傑作『刑事コロンボ』の脚本美と盗作『古畑任三郎』の軽薄さ | 俺の命はウルトラ・アイ

傑作『刑事コロンボ』の脚本美と盗作『古畑任三郎』の軽薄さ

 COLUMBOは、1968年2月20日から2003年

1月30日にかけて、アメリカ合衆国において

製作・放送されたテレビドラマである。

 主演はピーター・フォークで、全69本におい

てコロンボ警部を勤めた。

 1968年2月20日放送のタイトルはPrescription 

Murder(殺人処方箋)である。トップクレジットは

ピーター・フォークであるが、PETER FALK as 

COLUMBOのタイトル表記はまだない。

 まだCOLUMBOがシリーズ化されるかどうか

判らなかったという時代背景もある。

 

 第2話冒頭にPETER FALK as COLUMBO

の番組タイトルが示され、副題のRansom for

Dead Manと字幕が映る。日本語タイトルでは

『刑事コロンボ 死者の身代金』である。これ

以後『刑事コロンボ』のシリーズである事が

冒頭に示されることとなる。

 

 

 Peter Falkは1927年9月16日に誕生した。

35年間勤め演じたコロンボは生涯の代表作

であろう。

 2011年6月23日83歳で死去した。

 

 

 第1話から第45話まではNBCの放送であり、

1989年から2003年にかけて製作された第46

話から第69話までは、ABCの放送である。

 

 日本では『刑事コロンボ』と題して、1972年8

月27日にNHKUHFで放送が始まった。同年12

月31日よりNHK総合で放送された。

 

 日本語吹き替え版においてコロンボ警部役

は小池朝雄が語った。

koike

 小池朝雄は1931年3月18日生まれ。文学座や

雲で演劇人として活躍した。福田恆存の指導を

受け、ウィリアム・シェイクスピア劇の公演で活躍

されたという。

 映画俳優・テレビ俳優としても大活躍され、石井

輝男監督の東映異常性愛路線では強烈な怪演

を示した。

 1985年3月23日54歳の若さで死去した。

 ドラマの内容は知的でエリートの犯人が、完

全犯罪を目論んで自身にとって脅威になる人間

を殺害し、コロンボ警部が穏やかな物腰と粘り

強い質問で犯人に事件を尋ね、追い詰めて犯行

を明らかにする。

 ほぼ毎回このパターンで、犯人は序盤に明示

される。コロンボは鋭い捜査で事件の内容を少し

ずつ解き明かしていく。焦燥の犯人は、犯行や証

拠を隠滅したり改竄したりする。追い詰められた

犯人の周章狼狽は、人間の深いエゴイズムと自己

愛を伝える。視聴者の関心は、コロンボはどんな

決め手で犯人を追い詰めるのかという問いで胸

が一杯になり熱い緊張感を毎回覚える。倒叙形式

推理ドラマの傑作として、テレビ史に輝いている。

 

 A Stitch in Crime『刑事コロンボ 溶ける糸』は

1974年の放送であろうか、親戚と視聴し熱い緊

張感を覚え、興奮と感動を覚えた。

刑事コロンボ 溶ける糸

 

 1989年にアメリカABC製作・放送で11年ぶりに、

COLUMBOが復活する事となった。

 日本では全体第46話(新シリーズ第1話 Columbo

goes to the Gillotine)は『刑事コロンボ’90 超魔術

の招待』のタイトルでビデオ化された。当時レンタル

ビデオ店で勤務していた私は字幕スーパーで新

シリーズを視聴することが成り立ち興奮した事を

覚えている。

 

 1993年5月27日日本テレビ系で新シリーズ第1話

が、『新刑事コロンボ 汚れた超能力』のタイトルで放

送された。

 

 コロンボの声は石田太郎が語る事となった。石田

太郎(本名 別芸名石田弦太郎)は1941年3月16日

生まれ。劇団雲で先輩小池朝雄共に演劇活動を為

した。

 

