戦争と人間 完結篇（三）南京大虐殺
映画 トーキー 187分 カラー
白黒映像・染色映像有り
昭和四十八年（1973年）八月十一日公開
製作国 日本
製作言語 日本語
中国語
製作会社 日活
ナレーター 鈴木瑞穂
監督 山本薩夫
原作 五味川純平
企画 大塚和
武田靖
宮古とく子
脚本 山田信夫
武田敦
照明 熊谷秀夫
録音 古山恒夫
美術 横尾嘉良
大村武
編集 鈴木晄
音楽 佐藤勝
助監督 岡本孝二
佐藤俊夫
製作担当者 天野勝正
青木勝彦
色彩計測 田村輝行
軍事指導 木島一郎
協力監督 河崎保
二キタ・オルロフ
協力 アエロフート
ソ連航空
現像 東洋現像所
☆
平成二十七年（2015年）九月七日
シネ・ヌーヴォにて鑑賞
引用に当たって、「支那」の用語を用い
ます。
南京大虐殺事件の残酷な画像を本篇
DVDより引用します。事件を心に刻み、二
度と戦争を起こさない事を祈ります。
歴史資料学習の営みとご理解を賜り
ますようお願い申し上げます。
昭和十二年（1937年）十二月十三日
大日本帝国軍隊は中華民国南京を占領
した。
ナレーター「日本軍による言語を絶す
る大量虐殺は一か月に亘
り続けられた。
殺戮された中国人の数は
実に三十万人を超えると
言われている。」
銀幕には佐藤勝の壮大な音楽が響く。
劇再現映像で揚子江に横たわる中国人の遺体
と日本軍兵士の姿がタイトルと共に映し出される。
日本軍南京占領映像が映る。
出演者名の文字が表示される
裕仁馬上行進の白黒記録映像。
軍服を着た裕仁は敬礼する。
日本軍の戦勝を祝い提灯で祝福する民の映像が
映る。
出演者
芦田伸介（伍代喬介）
荒川常夫
粟津鯱（フルヤ）
飯島正明
石井弘三（島貫武治）
伊豆見英輔（おたふくの客）
市原久（民間企業代表 フルヤに面会に来る父親）
市村博（中国人兵士）
伊藤孝雄（標拓郎）
井上博一（種田）
井上正彦（東條英機）
上田耕一（憲兵）
江原真二郎（灰山浩一）
大庭泉
近江大介
萩原実次郎（植田憲吉）
小沢弘治（兵士）
笠井一彦（運転手）
加地健太郎（中隊長）
桂小かん（おたふく主人）
川副博敏
加藤嘉（雨宮公一郎）
金親俊雄（兵士）
柿沢英二（憲兵）
河合英二郎（中国人）
神部作蔵（寺田雅雄）
木島一郎
北大路欣也（伍代俊介）
北上忠行（兵士）
木俣定雄
久遠利三（萩洲中将）
倉田地三
小林尚臣（星野二郎）
小林亘（苫の同僚）
小杉勇二（伍代産業調査室員）
小宮山玉樹
佐々木雄二
佐藤正夫（小島正一）
佐藤了一
里見たかし
沢田正
島村謙次（苫の同僚）
清水幹生（カラサワ）
下川辰平（特高刑事）
白井鋭
菅原義雄（おたふくの客）
鈴木瑞穂（田島）
千歩憲生
高橋明（稲田正純）
高橋悦史（伍代英介）
高橋英樹（柘植進太郎）
高山彰
滝沢修（伍代由介）
谷文夫（隊長 兵士）
田畑善彦（憲兵）
田村幹人（労務係）
長弘（岩畔豪雄）
露木護（秘書）
手塚実（片桐衷）
中平哲什（耕平の上官）
西島悌四郎（陸軍大佐）
野村隆（上官）
畠山麦（兵士）
波多野憲（武井弘通）
原田清人（少佐）
久松洪介（結婚披露宴出席者）
百良雄（服部半四郎）
氷室政司（兵士）
藤岡重慶（板垣征四郎）
藤原釜足（苫の父）
アドルフ・ヒトラー
裕仁
古川信勝（兵士）
細井雅男
三上剛（伍代産業社員）
三浦威
水木京一（郵便局配達員）
三宅康夫
ベニート・ムッソリーニ
村岡章
八代康二（小松原道太郎）
山本圭（標耕平 ノモンハン事件死体）
山本麟一（辻政信）
吉田勇雄（中国人）
吉田真
吉田次昭（標耕平 少年時代）
吉田朗人
力石民穂
和田昌治（磯谷康介）
渡部猛（関東軍参謀）
浅丘ルリ子（伍代由紀子後に雨宮由紀子）
市川亜矢子（芸者ウメヨ）
絵沢萠子（女給）
