沖縄やくざ戦争 | 俺の命はウルトラ・アイ

沖縄やくざ戦争

   『沖縄やくざ戦争』

 

  映画 トーキー 九十六分

 昭和五十一年(1976年)九月四日公開 

 製作国     日本

 製作    東映京都

 

 企画 日下部五朗

     橋本慶一

     奈村協

 

 脚本 高田宏治

     神波史男

 

 撮影 赤塚滋

 音楽 広瀬健次郎

 美術  井川徳道

 

 

 出演

 

 松方弘樹(中里英雄)

  

 渡瀬恒彦(嘉手刈宏)

 

 新藤恵美(中里照美)

 矢吹二朗(知花鉄男)

 尾藤イサオ(儀間二郎)

 三上寛(金武昇)

 室田日出男(具志川照邦)

 

 ひろみ麻耶(比嘉信子)

 葵三恭子(石川悦子)

 中島葵(靖子)

 宮前ゆかり(玉城スミ子)

 

 梅宮辰夫(海津義明)

 

 南道郎(玉城亀吉)

 志賀勝(恩納健吉)

 野口貴史(平良)

 成瀬正(赤嶺保)

 片桐竜次(国吉悟)

 曽根将之(工藤) 

 広瀬義宣 (名嘉間長栄一男)

 大辻慎吾(島袋芳典)

 川浪公次郎 (徳田池信)

 阿波地大輔 (猪木明)

 丘路千 (杉山元)

 

 岡島艶子(知花鉄男の母)

 大江光 (女占師)

 蓑和田良太 (巡査)

 平沢彰(堀田)

 司裕介 (チンピラ)

 白井孝史(大阪のボディガードA)

 友金敏雄(大阪のボディガードB)

 壬生新太郎 (今村)

 新居芳行(木村)

 

 

 白川浩二郎(智念)

 五十嵐義弘 (知花誠治)

 松本泰郎 (稲嶺仲作)

 鳥居敏彦(チンピラ)

 畠山麦(伊波)

 志茂山高也(稲福)

 勝野賢三(呼び込み)

 岡田正美(秘書)

 福本清三(子分)

 

 

 風間純(芸者)

 森村由加(ホステス)

 森谷譲(石川の子分)

 矢部義章(中里の子分)

 小坂和之(署内の警官)

 ウイリー・ドーシー(外国人の男性)

 イレーン・マキネン(外国人の女性)

 諸口あきら(ナレーター)

 

 成田三樹夫(翁長信康)

 織本順吉(大城朝光)

 地井武男(石川隆信)

 

 

 千葉真一(国頭正剛)

 

 監督 中島貞夫

 

 ☆☆☆

 曽根将之=曽根晴美

 諸口あきら=茂呂弘人=諸口旭

 千葉真一=JJ Sonny Chiba=Sonny Chiba

       =JJサニー千葉=和千永倫理道

 ☆☆☆

 弥生座にて鑑賞

 

 昭和四十六年十二月沖縄。本土のやくざに対抗する為

大城と国頭が協力し、沖縄連合琉盛会を設立した。

 国頭正剛は短気で気性が激しい。「ヤマトの奴等は我慢

ならねえ」と語り、本土出身者の店を荒らした。

 

 中里英雄は国頭の行動隊であった。国頭の部下石川は

中里の脱会に怒り私刑を加えた。

 

 国頭は、沖縄で働く具志川照邦が土地の範囲を守らず

広げたことに怒り、私的制裁を加え、男性×器を斬るとい

う残酷な刑罰を下した。

 

 国頭は中里を呼び、殴る蹴るの暴行を加える。

 

 身の危険を感じた中里は、国頭暗殺を企て実行する。

中里と石川の対立は激化し、中里は石川を倒す。琉盛

会において思いがけない僥倖から大城は実力者にな

った。

 

 中里は利用されたことを知り、大城を倒す。実力者翁

長は西日本の大組織幹部海津と手を組む。

 

 中里は海津と翁長に最後の戦いの決意で水上での

決戦を挑む。

 

 ☆☆松方弘樹 中里の忍耐を演ずる☆☆

 

 沖縄やくざ(遊人 あしばー)の苦渋を、中島貞夫監督

が粘り強く描く。

 

 千葉真一が国頭正剛を凄み豊かに熱演する。「戦争

大好き」の台詞を笑顔で語った所が怖い。

 

 国頭が部下に具志川照邦を抑えさせて、男×を斬る

シーンは怖かった。これは実話を基にしているそうだ。

 

 国頭のモデルは、伝説の遊人(あしばー)新城喜文

氏である。

 

 神波史男・高田宏治の脚本は、沖縄遊人達の壮絶

な抗争を、強烈な迫力を以て描き出す。

 

 中島貞夫の演出は重厚で、抗争を生きる中里の

道を静かに見つめ明らかにする。

 

 渡瀬恒彦の嘉手刈宏の刹那的な激しさも凄まじ

かった。

 

 ひろみ麻耶は綺麗だ。無茶苦茶な嘉手刈宏の横

暴に悩みながらも許してしまう信子。男女の情を中

島先生が見つめる。

 

 地井武男が冷徹な石川を鋭く演ずる。

 

 松方弘樹の英雄は、国頭を抑え諌め殴られる。忍

耐の中で選び取った結論が切ない。苦渋の忍耐から

兄弟分暗殺の決断に至る中里の悩みを、松方が繊細

に演ずる。

 

 私が見たフィルムでは、一番肝心の英雄による国頭

暗殺シーンが欠落している版であった。

 

 

 織本順吉のジョギングシーンも忘れられない。

 

 諸口あきらの渋い語りは素敵だ。

 

 クライマックスは松方英雄と辰っちゃんの海津義明と

の水上の対決だ。


 

 命がけで沖縄やくざの意地を示す。

 

 松方弘樹の熱演に心を打たれた。

 

 

                               合掌