  1983年10月9日テレビ朝日系『日曜洋画劇場』で

『スーパーマン』(1978年12月15日アメリカ公開 監

督リチャード・ドナー)が放送され、ジーン・ハックマ

ン演じるレックス・ルーサーの声を小池朝雄が語っ

た。

 1984年10月17日『日曜洋画劇場』で『スーパーマン

Ⅱ』(1980年6月17日アメリカ公開 監督リチャード・

レスター)が放送され、レックス・ルーサーの声を石田

太郎が語った。

 石田太郎の声の演技が小池朝雄の声と酷似して

いる事に驚嘆した。

 

 1990年代レンタルビデオで新シリーズ『刑事コロン

ボ’90』を視聴した私は、「日本語吹替版は石田太郎

主演にして欲しい」と夢見ていたので、実現した嬉し

さは格別であった。

 

 最終作品第69話Columbo Likes the Night Life

『新刑事コロンボ 殺意のナイトクラブ』(『新刑事

コロンボ 虚飾のオープニングナイト』)まで、『新

刑事コロンボ』のタイトルで日本語版が放送され、

全作品のコロンボ役を石田太郎が語った。最終話

のアメリカ放送は2003年1月30日、日本放送は20

04年2月7日である。

 

 1990年代に『刑事コロンボ傑作選』のタイトルで

VHSビデオで旧シリーズ45本がリリースされ、NHK

放送でカットされた部分が新たな吹替で録音され、

ノーカット版で公開された。

 日本語吹替版主演の故小池朝雄の後を銀河万丈

が継承し、小池朝雄の太い声に似せながら追加ヴォ

イスを鮮やかに語った。

 銀河万丈(ぎんが・ばんじょう)は1948年11月

12日生まれ。本名・旧芸名は田中崇である。

 

 旧放送版でカットされた部分の新吹替版は、か

つての出演者の再出演が叶わなかった例もある。

出番が短いので断られたのであろうか?

 だが、西沢利明・野沢那智・鈴木瑞穂といった

大ベテランの声優が追加ヴォイスで昭和時代に

演じた役をもう一度語り、ファンは感嘆した。

 

 第69話『虚飾のオープニングナイト』は銀河万丈

全体吹替の版がある。年老いたコロンボを重厚に

語った。

 

 2013年9月21日石田太郎はドラマ『独身貴族』の

ロケ中に69歳で急死した。

 

 現在NHKBSプレミアムで『刑事コロンボ』が放送

されているが、日本テレビ系で『新刑事コロンボ』

で放送されたものも、『刑事コロンボ』に含まれて

いる。

 

 2021年5月22日現在、日本語コロンボ警部声優

は、銀河万丈ただ一人になった。

 

 1994年4月13日から2006年1月5日にかけて

フジテレビ系で三谷幸喜脚本でドラマ『古畑任

三郎』が放送された。第1シーズンのみ『警部

補 古畑任三郎』の表記がある。

 殺人事件が起こり、犯人を明示し、刑事古畑

任三郎が追い詰める。倒叙形式のミステリー

ドラマである。

 主演は田村正和である。田村正和は1943年

8月1日に誕生した。

 阪東妻三郎の三男である。1960年に兄田村

高廣主演の映画『旗本愚連隊』のロケを見学

した際に誘われ、森武七役で出演し劇映画デ

ビューを果たしたという。『旗本愚連隊』は1960

年12月27日に公開された。

 以後日本の芸能界で活躍するが、テレビ時

代劇で大スタアとなり、座長公演も重ね、テレビ

現代劇にも進出しトップスタアとして歩んだ。

 2021年4月3日77歳で死去した。

 『古畑任三郎』第17話「赤か、青か」は、犯人

の林功(木村拓哉)に証拠露出を引き出させ、

古畑任三郎が部下に「君、今の見たね」と確認

する。

 

 これは『刑事コロンボ 逆転の構図』Negative

Reaction(アメリカ放送1974年10月6日放送、脚

本ピーター・S・フィッシャー 監督アルフ・チェリ

ン)におけるクライマックスで写真家ガレスコ(デ

ィック・ヴァン・ダイク)がコロンボに技術を得意

気に語って犯行を自白してしまうクライマックス

の盗作である。

 1996年1月31日「赤か、青か」の放送を視聴

していて、三谷幸喜の下手な模倣を見聞し、

その酷い盗用に爆笑してしまった。このドラマは

『刑事コロンボ』の劣化コピーだが、ギャグ番組

なのかなと考えていた。

 

