セルゲイ・ボンダルチュク監督特集 京都は30日から上映
1967年5月モスクワ映画祭公開
1966年7月23日 第一部210分(オリジナル第一部
・第二部)日本公開
1967年11月23日完結篇177分(オリジナル第三部・
第四部)日本公開
トルストイの超大作小説に敬意をこめて映像化
した超大作映画です。
ロシア語ができない管理人は、新潮文庫版
の日本語訳で『戦争と平和』を読みましたが、沢山
の登場人物と繊細なドラマに心を打たれました。
ました。四巻本読みに一年くらいかかったかな?
映画版ではピエール役をセルゲイが勤めます。
10月30日から11月19日までアップリンク京都
で上映されます。
4部作上映では、8時間15分があっという間に歩
み走りました。緊張と興奮の道でした。
ロシア貴族のピエールは落下の危険がある窓に
腰かけてラム酒を飲んで度胸試しをするような遊
びに興じていましたが、父親の死を契機に真面目
になり、人生を真剣に歩みます。
親友アンドレイは歴戦の勇士でしたが、妻に
死なれ、子供を育てています。ピエールは人間の
生は永遠の宇宙に繋がっていると語ります。
ピエールは貴族の娘ナターシャを見て一目惚れ
して、31歳は老け込む年齢ではないと実感します。
奔放な妻エレンとの結婚生活に疲弊したピエー
ルも内心では清純なナターシャを慕っています。
舞踏会のシーンの豪華さに感嘆しました。
ナターシャは黒のドレスを着て軽快なダンスを
踊るシーンも素晴らしく、思わず手拍子を叩きたく
なりましたが、映画館だったので堪えました。
戦闘シーンは壮大で強烈です。本物の爆弾使っ
てるね。スタッフ・キャストも命がけの撮影で
あったと想像しています。
予告の動画に「古典とは思えぬ瑞々しさ」と
う字幕が出るけど、映画会社の担当者さん、原作
読んでますか?古典は瑞々しくて生き生きと輝い
ているんだよ。
アンドレイが死の恐怖と戦うシーンは迫力あり
ました。
大雪のシーンはロシア映画でないとこの緊迫感
は出せないとも思ったね。
ロシアに侵攻したフランス軍が乱暴狼藉を働き
火の手があがる場面は怖かった。ピエール役でセル
ゲイは見事なフランス語を語ります。
静かなるレジスタンスに生きるピエールをセル
ゲイが熱く勤めます。
ナターシャ役のリュミドラ・サベリーエワ様の
清らかな美貌に感動しました。
1978年6月1日毎日新聞社発行『別冊1億人の昭和
史 昭和外国映画史』は発行時代に購入して今も学習
している名著です。
『戦争と平和』セルゲイ監督版を知ったのはこの
本の記事でした。
表紙には世界の映画スタア10人が映っています・
右から左に見ます。
リュミドラ・サベーリエワ
ジャン・ギャバン
マリリン・モンロー
ジェームズ・ディーン
グレタ・ガルボ
ヴィヴィアン・リー
アラン・ドロン
オードリー・ヘプバーン
マレーネ・ディートリヒ
チャールズ・チャップリン
十大スタアの画像で右端上で一番大きい人は
リュミドワです。
『戦争と平和』公開11年後・10年後という1
978年の時代における日本のリュミドワ人気の
熱さが窺えます。
表紙十大スタアは、1978年の発行時期には
グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリッヒ、
オードリー・ヘプバーンは健在でした。
2020年10月3日の現代では、リュミドワ・
サベーリエワとアラン・ドロンの二人だけが
健在です。
小学五年生で映画の存在を知り、衛星放送
版視聴があったものの、第一部から第四部迄
四部作全てを銀幕で鑑賞する夢を本日達成し
ました。
42年は長かったとも言えますが、鑑賞の
喜びは大きいです。
しかし見れた幸に浸っているだけでは
駄目とも痛感します。
トルストイ・ボンダルチュックは、戦争の
残酷さと平和の有難さを教えてくれている事
を痛感しました。
寒さの中衣食住があり、平和であること。
感謝すべきことです。
『戦争と平和』は3日の感激が大きいです。
京都上映ではシネ・ヌーヴォで見落とした
『ワーテルロー』『セルギー神父』『祖国のため
に』を見聞したいと考えております。