戦争と人間 完結篇(十四)「天皇に聞けよ」 | 俺の命はウルトラ・アイ

戦争と人間 完結篇(十四)「天皇に聞けよ」

『戦争と人間 完結篇』
 映画 トーキー 187分 カラー 

 白黒映像・染色映像有り

 昭和四十八年(1973年)八月十一日公開

 製作国 日本

 製作言語 日本語 

      中国語

 製作会社 日活

 

   出演者

 

   芦田伸介(伍代喬介)

   荒川常夫

   粟津鯱(フルヤ)

   飯島正明

   石井弘三(島貫武治)

   伊豆見英輔(おたふくの客)

   市原久(民間企業代表 フルヤに面会に来る父親)

   市村博(中国人兵士)

   伊藤孝雄(標拓郎)

   井上博一(種田)

   井上正彦(東條英機)

   上田耕一(憲兵)

   江原真二郎(灰山浩一)

   大庭泉

   近江大介

   萩原実次郎(植田憲吉)

   小沢弘治(兵士)

   笠井一彦(運転手)

   加地健太郎(中隊長)

   桂小かん(おたふく主人)

   川副博敏

   加藤嘉(雨宮公一郎)

   金親俊雄(兵士)

   柿沢英二(憲兵)

   河合英二郎(中国人)

   神部作蔵(寺田雅雄)

   木島一郎

   北大路欣也(伍代俊介)

   北上忠行(兵士)

   木俣定雄

   久遠利三(萩洲中将)

   倉田地三

   小林尚臣(星野二郎)

   小林亘(苫の同僚)

   小杉勇二(伍代産業調査室員)

   小宮山玉樹

   佐々木雄二

   佐藤正夫(小島正一)

   佐藤了一

   里見たかし

   沢田正

   島村謙次(苫の同僚)

   清水幹生(カラサワ)  

   下川辰平(特高刑事)

   白井鋭 

   菅原義雄(おたふくの客)

   鈴木瑞穂(田島)

   千歩憲生

   高橋明(稲田正純)

   高橋悦史(伍代英介)

   高橋英樹(柘植進太郎)

   高山彰

   滝沢修(伍代由介)

   谷文夫(隊長 兵士)

   田畑善彦(憲兵)

   田村幹人(労務係)

   長弘(岩畔豪雄)

   露木護(秘書)

   手塚実(片桐衷)

   中平哲什(耕平の上官)

   西島悌四郎(陸軍大佐)

   野村隆(上官) 

   畠山麦(兵士)

   波多野憲(武井弘通)

   原田清人(少佐)

   久松洪介(結婚披露宴出席者)

   百良雄(服部半四郎)

   氷室政司(兵士)

   藤岡重慶(板垣征四郎)

   藤原釜足(苫の父)

   アドルフ・ヒトラー

   裕仁

   古川信勝(兵士)

   細井雅男

   松井石根

   三上剛(伍代産業社員)

   三浦威

   水木京一(郵便局配達員)

   三宅康夫

   ベニート・ムッソリーニ

   村岡章

   八代康二(小松原道太郎)

   山本圭(標耕平 ノモンハン事件死体)

   山本麟一(辻政信)

   吉田勇雄(中国人)

   吉田真

   吉田次昭(標耕平 少年時代)

   吉田朗人  

   力石民穂

   和田昌治(磯谷康介)

   渡部猛(関東軍参謀)

 

   浅丘ルリ子(伍代由紀子後に雨宮由紀子)

   市川亜矢子(芸者ウメヨ)

   絵沢萠子(女給)

   大谷木静子(仲居)

   片桐夕子(女学生)

   加納愛子(結婚披露宴客 中国人女性)

   佐藤萬里(伍代順子 少女期)

   堺美紀子(雨宮公一郎夫人)

   坂巻洋子(美容師)

   佐川明子(美容師)

   高山千草(苫の同僚)

   田中筆子(苫の母)

   夏純子(苫)

   二篠朱実(看護師)

   水戸光子(滝)   

   茂木みゆき(中国人少女)