 三谷幸喜は1961年7月8日生まれ。脚本家・

演出家・映画監督・俳優・声優・劇作家である。

彼が『刑事コロンボ』の大ファンであることは分

かる。だが、盗作ドラマの脚本は酷過ぎる。

 

 『古畑任三郎』シリーズでは第20話「動機の

鑑定」(1996年2月21日放送監督河野圭太)

のみ見応えのある作品であった。これは『刑

事コロンボ』の下手な模倣ではなくて、しっか

り学習した跡が窺えた。

 犯人に二代目澤村藤十郎、被害者に夢路

いとしという豪華な出演者を得て、演技合戦

も迫力があった。

 「動機の鑑定」という佳作があった事を受け

つつも、総じて『古畑任三郎』シリーズはミス

テリードラマとしては失敗作であったと言わざ

るを得ない。

 

 田村正和にはこんな傑作の劣化コピードラマ

に出て欲しくなかった。大名優の汚点である。

 

 今月正和死去のニュースを受け、予想はして

いたのだが、追悼記事が『古畑任三郎』が大々的

に語られている。

 

 記者やネットユーザーやブロガーの沢山の人

々が『古畑任三郎』を讃えているが、本気で褒め

ているのか?

 

 『刑事コロンボ』で育ったわたくしには、劣化コピ

ー『古畑任三郎』は見るに堪えない劣悪な作品で

鳥肌が立つ。

 

 

 経済評論家の鈴木貴博(1962年11月17日生

まれ)は『古畑任三郎』を、「コロンボと似ていま

す」と評し、「田村正和さんと脚本の三谷幸喜さ

んが登場することで、中身はずっとすてきな内

容へと変化」と意見を書いている。これは間違い

である。

 例え個人の嗜好・主観や好きの感情であった

としても、倒叙推理ドラマの傑作『刑事コロンボ』

よりも、劣化コピーの『古畑任三郎』のほうが「す

てき」というような表現はしてはいけないのであ

る。礼儀を弁えていない暴言である。

 鈴木の原稿では『刑事コロンボ』を倒叙式ドラマ

として書いているものの、『古畑任三郎』のどのよ

うな点と比較しているのかが不明で、「『古畑任三

郎のほうがすてき」という記述のみ書かれている。

 こんなものが原稿としてインターネットに出る事

自体大問題である。加害者である醜き盗作が、

被害者の美しき傑作より「すてき」等と言う嘘は

主観でも言ってはいけないのだ。

 

 日本では沢山の人々が『刑事コロンボ』を知らない

まま、三谷幸喜がいい加減に書いた盗作『古畑任三

郎』に引っかかっている。

 

 吉川英治の大作小説『私本太平記』を読んだ事

のない人々が、1991年のNHK大河ドラマ駄作『太

平記』の軽薄さに魅了されている。

 

 『必殺仕置人』『新必殺仕置人』を知らない人達

が、軽薄な『必殺仕事人』シリーズを藤田まことの

代表作と勘違いする。

 

 ウィリアム・シェイクスピアの戯曲を読んだ事が

ない人間達が、蜷川幸雄によって改悪・改竄・破壊

された舞台を見てその醜悪な「演出」を演劇革命

と誤解する。

 

 これらの現象と酷似している。

 

 『刑事コロンボ』と『古畑任三郎』の決定的な違い

は、脚本におけるドラマ美の有無である。

 

 DEATH LENDS A HAND『刑事コロンボ 指輪

の爪あと』におけるリチャード・レヴィンソン&ウ

ィリアム・リンク脚本の美しさは言葉を超えている。

 バーナード・コワルスキーの演出の流れに感嘆

する。

 短気から殺人を犯し完全犯罪を行おうとして

失敗する探偵ブリマーの物語をロバート・カルプ

が勤める。

 

