必殺仕置人 いのちを売ってさらし首 六
『必殺仕置人 いのちを売ってさらし首』
テレビドラマ トーキー 55分 カラー
放映日 昭和四十八年（1973年）四月二十一日
製作国 日本
製作言語 日本語
放送局 朝日放送系
『必殺仕置人 いのちを売ってさらし首 一』
『必殺仕置人 いのちを売ってさらし首 二』
『必殺仕置人 いのちを売ってさらし首 三』
『必殺仕置人 いのちを売ってさらし首 四』
『必殺仕置人 いのちを売ってさらし首 五』
『必殺仕置人』『新必殺仕置人』の歴史
において、鉄とおしまが仲睦まじく過ごして
いるのは、この「いのちを売ってさらし首」の
みなのです。
お島が鉄の指を「悪い指」と語ります。主水
も鉄の指を怖がっています。
1977年3月4日放映『新必殺仕置人』「貸借
無用」（脚本/大和屋竺、監督/松野宏軌）の
冒頭で湯女おかね（山口じゅん）が鉄さんの
指を「悪い指」と語るのも、「いのちを売ってさ
らし首」との呼応でしょう。
鉄はプレイボーイです。第二話「牢屋でのこ
す血の願い」では、ヒロインおしんと情を交わし
ます。これも、おしまに対しては浮気になります
が、プレイボーイ鉄つあんは恋多き男なので
す。
第二話でおしんが「惚れたから」と語ります
が、鉄は「よせやい。俺は惚れたことはあるが、
惚れてもらったことはないんだ。もっともこの
指には惚れるがな」と冷静に述べます。
第一話・第二話で貞永方久監督は、多くの
恋を経験しながら、孤独でもある鉄の人間像
を描いています。
鉄が借金していた二分をお島に返します。
「骨接ぎだけが仕事じゃねえからな」の台詞
を聞いて、「鉄は既に裏稼業の仕置をしていた
のでは？」という問いを抱きます。
主水は、この第一話において的場と喜助を斬
ったことが、初の仕置でしょう。
しかし、「鉄は既に仕置人だったのではない
かな」と思います。
的場の部下の孫八とその仲間が乗り込んで
お島とのひとときを邪魔された鉄が、孫八の顎
の骨を押し上げるシーンは強烈ですね。
孫八を勤めるのは、「クシャおじさん」こと
成田幸雄です。演技者としても見事な芸を見せ
て下さった方でした。
鉄つぁん、最初の骨はずしの場面でした。
怖かったですね。
鉄は最強の仕置人です。
キャスト
山崎努（念仏の鉄）
沖雅也（棺桶の錠）
野川由美子（鉄砲玉のおきん）
白木万理（中村せん）
大滝秀治（浜田屋庄兵衛 松造）
今出川西紀（お咲）
三島ゆり子（お島）
菅貫太郎（牧野備中守）
津坂匡章（おひろめの半次）
近藤宏（的場弥平次）
生井健夫（田口）
高松英郎（天神の小六）
黛康太郎（喜助）
新屋隆弘（与吉）
成田幸雄（孫八）
菅井きん（中村せん）
藤田まこと（中村主水）
スタッフ
制作 山内久司
仲川利久
桜井洋三
脚本 野上龍雄
音楽 平尾昌晃
撮影 石原興
美術 倉橋利韶
照明 中島利男
録音 二見貞行
調音 本田文人
編集 園井弘一
助監督 家喜俊彦
装飾 稲川兼二
記録 野口多喜子
進行 黒田満重
特技 宍戸大全
装置 新映美術工芸
床山結髪 八木かつら
衣装 松竹衣装
現像 東洋現像所
制作主任 渡辺寿男
殺陣 美山晋八
題字 糸見溪南
主題歌「やがて愛の日が」
作詞 茜まさお
作曲 平尾昌晃
編曲 竜崎隆路
唄 三井由美子
ビクターレコード
オープニングナレーション作 早坂暁
エンディグナレーション 野上龍雄
ナレーター 芥川隆行
制作協力 京都映画株式会社
監督 貞永方久
制作 朝日放送
松竹株式会社
☆
山崎努＝山﨑努
今出川西紀＝久保にしき
津坂匡章→秋野太作
桜井洋三＝櫻井洋三
大滝秀治の役名で松造はノークレジット
早坂暁はノークレジット
野上龍雄 エンディングナレーション作は
ノークレジット
☆
南無阿弥陀仏