   山科ゆり(喬介秘書)

   吉永小百合(伍代順子後に標順子)

 

   協力

   俳優座

   文学座

   劇団民芸

   

 ナレーター  鈴木瑞穂

 

 監督 山本薩夫

 原作 五味川純平

 企画 大塚和

     武田靖

     宮古とく子

 脚本 山田信夫

     武田敦

 

 照明 熊谷秀夫

 録音 古山恒夫

 美術 横尾嘉良

     大村武

 編集 鈴木晄

 音楽 佐藤勝

 助監督 岡本孝二

       佐藤俊夫

 製作担当者 天野勝正

          青木勝彦

 色彩計測  田村輝行

 軍事指導  木島一郎

 協力監督 河崎保

      二キタ・オルロフ

 協力 アエロフート

    ソ連航空

 現像 東洋現像所

 ☆

 アドルフ・ヒトラー、裕仁、ベニート・ムッソ

リーニ、松井石根は引用映像出演。

 

 山本圭は、耕平の他にノモンハン事件の死体

役で出演したとインタビューで語っている。

 

 井上博一の役名は資料にとっては谷田もある。

 

 ☆

 

 平成二十七年(2015年)九月七日

 シネ・ヌーヴォにて鑑賞

  ☆

 台詞の引用、シークエンスの考察は研究・学習

の為です。

 日活様におかれましては、ご寛恕を賜りますよう

お願い申し上げます。

 

 本篇に従い「支那」の用語を引用します。本篇通

り差別用語「ちゃんころ」「露助」を引用します。

ご了承下さい。

 

 感想文では物語の核心・結末に言及します。

 

 未見の方は御注意下さい。

 ☆ 

 昭和十四年(1939年)五月満州国とモンゴル共

和国国境ノモンハンで大日本帝国とソビエト連邦の

対立紛争が起こった。緊張関係の中辻政信は「関東

軍司令官は満州の防衛に任ずべしという大命」を拝し

ソビエト連邦軍を叩いて日ソ全面戦争は回避する

と作戦を立てる。

 

 伍代喬介は辻にこれだけの衝突ならば局地戦争

であるから精鋭の第七師団を派遣して一挙にソビ

エト連邦軍を叩くべきだと強硬に述べる。

 

 「戦争は我々に任せて頂きたい」と辻は笑み伍

代さんにはトラック等の物資の支援をお願いした

いと望む。

 

 板垣征四郎が「関東軍の好きにさせればよい」と

語った事で辻の作戦は認められる。

 

 伍代俊介は部隊で銃の整備をする。同僚の兵隊

が可愛い顔したいいケツして胸のでかい女給とも

う一発やりてえと猥談をする声を聴く。仲間の兵士

にその女は新京まで大金持ちの男を追ってやって

きたがあんないい女を振った男の気持ちがわから

ねえと語り、同僚の兵士は俺を連れていけよと

笑う。

 

 俊介は苫が他の男に抱かれた事に悩みつつ

苦悶振り払うかのように銃の整備を続ける。

 

 苫は女給として働いている。

 

 上官から「ちゃんころみたいな負け犬根性見

せやがると承知しねえぞ」と俊介は注意される。

 

 同僚の女給が苫の恋を応援する。

 

 

 七月日ソの対立緊張は激しくなる。俊介は戦場

に派遣する。

 

 苫は入院し治療を受ける兵士の介護を為し、一

人の負傷兵から「伍代さん。助けてくれた。」と

いう言葉を聞き俊介の生存を確かめる。

 

 柘植進太郎少佐は戦争の拡大は危険であると

進言するが軍の上層部は全く聞かない。

 

 八月のノモンハンで日ソの戦いは更に激化

する。

 進太郎と俊介は戦地で再会する。「苦労し

てるんだな」と進太郎は俊介を気遣う。

 

  「明日の事は分からんが、できれば東京

   の伍代邸で又会いたいもんだな。死ぬ

   なよ。」

 

 進太郎は俊介に再会の夢を語り合い命を大

事にしろと伝える。

 

