治郎吉格子 昭和二十七年二月二十二日公開 伊藤大輔監督作品 | 俺の命はウルトラ・アイ

治郎吉格子 昭和二十七年二月二十二日公開 伊藤大輔監督作品

 『治郎吉格子』

 映画 99分 トーキー 白黒

 昭和二十七年(1922年)二月二十二日公開

 製作国 日本

 製作   大映京都

 

 
治郎吉格子

製作 小倉浩一郎

原作 吉川英治

脚本 伊藤大輔

音楽 深井史郎

撮影 石本英雄

 

出演

長谷川一夫(治郎吉)

 

高峰三枝子(お仙)

岸恵子(お喜乃)

 

河野秋武(久六)

谷晃(琵琶法師)

山路義人(朝比奈)

葉山富之輔(亮之進)

大友富右衛門(伝十)

尾上栄五郎(新見)

小林重四郎(真田丸)

ミス・ワカサ(お才)

鮎川十糸子(小半)

 

市川小太夫(重松佐次兵衛)

進藤英太郎(仁吉)

 

監督 伊藤大輔

 

☆☆☆

市川小太夫=二代目市川小太夫

☆☆☆

平成十九年(2007年)八月四日

京都文化博物館にて鑑賞

☆☆☆

 

 鼠小僧治郎吉格子は義賊と評判の

盗人だが、金持ちからしか盗まないこと

で庶民の喝采を浴びていた。

 三十石舟で掏摸の財布を掏られた女郎

お仙を助けて二人は恋仲になる。

 お仙は治郎吉が鼠小僧と喝破していた

が、そんな彼を愛していた。

 お仙に冷たくしつつ関わっては彼女に迷

惑かかることから別れようとしている次郎吉

は、仙の兄で髪結いとしている十手持ちの

仁吉の店で、元結をしている美少女お喜乃

に一目惚れする。

 

 喜乃の父は武士だったが、治郎吉が公金

を盗んだ為に失職してしまったことを知り愕然

とする。

 妾奉公の話が喜乃に勧められる。仁吉は妹

を捕えてで治郎吉を捕縛しようと狙う。

 

 惚れたふたりの女お仙とお喜乃を救うために

治郎吉は決死の覚悟で戦いを挑む。

 

 長谷川一夫が美男の盗賊治郎吉を熱演する。

 

 ☆☆☆一夫版トーキー治郎吉☆☆☆

 

 伊藤大輔は、吉川英治の『治郎吉格子』を、

昭和六年十二月三十一日公開の日活製作

『御誂次郎吉格子』(『御誂治郎吉格子』)と

して脚本監督作品として発表している。

 

 治郎吉に大河内傳次郎、お喜乃に伏見信

子、お仙に伏見直江の配役で発表された。

 1931年版は無声映画で、伊藤の無声映画

で唯一ほぼ完全な形で現存している。

 

 平成二年七月一日京都文化博物館でこの

無声映画を鑑賞したわたくしは、無償の愛に

大感激し伊藤大輔の大ファンになった。

 

 伊藤自身がトーキー版として昭和二十七年

にセルフリメイクした。

 

   先生 うん、ぼくも好きだ。あれは大河内

       君で撮ったのよりも好きだ。長二郎

       君が神妙だよ。長二郎君と言ったら

       怒られるかもしれないけど、長谷川

       一夫君だ。監督していてね、よう考え

       て来たなと思って感心することがあり

       ました。長谷川君は非常に力を入れ

       ましたね、あの「治郎吉格子」には。

   (『時代劇映画の詩と真実』 139頁

    1976年4月14日

    発行 キネマ旬報社)

 

 伊藤大輔先生は大河内主演無声映画版よりも

長谷川主演トーキー版を好きと仰っている。

 

 実はわたくしは無声映画版のほうに大感激しま

した

 

 しかし、長谷川一夫主演版も愛の名作であると

熱く語ります。


 

                          合掌