『宮本武蔵』昭和四十九年九月 武蔵錦之介対小次郎賀津雄 御園座公演 想像 | 俺の命はウルトラ・アイ

『宮本武蔵』昭和四十九年九月 武蔵錦之介対小次郎賀津雄 御園座公演 想像

 

昭和四十九年九月御園座公演

一日→二十六日

夜の部

『宮本武蔵』

原作 吉川英治

脚色 伊藤大輔

出演

萬屋錦之介(宮本武蔵)

入江若葉(お通)

西村晃

中村賀津雄(佐々木小次郎)

 

演出 観世栄夫

中村賀津雄→中村嘉葎雄

 

 

夜の部

『弥太郎笠』

中村賀津雄(弥太郎)

お雪(入江若葉)

 

昼の部

『竜馬がゆく』

原作 司馬遼太郎

脚本 伊藤大輔

出演 萬屋錦之介(坂本竜馬)

    西村晃(勝海舟)

 

 画像は『演劇界』昭和四十九年十月号より引用しました。

この号には公演データが載っておらず、データの日時は

『時代劇映画の詩と真実』を参考にしました。

 

 萬屋錦之介・入江若葉の映画『宮本武蔵』五部作の

武蔵・お通の配役はそのまま継承され、舞台版『宮本

武蔵』が、伊藤大輔の脚本を得て上演されました。

 

 四十九年九月御園座は、武蔵錦兄、小次郎賀っちゃ

んの兄弟激突であったようです。当時わたくしは小学校

一年生で観劇しておりません。

 

 伊藤大輔先生は翌月新幹線で倒れて、治療を受けて

回復されますが、映画製作が厳しくなり、企画中の『聖徳

太子』撮影が難しくなったと西岡善信氏は証言されていま

す。

 錦兄の舞台の脚本・演出の仕事に集中されるようになっ

て行きます。

 

 岡安辰雄氏稿『男性的な芝居と女性的な芝居』の

劇評は、萬屋錦之介の坂本竜馬と宮本武蔵は映画

の当たり役で、師匠伊藤大輔により舞台への移しか

えが行われ、こなし方は「決まっている」と当たり役で

あることと確認されていますが、伊藤先生のドラマに

ついては「つくりが小さすぎ」(『竜馬がゆく』)、「ダイ

ジェストの域を出ない」(『宮本武蔵』)と厳しい評価を

されています。

 

 そのご意見は読みますが、舞台版は写真からも

迫力が伝わってきます。映画『幕末』から、舞台『竜

馬がゆく』になったことも注目しています。

 錦之介の凄み豊かな武蔵、賀津雄の美男の小次

郎。

 兄弟によるライバル激闘。想像で心が熱くなります。

 

 

                             合掌