美少女女優 ともさかりえの道 『半熟卵』 | 俺の命はウルトラ・アイ

美少女女優 ともさかりえの道 『半熟卵』

 『半熟卵』

 テレビ 各60分 トーキー カラー

 全十話

 平成六年(1994年)十月二十一日→

 平成六年(1994年)十二月十六日

 

 製作局  フジテレビ AVEC

 

 プロデューサー 楠田泰之

           柴崎正

 

 脚本  梅田みか

 

  主題歌 『TENCAを取ろう ー内田の野望ー』

  ボーカル 内田有紀

 

 

 出演  

 篠ひろ子(大場町子)

 

 内田有紀(大場歌南)

 

 田中律子(大場結花)

 

 ともさかりえ(大場菜生)

 

 森脇健児(丸山聡)

 大滝龍宇一(沢村透)

 加藤晴彦(本木光児)

 森田剛(中井順)

 遠藤一彦(大場昌彦)

 

 鶴見辰吾(松島宏)


 

 田原俊彦(小柳晴夫)


 

演出  楠田泰之

     柴崎正

 

 ☆☆

 本放送では最終回を二話分をまとめて

 90分枠で放送したという説がある。

 再放送では全十回で放送されている。

 ☆☆

 

 ともさかりえ十四・十五歳の時代のドラマで

ある。美少女の可愛さ・可憐さが光り輝いてい

る。

 

 大場家では町子が結花・歌南・菜生の三人

娘と暮らしている。夫昌彦が癌で死去した後、

女手一つで三人の娘を育てたのだ。

 

 結花はOL、歌南は女子校生、菜生は繊細な

少女だ。

 

 ラーメン屋の青年晴夫は大場家四人を励まし

てくれているが、町子を慕っている。

 

 一家四人が様々な人間関係の中で逞しく歩み

家族の絆を深く確かめ合う。

 

 わたくしは本放送では見れず、再放送で視聴

した。笑いと涙の人情ドラマの名作である。

 

 ともさかりえの演技力の鋭さが十四・五歳の時

期から深く明かされていることを示している。

 

 第一回で同級生の順が自習中に女性の身体へ

の妄想を抑えきれず、菜生は思いを打ち明けられ、

触れさせてあげようかと悩む気持ちに、深い母性の

表現があった。

 

 結局は順は我慢するのだが、少年時代の森田剛

も可愛いのだ。

 

 当時人気アイドルであった内田有紀のオーラとパ

ワーが強い。梅田みかの脚本を鮮やかに表現して

いる。

 

 田原俊彦が人情味豊かな青年晴夫を爽やかに

演じる。

 

 篠ひろ子は母の強さと逞しさを鮮やかに示す。

 

 回想で登場する父昌彦を遠藤一彦が渋く勤める。

 

 篠とのキスシーンは深い情感がある。


 

 エンディングでは内田と大浦が弾き語りで語り合

う。

 

 久世光彦演出のドラマを彷彿とさせる趣向だった。

 

 大浦は高田浩吉の孫に当たる方だ。

 

 楠田泰之は、カメラマン楠田浩之・脚本家楠田芳子

夫妻を父母、監督木下恵介・音楽家木下忠司を叔

父に持つ演出家である。松竹名作映画を支えた一族

は深い情愛の表現を映像の中でされたが、泰之は見

事に継承したことが本作で明かされている。

 

 大場家四人が力を合せて力強く歩んで行く姿に感

銘を受けた。

 

 

                         文中敬称略


 

                             合掌