ウルトラセブン 宇宙囚人303 | 俺の命はウルトラ・アイ

ウルトラセブン 宇宙囚人303

『ウルトラセブン』「宇宙囚人303」

テレビ トーキー 30分 カラー

放映日 1967年11月12日

 

製作国 日本

製作言語 日本語

放送局 TBS系

 

監修 円谷英二


プロデューサー 末安昌美

脚本 金城哲夫

 

撮影  永井仙吉

美術  成田亨

     岩崎致躬

照明  新井盛

音楽  冬木透

録音  松本好正

効果  西本定正

編集  柳川義博

助監督 安藤達己

製作主任 高山篤

製作担当者 塚原正弘

 

特殊技術

撮影 佐川和夫

美術 深田達郎

操演 沼里貞重

照明 小林和夫

光学撮影 中野稔

助監督 東條昭平

製作主任 房前義勝

 

東京現像所 

キヌタラボラトリー

TBS映画社

 

 

 


出演


中山昭二(キリヤマ隊長)

 

森次浩司(モロボシ・ダン)
菱見百合子(友里アンヌ)


石井伊吉(フルハシ・シゲル)
阿知波信介(ソガ)

古谷敏(アマギ)  

 

佐田豊(水島)
西朱実(水島の妻)
山村哲夫(水島誠)
中原純子(水島美香)
藤江喜幸(水島務)

伊藤実(木村)
キャシー・ホーラン(外国人女性)

 

勝部義夫

西朱実

越後憲

久野征四郎


 

西条康彦(ジローの仲間の店員)
松原靖(キュラソ星人303 スーツアクター)
宮川洋一(マナベ参謀)

 

上西弘次(ウルトラセブン スーツアクター)
浦野光(ナレーター)


特殊技術 的場徹

 


監督 鈴木俊継

 
制作 円谷プロダクション 
    TBS
 

森次浩司→森次晃嗣

菱見百合子→ひし美ゆり子
石井伊吉→毒蝮三太夫

藤江喜幸→伍代参平

ウルトラアイは我が命-1→11話 タイトル文字

 


 山の中で狩を楽しみ、獲物を狙って銃を発射する
二人の男性。ガサガサとした物音が聞こえる。二人

は小さな物体を発見する。
 
 赤い帽子を被ったハンターは、「隕石ではないし、

宇宙船にしちゃ小さいし」と疑問に思う。そこへハン

ター仲間のキムラの「うわあ!」という悲鳴が響く。

赤い帽子を被ったハンターが駆け寄ると、傷つい

たキムラが「怪物が、怪物が」と叫ぶ。驚愕した

赤い帽子を被ったハンターの首にも怪物の手が

巻き付いていた。

 宇宙空間において、侵略者の魔の手を厳重に警

戒し、地球を懸命に防衛している建物がある。

 


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 地球防衛軍極東基地の宇宙ステーション

V3である

  ここでは、宇宙からの怪指令を受信して

いた。通信隊員は、 電波解読の権威と呼

ばれたミズノである。 この電波に「何かあり

そうだ」と直感した彼は、キリヤマ隊長と通信

で語り合う。隊長は「何事もなければいいが」

と祈るように念ずる。


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 ガソリンスタンド「ルート36」では、店員ジロ

ーの部屋のドアのノブが回っている。秘かに

部屋に侵入した怪物はジローを背後から忍

び寄って惨殺する。


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 怪物は、ガソリンを飲み始める。


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 外国人女性がスタンドにやってきた。クラク

ションを何度も鳴らすが、一人の店員も出て

来ないので不審に思う。「こんにちわ。ガソリ

ンを下さい」と日本語で彼女は語るが返事は

ない。スタッフルームに入った彼女は、鏡に映

った怪物の姿を見て気絶する。


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 ジローの仲間の店員が、スタンドに帰ってきた。

ジローと外国人女性の惨殺死体を見てびっくり

する。


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 怪物の魔の手は彼にも襲い掛かる。苦しみと

戦いながら、スタンド店員は、ウルトラ警備隊に

救助依頼の電話をかけ、かけ終えた後、絶命

する。


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 喉を乾かした者が水を希求するように、怪物

はガソリンを飲み、大きな目玉をギョロリと動

かす。
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 スタンドにかけつける、フルハシ・アマギ・ダン。



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 アマギ「ひどいことをしやがる」
 

 
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 ダンは、ガソリンチューブに「何者かが噛み付

いた跡がある」ことを発見する。山の方から銃声

が響く。

 