 俊介達兵士はノモンハンの土を掘り塹壕の

を作る。

 

 画家灰山浩一は徴兵され仲間の兵士達をス

ケッチする。

 

 戦場においてソビエト軍の戦車が通る。日

本兵士の一人は塹壕で迫るソビエト軍の戦車

に恐怖を覚え「お母ちゃん」と泣いて轢かれ

る。

 

 「露助め」と語りソビエト軍戦車を攻撃す

る日本兵士もいる。

 

 俊介はソビエト軍との戦いの中戦友を守り

たいと願うが激戦は日ソ両軍の兵士の命を散

らす。

 

 八月二十九日。

 柘植進太郎は「最後の忠誠を全うせんとす」

と遺書を認めソビエト連邦軍の戦車隊に突撃し

斬りこむ。

 

 東京の伍代邸では雨宮由紀子がピアノを弾

いている。

 

 柘植進太郎は銃弾を受けて戦死する。

 

 俊介の部隊は彼を残して全滅する。

 

 戦友の一人と再会した。

 

  戦友「怖いなあ。お前は何人殺した?」

 

  俊介「戦争に聞いてくれ」

 

 

 二人は水を求める。マキシム機関銃を見つ

け水を探し飲む。

 

 戦友は俺達どうなるんだろうと悩む。

 

  俊介「天皇に聞けよ」

 

 俊介は軍の統帥者裕仁の責任を糾弾する。

 

 空爆で戦友は爆死する。

 

 俊介は負傷する灰山浩一を見つけ介護し

背負う。

 

 車に乗った少佐は灰山を背負う俊介に部隊

の所属を問い、俊介は「自分の部隊は全滅しま

した」と報告する。貴様が生きて居るではない

かと少佐は述べ、部隊に戻って負傷兵は置いて

いけと冷厳に述べる。

 

 俊介は銃を取り「少佐殿。自分の部隊は何

処ですか?教えて頂きます。」と問う。少佐

は怯えて去ろうとし、運転手の兵士は水筒を

俊介に投げ与える。

 

 灰山を背負う俊介は「戦争で殺されてたま

るか」と生きる意欲を語る。

 

 九月十五日。日本ソビエト両国のノモンハン

事件停戦協定が成り立った。

 

 日本軍死者一万八千余人と言われている。

 

 ソビエト軍も沢山の犠牲者・負傷者がいる。

 

 祝凱旋の表記の中女給達が負傷・疲弊した兵

士達を激励する。

 

 髭だらけで疲弊した俊介を苫が見つけ水を渡

す。

 俊介は一気に飲み干すが疲労の余り再会した

恋人に声がかけられず視線のみ送る。

 

  苫「兵隊さん。あたしんとこ、遊びにおい

    でよ。可愛いがってやっからさ。」

 

 戦死者の死体が焼却される。

 

 軍人勅諭の声が響く。

 

  「軍人ハ忠誠ヲ尽スヲ本文トスヘシ

 

   軍人ハ礼儀ヲ正シクスへシ

  

   軍人ハ武勇ヲ尚スへシ

 

   軍人ハ信義ヲ全ウスへシ

 

   軍人ハ質素ヲ旨トスへシ」

 

 アドルフ・ヒトラー、ベニート・ムッソリーニ

の記録映像が映る。

 

 アドルフ・ヒトラーは九月一日ポーランドに

進攻し第二次世界大戦が起こった。

 

  ナーレーター「ヨーロッパに始まった大戦

         の炎は日中戦争の泥沼に喘

         ぐ日本を巻き込みアジアか

         ら太平洋へと燃え広がって

         行くのである。」

 

 ☆戦争で殺されてたまるか☆

 

 山本薩夫監督は明治四十三年(1910年)

七月十五日鹿児島県に誕生した。

 活動大写真に燃える青春を過ごし早稲田

高等学院在学中から左翼運動にも情熱を燃

やした。

 伊藤大輔の勧めで成瀬巳喜男に学んだ。

 

 反戦平和の物語を撮る巨匠として活躍した。

 