 『古畑任三郎』における三谷幸喜の失敗は、前

記『赤か、青か』における『逆転の構図』クライマッ

クスの表面のみ盗んでしまう軽薄さにある。「好き

だから『刑事コロンボ』を猿真似する」ではドラマ

として成り立たない。迂闊な三谷幸喜は此処に気

付かなかった。

 

 「盗作」はいけないが、先輩から芸を盗むという事

は、芸道の後輩にとって課題になる。三谷幸喜は盗

み方が露骨で下手なのだ。

 

 COLUMBOのDagger of the Mind『刑事コロンボ

ロンドンの傘』は『マクベス』のマクベス夫妻を演じ

る舞台俳優夫婦が殺人を犯す物語である。ドラマ

が『マクベス』の現代版にもなるという構成に膝を

打った。

 脚本はジャクソン・ギリス、監督はリチャード・クワ

インでアメリカ放送は1972年11月26日、日本語吹替

放送は1973年7月29日である。

 

 リチャード・ベイスハート演じるニコラス・フレイム

とオナー・ブラックマン演じるリリアン・スタンホープ

が劇中劇で演じる『マクベス』は迫力がある。

 日本語吹替版では高橋昌也と岸田今日子の至芸

が輝いている。

 日本語シェイクスピア劇は昭和時代には尊い芸が

あったことを学べる貴重資料にもなっている。コロン

ボ役者小池朝雄もシェイクスピア劇に取り組んでい

た事を思うと、歴史資料としても尊い。

 

 因みに、原題のDagger of the Mindは、『マクベス』

におけるマクベスの台詞である。

 

  How to Dial a Murder 『刑事コロンボ 攻撃命令』

(アメリカ放送1978年4月15日 日本放送1979年1月

4日 脚本トム・ラザラス 監督ジェームズ・フローリー)

における心理学者エリック・メイスン(ニコール・ウィリ

アムソン)は、『市民ケーン』の大ファンで、Rosebud

(薔薇の蕾)をドーベルマンに聴かせて、嫉妬している

男性を殺害させる。「薔薇の蕾」は『市民ケーン』でオ

ーソン・ウェルズ演じるチャールズ・フォスター・ケーン

が語る言葉である。

 

 倒叙推理ドラマの学びで大切な事は、『刑事コロンボ』

の表面を猿真似する事ではなくて、『刑事コロンボ』エピ

ソードの源になっているウィリアム・シェイクスピア戯曲

『マクベス』やオーソン・ウェルズ脚本・主演・監督映画

『市民ケーン』に学ぶ事である。

 

 It's All In The Game 『刑事コロンボ 恋におちたコロ

ンボ』(アメリカ放送1993年10月31日 日本放送1999年

5月7日 監督ヴィンセント・マケヴィティ)において、ピー

ター・フォーク脚本は過去の『刑事コロンボ』の名場面を

想起させるシーンを書いている。これは過去の傑作の

確認・オマージュであり、「引用」であって、「盗作」では

ない。『古畑任三郎』の三谷幸喜脚本とは決定的に違う。

 

 ピーター・フォークは過去の傑作に敬愛の心をこめて

シナリオを書き、コロンボ役を勤めた。この精神がドラマ

美の根幹にある。

 

 NHKBSプレミアムの毎週水曜日21時放送の『刑事コ

ロンボ』は5月18日に第59話Death Hits the Jackpot『大

当たりの死』を放送した。

 『新刑事コロンボ』のタイトルで放送されたものも、202

0・2021年NHKBSプレミアム放送では全て『刑事コロンボ』

の題で放送されている。

 残すところあと十話・十週間である。『刑事コロンボ』の

歴史が学べる。再放送に深謝する。

 第45話The Conspirators『刑事コロンボ 策謀の結末』

(アメリカ放送1978年5月13日 日本放送1979年1月3日

脚本ハワード・パーク 監督レオ・ペン)のNHKBSプレミ

アムは久々に小池朝雄版で聞けたことに感嘆した。石田

太郎追加ヴォイス版という点も稀有である。
 

 

