9/28~10/8まで開催中の東京国体。
東京都はこの国体とそれに続く全国障害者スポーツ大会に参加する選手団やスタッフの弁当に福島産の米を使う取り組みを始めたそうです。
東京国体で県産米弁当 都が10トン確保
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2013/10/post_8310.html
(福島民報 2013.10.05)
東京都で 催中の国民体育大会「スポーツ祭東京2013」で、選手らに配る弁当に本県産のコメが使用されている。東京電力福島第一原発事故の風評に苦しむ本県農業を支援しようと、都が企画した。
都は選手、スタッフへの弁当に、本県産のコメを使用するよう委託業者に依頼した。国体競技会場がある25の市区町村も都の要請を受け、選手らへの弁当に県産のコメを活用している。全量全袋検査で安全性が確認され、市場に流通しているコメを使用している。
今月12日に都内で開幕する全国障害者スポーツ大会でも同様に使用する。都の用意分だけでコメは約10トンに上る。国体と全国障害者スポーツ大会には、選手、役員ら約3万人が参加している。東京都スポーツ振興局スポーツ祭東京推進部運営課の松尾尚之課長は「スポーツの視点からも、被災地を支援していきたい」と話している。
(引用ここまで)
もちろん、福島産であっても汚染がなければ問題はありません。しかしご存知のように日本の基準値は100ベクレル/1kgです。
国が安全と謳っているのだから、基準値が100ベクレルと言っても、実際はもっと低い値の米を使うのだろうと思われるかもしれません。
しかしいろいろ読んでみると、今福島で行われている米の全袋検査は、ベルトコンベア式のわずか数秒間で行われる検査で、100ベクレル以上の汚染米をはじき出すように設定されているので、当然99ベクレルあたりのものは安全として検査をパスしてしまうようなのです。(まあ、基準値が100なのだから、当然と言えば当然なのですが…)
上記記事によれば、検査は全袋検査のみで、そのあとさらに精密な二次検査をおこなっているわけではないようですので、国体の選手や役員たちに提供される弁当には100ベクレル近い汚染米が混ざっている可能性が十分あるわけです。
全袋検査について、詳しくはこちら↓をどうぞ。数値の説明、ちょっとわからないところもありますが、だいたいどういう検査が行われているかはわかります。
↓ ↓
ベルトコンベア方式による福島産コメの全袋検査の信頼性
(2012.10.04)
http://prepper.blog.fc2.com/blog-entry-313.html
福島県では、昨年(2011年)、二本松市や、福島市の大波地区、県北地区から基準値(500ベクレル/kg)超えの米がたくさん出てきて出荷停止が相次いで出された。
昨年、暫定基準値の500ベクレル/kg超えの米が収穫された福島氏、伊達市、二本松市の各市、それに浜通りの福島第一原発に近い場所、避難区域や計画的避難区域では、そもそも最初から作付けしていないので(収穫されないので)、今回の全袋検査対象には入っていない。
その他、去年、100~500ベクレル/kgまで間の値が検出された地域については、事前に出荷制限が行われ、水田の除染がいっせいに行われたり、市町村が 水田の台帳に基づいて、きちんと除染しているか、などを今後、計画的にチェックしていくという前提で、計画的に作付けが許可された。
8月25日、福島県の全袋検査がスタートした初日に、報道関係者に検査の現場が公開された。
(引用ここまで。以下、検査方法についての詳しい説明があります。動画もあります。ご覧ください)
比較的安全な地域に住んでいて、スポーツに熱心に取り組んでいる健康な子供たちを、わざわざ内部被曝させようとするのだから、本当に信じられない酷い国です。オリンピックが本当に開催されたとして、その選手村でも同じことをするのでしょうか。それとも外国人選手には汚染度の少ない食物を出すのでしょうか。
さて本題です。朝日新聞でずっと掲載されている連載、「プロメテウスの罠」。
今回のシリーズは福島の学校でいかに福島産の米が学校給食に取り入れられたかという話です。まだ連載途中ですが、何回かにわけて紹介していきたいと思います。
地域の農業を守るというと、立派なように聞こえる。
でもそれが、地域の宝であるはずの子供達に内部被ばくを強要することになることを、こういう人たちはいったいどう考えているんだろうと思います。
ただただ目先の利害に踊らされて、社会全体のことも、未来のことも、自分たちのごく身近にいる周囲の人たちのことも目に入らない。
日本全体が、いま、そんな風に動いていると感じます。
クリックして応援お願いします!