ)

北川国彦(教授)

駒沢トヨ子(ミュウの少年A)

間嶋里美(ミュウの少年B)

鈴木富子(ミュウの少年C)

佐藤正治(警官)

中谷ゆみ(看護師)

岸野一彦(白衣の男)

砂子弘美(声優コンテスト優勝者)

木内一裕(声優コンテスト優勝者)

 

久松保夫(コンピューター・テラ)

池田昌子(マザー・イライザ)

 

岸田今日子(グランドマザー)

 

沖雅也(キース・アニアン)

 

監督 恩地日出夫

 

封切時に京都市映画館で鑑賞している。

画像はインターネットより拝借引用している。

 SD500年地球は天然資源が無くなり人口は

増加し環境も汚染されている。地球から20000

光年離れた人工惑星アタラクシアに幼年育英都

市が設立された。誕生する子供には社会を清らか

にすることのみを課題とする特別教育が為されて

いる。

 

 十四歳の「目覚めの日」に行われるテストに

合格した者だけが地球に送られた。この成人の

テストは管理社会にとって邪魔者になるミュウ

を生みだすこととなった。

 厳しい弾圧を受けているミュウたちはアタラ

クシアの地下に住み地球への帰還を夢見る。

  

 ミュウの指導者ソルジャー・ブルーは三世紀

に渡る寿命が尽きようとしていることを感じ、

後継者にジョミーを選ぶ。ジョミーは始め断る

がソルジャー・ブルーの死で地球帰還を求める

存在になる。

 

 キース・アニアンはコンピューターマザー・

イライザによって作られたアンドロイドであっ

た。

 E1077教育惑星は地球に向かう成人検査合格

者の青年達が学ぶ星であるが、キースはその地に

在って抜群の成績を挙げる。彼の心には怒りが

ありその炎はミュウに向けられる。

 

 ジョミーはミュウを率いてアタラクシアを脱出

し惑星ナスカに移住し地球帰還を待ち、カリナと

の間にトォ二ィという子供を恵まれる。ミュウは

ナスカ偵察を為すキースを捕縛する。キースは少

年ジョナに救出される。

 カリナはトォ二ィを探して亡くなる。

 

 十年後トォ二ィはミュウの指導者的存在となり

大船団を結成し地球を目指し地球防衛軍と激突す

ることとなる。

 

 ジョミーはグランドマザーに挑む。

 

 ◎キースを沖雅也が鋭く語った◎

 

 

 

 沖雅也(おき・まさや)は昭和二十七年

(1952年)六月十二日大分県に誕生した。

 出生名は楠城児(くすのき・じょうじ)

で後に日景城児(ひかげ・じょうじ)を

名乗った。

 昭和五十八年(1983年)六月二十八日、

沖雅也は京王プラザホテル屋上から飛び降

りて死亡した。三十一歳。

 

 

 二十七歳の沖雅也は昭和五十五年(1980

年)に青年キース・アニアンを語った。

 その陰影のある声をわたくしは京都市映

画館で聞き身も心も緊張した。本篇エンデ

ィングの出演声優紹介のクレジットで留め

に表示される。沖雅也の存在は重く、深い

語りはドラマを締めて緊張感をフィルムに

呼び起こした。

 

 竹宮恵子の原作漫画は終盤を『マンガ少年』

で読んでいた。ジョナ・マッカの哀しい最期

には十代少年であったわたくしは衝撃を受けた。

 

 井上純一・秋吉久美子・志垣太郎・薬師丸ひ

ろ子・岸田今日子・沖雅也出演と豪華キャスト

の声優陣に驚き映画館に向かった。

 

 真面目なジョミーに井上純一。

 

 影がある存在で屈曲が心にあるキースに沖雅

也。

 

 共に当たり役である。

 

 映画版を見聞しジョミーとキースの激突では

闇のあるキースのほうが真面目な英雄ジョミー

よりも魅力があるとわたくしは感じた。

 

 沖雅也が哀しみを抱いて戦うキースの孤独を

深く探求した。

 

 秋吉久美子のフィシスは神秘的だった。

 

 志垣太郎のソルジャー・ブルーは迫力があっ

た。

 

 岸田今日子は本作の錨の存在感を示す声優

であり、グランドマザーの凄みを重厚に語っ

た。

 

 長い原作を恩地日出夫はコンパクトにアニ

メーションフィルムに纏めたという印象を持

った。

 

 若き美青年たちの戦を切なさいっぱいに描

く。

 

 1980年代アニーメーション映画史の中で強

く存在感を示した一本である。

 

 沖雅也七十一回目の誕生日

    令和五年(2023年)六月十二日

 

 

                 合掌

沖雅也