大谷木静子（仲居）
片桐夕子（女学生）
加納愛子（結婚披露宴客 中国人女性）
佐藤萬里（伍代順子 少女期）
堺美紀子（雨宮公一郎夫人）
坂巻洋子（美容師）
佐川明子（美容師）
高山千草（苫の同僚）
田中筆子（苫の母）
夏純子（苫）
二篠朱実（看護師）
水戸光子（滝）
茂木みゆき（中国人少女）
山科ゆり（喬介秘書）
吉永小百合（伍代順子）
協力
俳優座
文学座
劇団民芸
ナレーター 鈴木瑞穂
第一部、第二部解説映像出演者
（完結篇本編に同じ役を演じた
人の名は除く）
青木義朗（佐川少佐）
木島一郎（上官）
草薙幸二郎（特高刑事）
久野征四郎（張学良）
清水将夫（市来善兵衛）
高野誠二郎（松尾伝蔵）
高橋明（特高刑事）
高橋幸治（高畠正典）
田畑善彦（特高刑事）
中村勘九郎（伍代俊介 第一部）
西村晃（狩野市郎）
二谷英明（矢次樵夫）
山内明（石原莞爾）
佐久間良子（狩野温子）
監督 山本薩夫
原作 五味川純平
企画 大塚和
武田靖
宮古とく子
脚本 山田信夫
武田敦
照明 熊谷秀夫
録音 古山恒夫
美術 横尾嘉良
大村武
編集 鈴木晄
音楽 佐藤勝
助監督 岡本孝二
佐藤俊夫
製作担当者 天野勝正
青木勝彦
色彩計測 田村輝行
軍事指導 木島一郎
協力監督 河崎保
二キタ・オルロフ
協力 アエロフート
ソ連航空
現像 東洋現像所
☆
川副博敏→川副博俊
佐藤萬里→佐藤万理
裕仁→昭和天皇
中村勘九郎→十八代目中村勘三郎
吉田次昭＝吉田継明
☆
伊藤孝雄・佐藤萬里・吉田次昭は回想
で第一部からの引用映像出演でノークレ
ジット。
石井弘三・伊豆見英輔・市原久・河合
英二郎・神部作蔵・露木護・手塚実・中
平哲什・百良雄・吉田勇雄・坂巻洋子・
坂巻洋子はノークレジット。
アドルフ・ヒトラー、裕仁、ベニート・ムッソ
リーニは引用映像出演でノークレジット。
山本圭は耕平の他にノモンハン事件の
死体役でエキストラでも出演したと新聞記
事において語っている。
☆
平成二十七年（2015年）九月七日
シネ・ヌーヴォにて鑑賞
◎
南京大虐殺を心に刻み学ぶ
昭和十二年十二月十三日裕仁統帥軍隊
は中華民国南京を占領し、非戦闘員市民を
虐殺した。
殺害事件の写真・映像は恐ろしい。戦争
の残酷さを学んだ。
戦争は国と国の殺し合いだが、南京に
おける日本軍の冷酷さは言語を越えてい
る。
犠牲者の数は三十万と伝えられる。
山本薩夫監督は南京に入場する日本軍
司令官の映像を引用する。
南京の城に揺れる日の丸が映し出され
る。
裕仁の馬上行進映像を映し出す。
南京大虐殺の真犯人は大日本帝国陸海空軍
統帥者裕仁であることを鋭く明かしている。
昭和十二年（1937年）十二月十四日大日本
帝国統治者裕仁は、「中支那方面ノ陸海軍諸
部隊カ上海付近ノ作戦ニ引続キ勇猛果敢ナル
追撃ヲ行ヒ首都南京ヲ陥レタルコトハ深ク満足
ニ思フ此棟将兵ニ申シ伝ヘヨ」と語った。
即ち中華民国に侵攻し南京を占領した日本軍
の行動に「深く満足に思う」と喜びを表している。
裕仁は侵略戦争を始め、部下の兵士がなした
中華民国侵攻に満足の心を伝えたのである。
日中戦争において南京の無辜の市民を虐殺し
た真犯人は裕仁である。
山本薩夫監督の勇気ある糾弾に心を打たれ
た。
出演者紹介の字幕配列は偶然にも、芦田伸
介に始まり、吉永小百合で終わっている。
奇しくも主役で始まり主役で終わる配列とな
った。
裕仁が侵した中国侵略戦争は、沢山の民を
巻き込む。
伍代俊介や標耕平は戦に巻き込まれ、殺し
合いを強いられる。
残酷な軍隊の中で、命を尊ぶ活動は成り立つ
か？
山本薩夫監督の探求に敬意を表し、日本・世
界の永遠平和・完全戦争放棄を祈る。
令和三年（2021年）八月十五日
合掌