 かけつける三人。銃を放ったのは、怪物に襲わ

れたハンター・キムラだった。彼は、怪物に襲わ

れたことを告げて絶命する。三人は謎の物体を

怪物が用いた宇宙船ではないか、と見て爆破する。


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 V3から地球に向うロケットにミズノ隊員が乗って

いた。極東基地に到着したミズノに、マナベ参謀は

「どうやら悪い知らせらしいな」と来訪の意を探る。


 ミズノは怪電波の発信地が、キュラソ星であった

ことを報告する。


 

   「わがキュラソ星の犯罪者303が宇宙に逃走。

   凶悪な殺人鬼なれば、発見次第殺害されたし。

          
    キュラソ星連邦警察」


 

   マナベ「そいつはもう地球に来てるよ。」

 

   ミズノ 「なんですって!」

 


   マナベ「ガソリンをエネルギー源にしていて、
        既に5人がやられている」

     

 そこへ通信隊員が現れ、3人の警察官が、怪物に

殺害されたことを報告する。
  水島家では、一家の人々が、宇宙からの侵入した

怪物によって、沢山の地球人を殺害されたこと、安

全の為、市民の外出が禁止されたことを伝える、ニ

ュースを見ている。

 


 水島家の母「お父さん、戸締りは大丈夫?」
  

 

 水島家の父「ビクビクしなさんな」

 


 そこへガレージから物音が響く。長男の誠少年が

「僕が見に行くよ」と告げる。「気を付けるんだよ」と父

が声をかける。マコトがガレージに行くと、ガソリンを

飲む怪物ことキュラソ星人303の姿が・・・。


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茶の間に誠を連行して居座ろうとする303。
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 父母・娘美香は恐怖におののく。末弟務が

階下を見ると、家族が宇宙人に脅かされてい

る光景があった。


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 美香は、首を振って、務に首を振って「逃げ

て」と合図する。


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勇敢な務は、カーテンごしにキュラソ星人303

が窺うのをくぐって、ロープで庭に降りて、ウ

ルトラ警備隊に事件を通報する。

 


 かけつけたフルハシ・ダンらが、水島家に踏

み込むと、4人は無事で、怪物は逃走していた。

 

ポインターで、アンヌ隊員は、バックミラーで

背後に何者かが車内に侵入したことを知る。
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 303だ!

 

 


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 キュラソ星人は、地球防衛軍基地に忍びこん

でアンヌを人質にとり、彼女を操ってホーク1号

ベータ号に乗り込んで、脱出を図る。

 

 キリヤマは、アンヌが人質に取られているの

で攻撃出来ない苦汁を噛み締める。
 
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 ダンは「無謀な」作戦と承知しつつ、アルファ号

とガンマ号を使って空中でドッキングすることを提

案する。キリヤマも承諾し、ダン・フルハシ・ソガと

共に追跡に向かう。


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 ドッキング、成功!

 


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 ダンは機内でキュラソ星人303と格闘する。

ソガがアンヌを救い出す。

 火を吹いてキュラソ星人303が応戦したため、

機は炎上し始める。このままではアルファ号・ガ

ンマ号に搭乗している、警備隊の仲間達にも、

火の手が襲い掛かってしまうので、ダンはある

決意をする。

 


 ダン「ベータ号を切り離して下さい」

 


 キリヤマ「こっちに戻れ!」

 


 ダン「敵は自分に任せて下さい」

 


 キリヤマ「ダン、頼むぞ」

 



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 機の墜落直前、ダンはセブンに変身して、

脱出して火難を逃れる。ベータ号は墜落炎

上して、キュラソ星人303は燃え上がる炎の

熱さに苦しむ。


 

 セブンは、ダンに戻り、キリヤマに語る。


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 ダン「攻撃は無用です。キュラソ星人の体は

    ガソリンタンクと同じです。」



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 キュラソ星人303は泣き叫ぶ。

ダンは、彼に静かに語りかける、


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  「広い宇宙でも、もう逃げ場はない。
  だが、それは自業自得というものだ。

  宇宙でも、地球でも、正義は一つなんだ」


 フルハシは、キュラソの悲鳴を聞いて

「泣いてるようだな」と気持ちを察する。


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 全身炎に焼かれ、303は爆死する。

  地球防衛軍基地では、ミズシマが、「地球防衛軍

ウルトラ警備隊の勇敢な戦いを讃え、敬意を表す」

というキュラソ星からの謝辞を伝える。


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 ナレーションは予測する、これ以後、地球とキュ

ラソ星の間に、素晴らしい友情が生まれるであろ

うことを。

 

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―金城脚本における「自業自得」の探求―

 


