梶田章稿『新版 大岡政談』を読む(四) | 俺の命はウルトラ・アイ

梶田章稿『新版 大岡政談』を読む(四)

 


 『新版 大岡政談』現存フィルムにおいても、クライマックスで

左膳がお藤を斬るシーンがある。

  これは衝撃的だった。

   トーキー時代以後は左膳とお藤が仲良く夫婦のように愛し合う

作品が数多く製作された。

  大河内傳次郎と喜代三の『丹下左膳余話 百万両の壷』から、

二代目中村獅童主演のテレビドラマ版(お藤はともさかりえ)・舞

台版(お藤は辺見えみり)の『丹下左膳』まで殆どの作品で、左膳

とお藤は仲睦まじき恋人どうしだ。

 だが伊藤大輔監督が撮られた本作では、左膳がお藤を斬る。

 初期作品に衝撃を受けたことは、後続作品鑑賞によりイメージ

で固まってしまっていたことを思った。原点確認の大切さを教わ

った。

 大河内君と直ちゃんはかっこいい。

                                   合掌