仲代達矢さん 八十七歳誕生日おめでとうございます

　仲代達矢（なかだい・たつや）　

　俳優・声優・無名塾主宰

　本名・前芸名　仲代元久

　昭和七年（1932年）十二月十三日東京府生

まれ。

　少年期に戦争を体験されました。仲代さん

は平和の尊さを語って下さいます。少年期に

残酷な戦争を経験されたことは、自分の想像

を越えたことであると思いますが、芸道の原点

になったと思います。

　定時制高校卒業後、千田是也さんの芸に心

を打たれ優座に入ります。

　映画では、昭和二十九年（1954年）四月二十

六日公開の黒澤明監督作品『七人の侍』で侍

役で初出演を果たします。

　宇津井健さんの若い侍の役で出演し歩みま

す。名もない役ですが、仲代さん・宇津井さん

共に凄い存在感です。

　黒澤監督と仲代さんの出会いの作品でもあり

ます。

　

　昭和三十四年（1959年）から昭和三十六年

（1961年）にかけて、松竹は小林正樹監督の

演出により、五味川純平氏の小説『人間の條

件』を全六部の映画として製作・発表します。

　『人間の條件　第一部純愛篇　第二部激怒篇』

　昭和三十四年一月十五日公開

　『人間の條件　第三部望郷篇　第四部戦雲篇』

　昭和三十四年十一月二十日公開

　『人間の條件　

　第五部死の脱出篇　第六部曠野の彷徨篇』

　昭和三十六年一月二十八日公開

　主人公梶は平和を愛する青年ですが、徴兵され

軍隊の理不尽さに悩み抵抗し、人間として生きる

ことの尊さを極限状況の中で探ります。

　正義感の強い梶は、虐め・リンチが行われたこ

とに怒りを抑えきれず爆発してしまいます。雪の

中で愛妻三千子を思いながら、倒れる梶。涙が

溢れてきます。

　仲代さんはいのち全体で梶を大熱演され、生涯

の当たり役にされました。

　京都府立文化芸術会館・京都文化博物館の全六

部作上映で鑑賞しました。

　八十七歳お誕生日おめでとうございます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　

　昭和四十七年（1972年）NHK大河ドラマ『新・平家

物語』に平清盛主演されました。

　　「時しも年号は平治

　　所は平安の都

　　我等は平氏。

　　奮えや、人々」

　名台詞を重厚に語って下さいました。

　昭和四十年代の仲代達矢様に織田信長を勤めて頂き

たかったという思いがあります。

　　仲代達矢主演で『織田信長』を映画で撮って頂き

たかったなあ。

　美男で冷酷で激しくて爆走する。

　当たり役になったと思います。

　仲代達矢様

　八十七歳御誕生日

　おめでとうございます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　合掌