  第三部は中国戦線とノモンハン戦線に

  焦点をしぼり、戦争のもたらす悪を徹

  底的に描き、中国に於ける侵略、その

  中で行った日本軍の大虐殺。この歴史的

  事実を忠実に再現、その侵略戦争で誰

  がもうけたか?ひとにぎりの軍閥と資

  本家の利益のために何百万人の命が失

  われた戦争をお互いに反対を叫びたい

  (『戦争と人間』三部作DVD

    解説ブックレット56頁)

 

 本作のパンフレットに収録された監督の

意図がDVDブックレットに再録されている。

 

 裕仁統帥とする大日本帝国軍隊が侵した

中華民国市民の大虐殺を歴史的事実に忠実

に描き糾弾する。

 日中戦争・ノモンハン事件で儲け莫大な

利益を軍閥と資本家が得たことを明らかに

する。

 

 民は塗炭の苦しみを味わい男は戦場に送

られ外国人兵士との殺し合いを為す。

 

 女は最愛の人と引き裂かれ帰還を待つ。

 

 ノモンハン事件と呼ばれているが実際は

大日本帝国・ソビエト連邦の国境戦争であ

る。

 

 辻政信や板垣征四郎は突撃の観念でソビ

エト連邦との戦いを決めてしまう。日ソ全

面戦争回避の為の戦いと掲げながら日ソの

兵士の尊い命が戦いで奪われる。

 

 藤岡重慶が凄み豊かに板垣征四郎を演じ

る。

 

 好戦主義者の伍代喬介は一気に精鋭第七

師団でソビエト連邦を叩くべきと進言する

が辻政信は作戦を任せて頂きたいと告げる。

 

 芦田伸介は強硬論の喬介にも関東軍の作

戦に疑問を感じる心理を繊細に演じる。

 

 山本麟一が老獪な辻政信を粘り強く演じ

る。

 

 柘植進太郎と伍代俊介が東京伍代邸での

再会を約すシーンに死を前にする兵士の生

への願いを学んだ。

 

 二十九歳高橋英樹の貫禄と三十歳北大路

欣也の熱演に圧倒される。

 

 ロシア語に学んだ平和主義者俊介は戦場

で生き残る為にロシア人兵士と殺し合いを

為す。

 

 

 

 ノモンハン事件の戦闘シーンは凄まじい。

 

 山本薩夫監督と二キタ・オルロフ監督の演

出により、恐るべき戦場の殺し合いの凄惨さ

が重厚に描かれる。

 

 

 ソビエト連邦軍戦車が歩み日本軍兵士が塹

壕で轢き殺される。

 

 日本軍兵士が火炎瓶や爆薬を投げ戦車が炎

上する。 

 

 八月二十九日の戦場。

 

 雨宮由紀子が伍代邸でピアノを弾く。

 

 

 

 柘植進太郎は忠節を全うせんとすの遺書を

書きソビエト連邦軍に斬りこんで銃殺され死

亡する。

 

 尊い命が戦で犠牲になる。

 

 真っ赤な血を頭部から流す進太郎の死を高橋

英樹が無言の演技で明かす。

 

 浅丘ルリ子と高橋英樹が戦争で引き裂かれる

恋人達の悲しみを深い芸で現す。

 

 昭和十五年(1940年)七月二日浅丘ルリ子

は満州国に誕生した。本名は浅井信子である。

昭和二十一年(1946年)に引き揚げ、昭和二

十九年(1954年)に映画『緑はるかに』ヒロイ

ンルリコ役に応募し役に選ばれルリコ役から浅

丘ルリ子の芸名を与えられ映画は昭和三十年(

1955年)に公開された。管理人は『緑はるかに』

を未見である。

 

 由起子のピアノと進太郎の戦死が同時に映る。

 

 山本薩夫監督のメロドラマ演出の美が極りを

見せる。

 

 戦争の酷さを尋ねるという課題に娯楽超大作

の課題でメロドラマとして描き明かす。

 

 厳粛な歴史事実を娯楽超大作として語り書き 

描き撮り映す。

 

