みな殺しの霊歌(一)
『みな殺しの霊歌』
映画 91分 トーキー 白黒
1968年4月13日公開
製作 松竹
脚本 三村晴彦
構成 山田洋次
加藤泰
音楽 鏑木創
出演 佐藤允(川島正)
應 蘭芳(川島孝子)
稲高稔(刑事)
中原早苗(圭子)
沢淑子(操)
菅井きん(美佐)
河村有紀(京子)
監督 加藤泰
☆
2016年8月26日 東京国立近代美術館
フィルムセンターにて鑑賞
☆
ホステス孝子が驚く。男川島が自室に
侵入してきた。川島は孝子に殴る蹴るの
暴行を働き、情報を書かせる。泣きながら
孝子は、友人の操・美佐・圭子・京子と徹夜
麻雀を借りているアパートでした日を思い
出す。
四人の住所を書かされた。川島は孝子をベッ
ドに抑えつけて無惨にも身体を奪い、ナイフで
刺殺する。
ナイフを洗い、血からタイトルが浮かび出る。
みな殺しの霊歌
刑事は現場検証で残酷過ぎる状況を見る。
近所の人々も心配そうに見つめる。刑事は
工事現場を凝視する。
☆泰監督の問題作☆
2016年8月26日フィルムセンター前で大きく
掲げられた加藤泰監督の写真に一礼し、「先
生。お久しぶりでございます」と挨拶した。
先生に一度もお会いしたことはないのだが、
京一会館に先生のポスターが大きなサイズで
掲示されていて、『人生劇場』を1986年に鑑賞
し、映画の凄さを教わり、久びさに劇場で泰さ
んのポスターを見て、御挨拶した。
泰監督が1968年に発表した大問題作である、
川島の蛮行は、いかに親友の少年の無念を
晴らすためでも酷過ぎる。見ていて辛くなるし
五人の女性が可哀相だ。
しかし、泰監督・洋次師匠・三村先生は、百も
承知でその物語を語っている。
残酷なことを為してでも怒りをぶつける。
矛盾に挑戦しつづけた泰さんのメッセージで
ある。
允さん。名演をありがとう。