奥崎謙三主演『ゆきゆきて、神軍』 鑑賞三十一年
奥崎謙三は1920年2月1日に誕生し、太平洋戦争において
1943年独立工兵隊三十六連隊兵士として従軍し、ニューギニア
戦線で生き残り、1946年に復員し、1969年1月2日皇居において
日中戦争・太平洋戦争の最大の責任者天皇裕仁後の昭和天皇
に対し、「山崎、ピストルで天皇を撃て」と叫びパチンコ玉を狙撃
して逮捕され、1年6か月の刑を受け、1982年に主演映画『ゆきゆき
て、神軍』の撮影が始まり、ニューにギニア人肉食事件を調査し、
1983年12月事件の関係者の子息を狙撃し逮捕され、1997年8月
出所し、2005年6月16日に85歳で死去しました。
謙三が殺人事件を起こした事と関係者子息拳銃狙撃事件を犯
した事は悲しいです。暴力には反対します。
彼が命を賭けて、昭和天皇の戦争責任を追求してパチンコ玉
を発射し、ニューギニア戦線人肉食事件を追求したことは、大切
な平和運動であったと頂いています。
1988年2月20日ルネサンスホールで、謙三主演・原一男監督・
疾走プロダクション製作、1987年8月1日公開『ゆきゆきて、神軍』
を鑑賞しました。
「奥崎謙三は平和と言いながら暴力を振るっているではない
か」というお叱りはもっともです。奥崎の暴力には賛成しません。
しかし、謙三が戦友島本政行さんの母島本イセコさんを尋ね、
政行さんの墓で『岸壁の母』を歌ってもらうシーンは、あらゆる
人々に見て頂きたい。
夫謙三が暴力を振るって証言者山田吉太郎氏を蹴った時に、身を
挺して山田さんを守り負傷するシズミさん。
シズミさんは神軍の母だったと思います。
今こそ奥崎謙三の平和運動の心に学び、非暴力で平和希求
の声を語るべき時です。
イセコさん・シズミさんの母性愛の暖かさを伝えてくれる反戦映画
です。
奥崎謙三の平和への願いに学びます。
合掌