沖縄10年戦争 | 俺の命はウルトラ・アイ

沖縄10年戦争

『沖縄10年戦争』

 

映画 トーキー 102分 カラー

昭和五十三年(1978年)六月三日封切

製作国 日本

製作言語 日本語 琉球語

 

製作 東映京都

企画 日下部五朗

   本多達男

脚本 松本功

   大津一郎

   志村正浩

音楽 鏑木創

美術 佐野義和

録音 中山茂二

照明 増田悦章

スチール 中山健司

編集 堀池幸三

助監督 依田智臣

進行主任 野口忠志

ナレーター 三村敬三

 

出演

 

松方弘樹(金城友行)

 

野川由美子(与儀正美)

 

山田隆夫(喜屋武勝)

渡辺篤史(川満弘)

 

矢吹二朗(石浦昇)

にしきのあきら(知念保)

織田あきら(与儀正典)

渡辺やよい(知花ミミ)

栗田ひろみ(大城恵子)

沢野火子(伊波国子)

 

菅貫太郎(高木)

今井健二(東龍也)

深江章喜(宮国清武)

川合伸旺(桃原真喜)

曽根晴美(浜里哲)

林彰太郎(車昭次)

市川好郎(亀谷吉信)

汐路章(新垣康助)

三戸部スエ(志喜屋ハツ)

梅津栄(当間)

 

成瀬正(平良盛義)

勝野健三(天久照元)

笹木俊志(西那豪)

岩尾正隆(渡久地)

有川正治(苗村)

国一太郎(島袋)

林彰太郎(来間昭次)

沖田駿一(下地行男)

志茂山高也(瀬良長安)

大矢敬典(糸数正)

秋山勝俊(小林)

 

峰蘭太郎(水納)

瀬賀敏之(伊波秀男)

橋爪真知子(洋子)

西田治子(明美)

ウィーリー・ドーシー(ジミー・ジャクソン)

平塚義弘(喜屋武利用夫)

小国由紀(利夫の妹)

松本正樹(友行 少年期)

蓮行二(朝勇 少年期)

風吹錠二(朝市 少年期)

友金敏雄(日本兵)

小峰隆司(日本兵)

波多野博(新聞記者)

藤沢徹夫(警官)

阿波地大輔(警官)

宮城幸生(警官)

池田謙治(警官)

木谷邦臣(辻本)

司裕介(前川)

細川ひろし(渡久地組員)

浪花五郎(長老)

疋田泰盛(医師)

岡島艶子(老婆)

 

 

加藤嘉(伊波朝栄)

小池朝雄(桜木憲三)

佐藤允(伊波朝市)

 

 

藤田まこと(中原宗久)

 

千葉真一(伊波朝勇)

 

監督 松尾昭典

 

にしきのあきら→錦野旦

 

渡辺やよい=渡辺弥生=蔵馬弥生

 

 

成瀬正=成瀬正孝

 

前田禎穂=千葉真一

    =JJ Sony Chiba

    =Sonny Chiba

    =和千永倫道

 

平成十一年(1999年)七月十七日

日劇会館にて鑑賞

 

 沖縄あしばー(やくざ)の金城智行と伊波

朝市・朝勇兄弟は友であった。三人は暴れん

坊であったが深い情で繋がり合っており、宮

国組に所属している。

 

 関西の強大な桜木組から招待状が来る。

 

 桜木組の中原組長と朝市の交友を介して宮

国は大阪に行くが恥辱を受ける。宮国グループ

と朝勇の対立が起こる。

 宮国は抗争で殺され、朝市も負傷する。朝

勇は舎弟達が盗みを働く現状から桜木組の沖

縄進出に協力せざるを得ない。これによって

伊波グループは力を得るが、琉栄会との対立

は激化し、抗争の巻き添えに遭った警官が銃

弾で死亡する。沖縄警察は怒り射殺命令を発

した。

 

 朝市は大阪の警察病院で桜木組に裏切られ

たことを知り脱走して桜木組に殴りこむが返

り討ちに遭う。

 

 朝市の遺骨を見せられ、中原から本土のや

くざの冷たさを朝勇は聞く。

 父朝栄との語りあいの後、朝市は沖縄から

出る。

 

 

