ウルトラセブン ウルトラ警備隊 西へ 前編(二) | 俺の命はウルトラ・アイ

ウルトラセブン ウルトラ警備隊 西へ 前編(二)

『ウルトラセブン』 

「ウルトラ警備隊 西へ  前編」

テレビ トーキー 25分 カラー

放映日 昭和四十三年(1968年)一月月七日

製作  円谷プロ

     TBS

放送局 TBS系

監修 円谷英二

プロデューサー 末安昌美

脚本    金城哲夫
音楽    冬木透

出演
中山昭二(キリヤマ隊長)

森次浩司(モロボシ・ダン ウルトラセブンの声)
菱見百合子(友里アンヌ)

石井伊吉(フルハシ・シゲル)
阿知波信介(ソガ)
古谷敏(アマギ)  

リンダ・ハーディスティー(ドロシー・アンダーソン)

テリー・ファンソワーズ(マービン・ウェッブ)

エンベル・アルテンハイ

吉原正皓

佐藤功一

中村晴吉(キングジョースーツアクター)

満田禾斉(ウルトラ警備隊隊員の声)

牧野和子(ドロシー・アンダーソンの声)

山田康雄(マービン・ウェップの声)

ユセフ・オスマン(観光客)

土屋嘉男(土田博士)

菊地英一(ウルトラセブンスーツアクター)
浦野光(ナレーター)


特殊技術 高野宏一

監督 満田禾斉

森次浩司→森次晃嗣(モロボシ・ダン)
菱見百合子→ひし美ゆり子(友里アンヌ)

石井伊吉→毒蝮三太夫(フルハシ・シゲル)

ユセフ・オスマン=オスマン・ユセフ

菊地英一→きくち英一

満田禾斉→満田かずほ

  台詞の引用・シークエンスの考察は、

研究・ 学習の為です。 
 円谷プロ様・TBS様にはおかれまして

は、ご理解・ご寛恕を賜りますようお願

い申し上げます。

☆☆☆

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☆☆☆金城哲夫が書き、

   満田禾斉が撮った兵庫・京都(二)☆☆☆

 

 防衛センター前に四つの形でロボットが現れ、地上で合体し

一つになる。ここにも金城脚本と満田演出の発想の素晴らしさ

がある。

 

   満田 あれも金城と話していてバラバラのものが一つに

       なるというアイデアから。本当は4つではなくてもっ

       もっとたくさんにしたかっただけど、あまり多いと

       合体させるのが大変ということで。

 

   森次 この作品は神戸ロケで、ずいぶん遠かったなあ。

 

  (『ダン モロボシ・ダンの名をかりて』114頁「特別対談:

   ウルトラセブンを作った男」満田禾斉&森次晃嗣

   2000年2月29日発行 扶桑社文庫)

 

 金城・満田コンビの話し合いではかなり沢山の身体部位を

持ったロボットが合体するという案だったようだ。4体は二人

にとって妥協案だったのかもしれないが、視聴者には4つの

ロボットが合体して一つになって暴れ回る筋にワクワク興奮

した。後にキングジョーと名付けられるぺダン星人のロボット

の表情が穏やかであることが、逆説的にその凄みを強く表現

している。

  国際会館のミニチュアが精密で感嘆する。銃撃にあっても

ぺダン星人のロボットはびくともしない。

 ダンは神戸港から飛んできて防衛センターでセブンとして

現れ、ぺダン星人と対戦する。

 金城哲夫はこれまで第三話「湖のひみつ」でエレキングと

の対戦、第十一話「魔の山へ飛べ」でナースとの対戦を描き

セブンがバトルで苦闘する物語を描いてきた。怪獣の反撃

に遭い苦しめられたセブンが最後に逆転する戦いであった。

 だが本作第十四話ではぺダン星人のロボットの強靭さの

前に殴られ投げられ倒され押し潰されるセブンが描かれる。

 菊地英一のウルトラセブンと中村晴吉のぺダン星人のロボ

ットの激戦は、『ウルトラセブン』全四十九話のバトル史にお

いて、最も迫力豊かな決戦の一つである。 

 

 セブンのキックやパンチを受けても跳ね返し、エメリウム光

線やアイスラッガーも歯が立たない強敵である。『ウルトラセ

ブン』のこれまでの十四作品の中で、ぺダン星人のロボットが

最強の敵であったことは間違いない。

 

 土田・アンヌ・フルハシ・ソガ・キリヤマ・ウェッブが心配を

抱いて激闘を見つめる。

 土屋嘉男の渋さ、菱見百合子の美しさ、石井伊吉の深さ、

阿知波信介の繊細さ、中山昭二の重厚さ、テリー・ファンス

ワースの鋭さを、不安の視線において、満田演出は映し出

す。

 仲間達は、ウルトラセブンの逆転を懸命に祈る。その祈り

を受けてセブンは強敵ぺダン星人のロボットに挑む。しかし

敵は強大でセブンは圧倒され、仰向けに倒される。

 浦野光のナレーションが語られ、セブンの絶体絶命の危機

が知らされる。

 ぺダン星人のロボットが両手を挙げて、足元に倒したウル

トラセブンを浴びせ倒そうとする。

 満田禾斉は画面をストップモーションにする。視聴者の緊張

と興奮を極める。ラストとして完璧である。

 ウルトラセブン危機を描くドラマとして、第十四話は視聴者の

心を揺さぶる迫力がある。

 

  放送から五十年が経った・スタッフ・キャストの中で亡くなら

れた方々がおられる。

 

  監修円谷英二 

  昭和四十五年(1970年)一月二十五日死去。

  外国人犠牲者役 オスマン・ユセフ 

  昭和五十七年(1982年)八月二十九日死去。

  ドロシー・アンダーソン&贋ドロシー役 

  リンダ・ハーディスティー 

  昭和六十一年(1986年)八月二十九日死去。

  キリヤマ隊長役 中山昭二 

  平成十年(1998年)十二月一日死去。

  マナベ参謀役 宮川洋一

  平成十三年(2001年)三月十九日死去。

  土田博士 土屋嘉男

  平成二十九年(2017年)二月八日死去。

 

  謹んで哀悼の意を表します。

 

 『ウルトラ警備隊 西へ』「前編」において満田禾斉監督

は兵庫県にシナリオハンティングで調査され、カトリック

芦屋教会・六甲・神戸港の煌めきをフィルムに撮り刻み付

け広く明かして下さった。変わりゆく土地の光景の歩みに

在って、昭和四十年代前期・1960年代後期の兵庫の光輝

を豊かに映されたことに、この時期この土地に生まれたファ

ンとして感激を覚える。

 

  これ程深く兵庫の生命力を映し出した映像を他に知ら

ない。

 

 兵庫県出身のファンが、静岡県ご出身の満田禾斉監督

が撮って下さった兵庫を見聞して、兵庫の尊さを改めて教

わる。

 

 この事を番組を鑑賞する度に実感する。

 

 二十一世紀現代においても、ポートタワーに登ると、訪

れた人々は『ウルトラセブン ウルトラ警備隊 西へ』を語

り合っている。

 

 兵庫県人にとって、『ウルトラ警備隊 西へ』「前編」「後

編」は宝のドラマであり、深い敬愛と大感謝を以て頂いて

いる。

 

 ☆☆☆2008年1月14日に発表した記事を2018年3月19

      日に加筆・改訂しています☆☆☆

                               

                        文中一部敬称略

                           

                              合掌

                     

                         南無阿弥陀仏

 

                              セブン