 第7話「宇宙囚人303」は、幼児の頃、怖くてトラ

ウマになってしまったことをよく覚えている。ガソリ

ンスタンドに現れる怪物。
水島家の団欒の場に突如現われ、一家を恐怖の

どん底に落とす囚人303。

弟務に、視線と表情で危機を知らせる美香の家

族愛。
 
 沢山の登場人物が犠牲になるこの回。水島家

の子供達だけは、なんとか助かって欲しい、と子

供心に祈ったことは、今も強烈な思い出である。

 


 金城脚本のサスペンスがもたらすドラマの緊張

感と恐怖感は、まさに圧巻である。


 第7話のテーマは何か?「罪」の問題が、問われ

ていることは明白である。

 

 キュラソ星人303が地球で為した行為は、残忍な

虐殺であり、これは罰せられるものであることは、明

らかである。何の罪もない5人の市民や3人の警察官

の命を奪った「罪」は重い。

 

 金城脚本は、5人が殺される、酷たらしい惨劇を

描く。

 

 第7話の金城脚本、鈴木俊継演出は、なぜ、5

人の地球人が303に惨殺される悲劇を描いたの

か?
 金城脚本は、自分が生きるために、他者を犠牲

にする303の残酷さを強調し、そこに、生物のエゴ

イズムの深さを尋ねたかったのではなかろうか?

 

 罪を犯した者は、必ず自身が犯した行為を問わ

れる。犯した行為の責任から逃げられない。この

厳しい事実を、金城脚本は確認したのである。

 

 シナリオ準備稿ではホーク内で、セブンに変身し

たダンが、303と格闘する場面があったようだが、

本編ではカットされ、セブンの登場シーンは、1分

にも満たない。

 ダンは、峻厳なる態度の元に、303に責任の問

題を言い聞かせる。

 


 「広い宇宙でも、もう逃げ場はない。
  だが、それは自業自得というものだ。

  宇宙でも、地球でも、正義は一つなんだ」

 


 「宇宙でも、地球でも、正義は一つ」の言葉は

重い。「正義」は虐殺者を助けられない、という

その限界も確かめられている。


 「自業自得」は、仏教の言葉である。

自分自身が為した行為(業)の報いは、自分自

身が引き受けねばならぬことを示す教えである。 

 

 ここで、言う「業」とは、必ずしも、否定的な意

味だけではない。自身が為した、あらゆる「業」

は、自身に帰っきて、荷うべきものとなって、自

己に突きつけられる。

 仏教の聖典では、この「自業自得」がどのよう

に尋ねられているのであろうか?


 源信僧都の『往生要集』「第一 厭離穢土」に

おいて、「地獄」が探求されている。

 地獄とは実体的な世界と言うよりも、生物の

根本的な苦しみである。「地獄」の中の「衆合地

獄」において、果てしない愛欲に溺れる男の罪

人が、心身を傷つけ、すり減らしながらも、美

女を追い回す光景が描写されている。

 

 罪人の男は、刀の葉の林にいる。樹の頭を

見れば、美しい女性が微笑んでいる。男は、刀

で身を斬られる痛みもかまわず、まっしぐらに

樹のてっぺんに登り詰める。着いてみると、美

女はいない。
 どこに居るのだ?

 なんと、樹の下に居るではないか。男は再び

体の筋と肉を斬られながら樹の下に降りると、

又、美女はいない。

 どこへ行ったのだ?

いつのまにか、樹のてっぺんにもどり、男に向

かって微笑み、

 

 「貴男を想っているのよ。

  どうして、私を愛してくれないの?」

 

 と、甘く囁いてくれている。男が必死に樹のてっ

ぺんに帰ってくる。又しても、美女はいない。

 

 いつの間にか、樹の下にいる。
 

 男は、美女を得たくても得れず、得れないまま、

命終わるまで美女を追い回し続ける、と源信は

確かめる。

 
 『往生要集』において、地獄の獄卒は、邪欲を

因として、女性を追い回し、身と心を傷つけてい

る男を見て、あざ謳う。

 


   非異人作悪  異人受苦報 

   自業自得果  衆生皆如是(1)

 

   異人の作れる悪もて 

   異人、苦の報を受けるにあらず。
   自業自得の果なり。  衆生、皆かくのごとし。

 

   ―試訳―
   他人の為した悪によって、

   他者が悪の報いを受けるのではない。

 

   自分が為した行為の報いは、

   自分自身が引き受けねば
   ならない、ということの結果なのだ。

  

   全ての衆生において、

   そのことは確かなのである。


 

 キュラソ星人303は、地球において、8人の

尊い命を奪った行為の果として、自らが飲ん

だ石油によって、自己の体を焼いて、死ぬ。

 