 『刑事コロンボ』は約35年の歴史で倒叙ミステリードラマ

の輝きを伝え明かした。

 『溶ける糸』は代表的傑作である。

 

 1975年2月20日発行の二見書房版には帯に横溝正史、

岡本喜八のオマージュが掲載されている。

 横溝正史と岡本喜八は、慧眼の持ち主だ。

 

 1978年10月6日から1979年3月9日にテレビ朝日

系でドラマ『チェックメイト78』が放送された。倒叙形

式の刑事ドラマで主人公佐賀四郎警部を松方弘樹が

演じた。制作は山内久司が担当した。放送から42年

以上経っており、思い出せない点も多いが、松方弘

樹はピーター・フォークの仕種や小池朝雄の声色を

丁寧に為していた。『古畑任三郎』如きが持て囃され

る理由がさっぱり分からない。

 『チェックメイト78』は映像が残っているかどうか分

からないが、現存しているならば、もう一度見聞した

い。

 

 『旗本愚連隊』はまだ銀幕見聞していない。田村

正和が出演していることはポスターやスチール写真

で調べたが、本篇を見聞し得た日に確認したい。

 

 前述の通り1960年12月27日公開で、製作松竹京都、

原作柴田錬三郎、脚本伊藤大輔・山根優一郎、監督

福田晴一のチームによって織り成された映画である。

 

 2018年2月17日放送『眠狂四郎 The Final』が田村

正和の遺作となった。

 田村正和は最初の『旗本愚連隊』で伊藤大輔脚本

作品に出演していた。初映画作品から最後の映像テ

レビ作品は奇しくも柴田錬三郎原作であった。

 

 田村正和と十五代目片岡仁左衛門の激突競演

作品を見たいという記事を書こうと考えていた。

 

 十五代目片岡仁左衛門は1944年3月14日生まれ。

本名は片岡孝夫で、最初の芸名も初代片岡孝夫で

あった。正和・孝夫は同学年で共に近畿出身である。

テレビドラマの眠狂四郎役者でもある。

 

  1975年10月22日から1976年4月21日のテレビ

ドラマ『徳川三国志』において徳川家光/片岡孝夫、

徳川忠長/田村正和の配役が実現したものの激突

と言える競演シーンは無かった。因みにこのドラマ

の原作は柴田錬三郎で、主役の松平信綱を演じた

俳優は松方弘樹である。

 

 1974年10月2日から1975年2月26日に関西テレビ

は原作柴田錬三郎、主演田村正和でドラマ『運命峠』

を製作した。正和は主人公秋月六郎太と徳川家光を

二役で演じたという。1974年10月19日放送第3話「血

染ヶ原の夕陽剣』(脚本石森史郎 監督井沢雅彦)に

片岡孝夫が佐々木小次郎役で出演し、正和の六郎

太と共演しているそうである。田村正和版『運命峠』

は全く見聞したことがないのだが、全話映像も残って

いるようなので再放送・ソフト化を待っている。

 

 阪東妻三郎主演・伊藤大輔監督作品を生き甲斐に

しているわたくしは、田村正和にも深い敬意を抱いて

いる。

 親子で映像大スタアという事は至難の事だと思う

が成し遂げた偉業に敬意を表する。

 

 それだからこそ、三谷幸喜が『刑事コロンボ』を冒涜

した盗作『古畑任三郎』如き駄作への出演は断って欲

しかった。

 

 希代のスタア田村正和の代表作が『古畑任三郎』

如きであっていい筈がない。この事を一言申し上げ

ておかなければいけない。

 

 ピーター・フォーク主演『刑事コロンボ』は倒叙ドラマ

の大傑作であると共に脚本・演出の完璧さ・完全性が

美しさを見せて視聴者の心を包み込む。残酷な殺人

のドラマであっても見聞した視聴者の心に幸福感を

届けるのだ。

 

 

 

 

  『指輪の爪あと』のギル・メルの名曲は光っている。

 

 美しいドラマは視聴者や観客の心を癒すのだ。

   

                         文中敬称略

 

 

                            合掌