 ☆琉球あしばーの怒り☆

 

 冒頭で友行・朝市・朝勇の派手な暴れ方が

映る。

 

 沖縄戦で日本兵に食糧を奪われた事が根に

あり、三人は大和に怒りを抱いている。

 

 

 目黒浩樹は昭和十七年(1942年)七月二十

三日東京市に誕生した。

 十七歳で松方弘樹の芸名で映画デビューを主

演で成し遂げる。以後スタア・名優として活躍

する。

 三十五歳で本作の主人公金城友行を深い芸で

勤めた。

 平成二十九年(2017年)一月二十一日七十四

歳で死去した。

 

 

 佐藤允は朝市の怒りを熱く表現する。

 

 

 前田禎穂は昭和十四年(1939年)一月二十二

日 福岡県に生まれた。

 昭和三十四年(1959年)東映に入社した。千

葉真一の芸名でテレビ・映画に出演する。

 『風来坊探偵 赤い谷の惨劇』を第一回主演

作品とする。アクションスタアとして世界の銀幕

で大活躍を為した。

 令和三年(2021年)八月十九日千葉県にて死

去した。八十二歳。

 千葉真一の朝勇はドラマの軸にいる。朝勇の

激怒の戦が本作の物語を引っ張る。

 

 野川由美子の与儀正美は迫力豊かだ。

 

 桜木組のモデルは山口組である。山口組は

沖縄進出を図ったが琉球魂を燃やすあしばーの

抵抗に遭い撤退する。

 

 クライマックスの銃撃戦は松尾昭典監督の

アクション演出が光る。

 

 山田隆夫・にしきのあきら・渡辺篤史が鋭く

存在感を見せる。

 

 藤田まことが大阪と沖縄の板挟みになる中

原を重厚に勤める。琉球弁の台詞は迫力豊か

であった。

 

 加藤嘉と千葉真一は親子・師弟の役柄で共演

することが多いが本作でも情を深く伝えてくれ

た。

 

 出演者配列においてポスターでは藤田まこと

留め、本篇字幕ではサニー留めで日下部五朗プ

ロデューサーの慎重な配慮が窺える。

 

 

 松方弘樹・野川由美子・千葉真一出演『北陸

代理戦争』は実録凄惨路線の傑作だが、主人公

川田登のモデル川内弘が昭和五十二年(1977年)

四月二十三日射殺された。

 この事件以降深作欣二は実録路線の作品を演出

していない。

 東映においても実録路線の製作が厳しくなった

と思われるが、沖縄あしばーの戦いを題材に選び

製作公開した。

 

 

 『沖縄10年戦争』における松尾昭典監督の硬派

の演出に心を打たれた。

 

 ☆

 九月十六日に必殺シリーズ五十年記念本

の高鳥都著『必殺シリーズ秘史 50念目の

告白録』が立東舎から出版される。

 

  山﨑努インタビューが掲載される。

 

 『必殺仕置人』について語ってくれた!

 

 九月二日が必殺シリーズ五十歳誕生日

である。

 

 

 

 

 

 

 藤田まことにとって中原役は『江戸プロ

フェッショナル 必殺商売人』と同時期で

ある。

 我慢芝居と琉球言葉の迫力に痺れた。

 

 

 ☆

 昨日大阪松竹座で七月大歌舞伎を鑑賞した

ことを述べたが四代目中村梅玉が重要無形文

化財保持者に認定された。

 

 おめでとうございます。

 

 昨日の大阪松竹座はほぼ満席だった。

 

 

 関西・歌舞伎を愛する会第三十回公演で

過去公演のポスターが掲示された。前身の

関西で歌舞伎を育てる会中座公演から観て

いる身として感慨無量である。

 片岡愛之助人気は熱い。

 なんばで見る大村崑のオロナミンCポスター

にときめく。

 九十歳現役の大村崑はかっこいい。

新世界 通天閣

 こちらの画像は2014年の新世界である。

 

 なんばから動物園前まで御堂筋線で行け

る。

新世界東映 よん

 動物園前のやくざ映画館新世界東映・日劇

会館は宝の名画座である。

 

 松方弘樹八十歳誕生日

 

 令和四年(2022年)七月二十三日

 

 

 

                  合掌