 金城は、ダンの言葉を以て、キュラソ星人

303の罪を厳しくの罪を糾しながらも、一方

で、罪を犯した303への涙も、ダンの「正義は

一つ」の言葉にこめている。


 フルハシの「泣いてるようだな」という声が

印象的だ。

 鈴木俊継監督は、『ウルトラマン』「果てしな

き逆襲」において、ウルトラマンに倒された怪

獣ザンボラーについて、アラシ(石井伊吉)隊

員に、

 


 「あの怪獣も、かわいそうなことしたなあ。」

 

と、語らせている。

 

 番組は変わったけれども、鈴木演出では、

石井伊吉(後の毒蝮三太夫)演ずる隊員が、

倒れていく怪獣達の立場や悲しみを察する

場面が、引き続き描かれている。

この点も興味深い。

 

 303は極悪宇宙人だが、彼も「正義」の裁

きを受ければ涙を流して助けを求める哀れな

存在であり、尊い命を生きている存在である

ことが確かめられている。


 金城脚本は、この後、「自業自得」をどのよ

うに用いているか?
 最終回二話の前編、即ち、第48話「史上最大

の侵略 前編」(監督/満田禾斉、後の、満田か

ずほ)において、クラタ隊長(南廣)によって、こ

の言葉が語られる。

 この第48話において、数多の宇宙人の侵略か

ら地球を防衛してきた、ダン=ウルトラセブンの

体は、危機的状況にあることが描かれる。ダン

は、V3でクラタが知らせてきた、未確認飛行物

体の情報を、ダンは夜勤中、朦朧とした状況で

聞き、返事が出来ない。

 地球に侵入してきた未確認飛行物体は、侵略

者ゴース星人の円盤で、彼らは、アマギ隊員を

拉致して、怪獣パンドンを使って、地球の土地を

蹂躙する。炎を浴び、苦しむ仲間達を見て、ダン

は命の危険を顧みず、セブンに変身して、パンド

ンと激闘する。パンドンを撤退させるが、ダンに戻

ったセブンの肉体は、危機的状態が進み、顔面

は血まみれだ。

 メディカルセンターで、ダンが治療を受けている

最中に、クラタとキリヤマは、互いに、ウルトラ警

備隊とV3の職務を詰問し合い、激論する。

 クラタは、自身が未確認飛行物体の通報した

際に、夜勤当番が返事をしなかったことを、告げ

る。驚愕したキリヤマは、当日の「当番は誰だった

のか!?」と問う。

 傷だらけの重傷を負うダンが、事実をくらまさず

正直に報告する。

 


  ダン「僕・・・、です。」


  クラタ「又、お前か!」

  

 

  ソガ「クラタさん!」

 


  クラタ「一度ならずも、

      二度もミスを犯すなんて!
      それでも地球防衛軍の隊員かっ!

      『通信機が故障していた』

      なんて言わせんぞ。
      無線室で何をやってた?

      鼾でもかいて、寝てたんだろう?

      自業自得だ!」

 


 303にかつて語った言葉「自業自得」を、今度は、

クラタによって、糾弾の言葉として、聞かされるダ

ン。クラタを守るためにアイロス星人やザンパ星

人やペテロを倒した戦いを含めて、地球を守る為

に、自らの心身を犠牲にしてきたセブン。

 そのことを、知らないとは言え、命をかけて守っ

てきた地球人に理解されず、「自業自得」と罵倒

された、ダンの心の傷はどれ程大きかったことだ

ろう?

 

 だが、彼は、それでも、クラタを憎まず、友とし

て愛し続けた。

 例え、「戦闘」という「業(行為)」で、命を失う、

という「結果」が予測されても、愛する地球人の

為に、彼は全てを捧げ、敢然と立ち上がる。


 

 その根拠は一体何か?

 

 「自らの命を捨てて、仲間を助ける」という地球

人薩摩次郎の「義」に感動したセブンは、彼のよ

うに生きたいと願った。

 愛するアンヌやウルトラ警備隊の仲間達を守

りたい、という行為の果を、甘んじて、受ける。

 これが、ウルトラセブンの「自業自得」の確か

めではなかろうか?

 

 
 

 石油を飲んで、自分自身の体の石油によって

焼死する303。
   自身の肉体の石油が因となった、炎の熱さ

に泣く303の泣き声が忘れられない。

 

 

 泣き声は視聴者の心に今も響いている。
 


                  文中一部敬称略


 


 
 追記
 2007年11月12日に発表した感想を、2010年2月

15日・2012年7月14日に再編しました。              

                             


註・出典
(1)『往生要集』 
  『原典 日本仏教の思想 4』

  (1991年、岩波書店)324頁

 


参考資料
『ウルトラセブン』 DVD vol.2

 

                          合掌