菅原伝授手習鑑 初段 二段目 演劇生命 | 俺の命はウルトラ・アイ

菅原伝授手習鑑 初段 二段目 演劇生命

令和五年(2023年)五月十四日 

国立劇場小劇場

『通し狂言 菅原伝授手習鑑』


第一部 初段
大内の段
加茂堤の段
筆法伝授の段
築地の段

第二部 二段目
道行詞の甘替
安井汐待の段
杖折檻の段
東天紅の段
宿禰太郎詮議の段
丞相名残の段

菅丞相こと菅原道真の忍耐と三つ子
三兄弟梅王丸・松王丸・桜丸の忠義
を語る。

吉田玉男は無実の罪で流罪に遭っても
静かに甘受する菅丞相を重厚に遣った。


『道行詞の甘替』『安井汐待の段』
は原作浄瑠璃を岩波文庫版で聞き
長く舞台を鑑賞したいと夢見ていた
が遂に叶った。

桜丸が忠義を尽くす事や妹苅屋姫が
養父菅丞相に会って詫びたいと願う
心を配慮した立田前の優しい気持ちを
学んだ。

後に桜丸が自責の念を覚えることや
立田が優しさを悪辣な夫太郎につけ
こまれ刺殺される悲劇の背景がよく
分かる。
 

竹本織太夫の語りと鶴澤燕三の三味線
が菅丞相から弟子武部源蔵への筆法伝授
の心を厳かに明かした。

竹本千歳太夫が『丞相名残の段』の
親子の別れを熱く語った。

演劇生命が燃えた。



詳しい感想は後日語る。

合掌