三代目實川延若丈 没後二十九年・三十回忌御命日
三代目實川延若
(三代目実川延若 さんだいめ・
じつかわ・えんじゃく)
本名 天星昌三
芸名歴 二代目實川延二郎→三代目實川延若
大正十年一月三日生まれ
平成三年五月十四日死去。
満年齢七十歳
實川延若丈は上方歌舞伎の大名優です。
昭和六十三年十二月二十四日南座顔見世
における『伊賀越道中双六』「沼津」の雲助
平作は真面目な老人の一途さを熱演されま
した。
十兵衛(二代目中村扇雀後の坂田藤十郎)
を息子と知りつつ、客として立て続け、切腹し
て仇の居所を聞く大詰において、心で泣きま
の木は残った』において、主役原田甲斐を勤め
られました。このドラマは生まれる前で見ていま
せんが、名作と言われています。映像が残って
いるという説もあり、もし映像があるならば、ソ
フト化して頂きたいです。
昭和五十二年(1977年)十一月中座『仮名手本忠臣蔵』では
桃井若狭之助・早野勘平・寺岡平右衛門を勤められたそう
です。
昭和五十六年(1981年)十一月国立劇場『菅原伝授手習鑑』
「道明寺」では覚寿を風格豊かに勤められました。母性の暖かさ
が光ります。この公演は記録映像を鑑賞しました。
市川崑監督『古都』にも出演されています。
平成二年十二月祇園甲部歌舞練場『落人』
における早野勘平の気品豊かな二枚目は
素敵で客席で感動しました。
河内屋さんの大いなる芸に客席で出会えた
ことは、自分にとって有り難い出来事でした。
延若さんは、上方歌舞伎の巨星です。
合掌