 これは重要な主題である。娯楽を極め尽くせ

ば芸術になる。

 

 

 

 戦友と再会した俊介がマキシム機関銃で水を

得て渇きを癒す。

 

 「何人ロシア兵を殺した」と戦友に聞かれ俊

介は「戦争に聞いてくれ」と答え戦争の恐ろしさ

を尋ねる。

 

 「これからどうなる」という戦友の問いに「天

皇に聞けよ」と統帥者裕仁の責任を糾弾する。

 

 山本薩夫は日中戦争・ノモンハン事件の責任者

が天皇裕仁であることを糾弾する。

 

 その勇気に学ぶ。

 

 戦友は爆死する。このシーンも痛ましい。

 

 俊介は灰山を救出し介護するが車に乗る少佐の

冷厳な言葉に思わず銃を向ける。

 

 北大路欣也が地獄の戦場を生き残り猛暑の中

水を求めて歩む俊介を体当たりで演じる。

 

 恋人苫と再会し水を貰い渇きを癒すが疲労の

為言葉がかけられず視線で心を伝える。

 

 夏純子が「あたしのとこへおいでよ。可愛がっ

てやっからさ」と語る苫の暖かさを鮮やかに演じ

る。

 

 三部作の登場人物の台詞はヒロイン苫役の夏純

子が閉めた。

 

 伍代俊介の行軍は続く。

 

 ノモンハン事件の時代にヒトラーのポーランド侵

攻が起こり世界大戦の猛火がヨーロッパに起こって

いる。

 

 兵士達の死体が焼かれる。

 

 軍人勅諭の言葉が勇壮に響く。

 

 ナレーターは日中戦争の泥沼に喘ぐ日本を巻き込み

アジア太平洋に戦争の炎が燃え広がる事を語る。

 

 

 山本薩夫監督は戦争の酷さを明かした『戦争と人間 

完結篇』を演出した。

 完結と名付けたものの第四部を製作し東京裁判で戦

争犯罪者を追求したいという夢をパンフレットで語っ

ている。

 

 昭和五十八年(1983年)八月十一日、山本薩夫は

七十三歳で死去した。

 

 芦田伸介は大正六年(1917年)三月十四日に誕生

した。

 満映で俳優として活動した。

 

 野心家の財閥人伍代喬介役の名演に震え圧倒され

る。

 

 戦争時代のご苦労は戦後生まれのわたくしの想像

を越えていると思う。

 

 本作の舞台版『伍代家の滅亡』を企画したとDVD

ブックレット所収のインタビューで語っている。

 

 

 滝沢修・芦田伸介・浅丘ルリ子にとって戦争の時代

の苦闘を確かめ戦争の恐ろしさを演技で伝えるという

課題があったのではなかろうか?

 

 俊介と苫のように偶然戦地で再会し短時間に愛を

確かめあった恋人達もいるかもあしれない。

 

 物語は焼却される軍人達の遺体を映す。

 

 若者達は殺し合いを強いられ死ねば焼かれる。

 

 ノモンハン事件という残酷な戦いの後日中戦争

は続き太平洋戦争という新たな猛火が広がっていく

ことを示して物語は幕を閉じる。

 

 終のマークが映され歴史に戦争の炎が燃え広が

って行く事が観客に伝えられる。

 

 戦争の炎は映画製作・公開の四十八年後・四十九

年後の現代令和四年(2022年)七月の現代日本に

襲い掛かり、山本薩摩夫監督が大切にした日本国

憲法が破壊され、天皇元首・戦争放棄に自衛名目

戦争可能化・緊急事態条項による独裁に改悪され

ようとしている。

 

 山本薩夫監督は天皇・軍閥が起こした戦争が

地球人を殺した事を糾弾した。

 

 その勇気に学び、新たな戦争を止めたい。

 

 

 山本薩夫監督の戦争反対・平和希求の願いは

『戦争と人間』三部作映像の中に燃えている。

              

 

 

 浅丘ルリ子八十二歳誕生日

 

        令和四年(2022年)七月二日

 

 

                   合掌