日刊ゲンダイ。
通勤電車の中で中年のサラリーマンが読んでいる、ちょっと恥ずかしくて俗っぽい新聞、というのがこの手の新聞に対するイメージでした。
でもいつも楽しみに観ている『デモクラTV』で、「ウィークリー日刊ゲンダイ」というコーナーが始まってからこの新聞にちょっと注目。初めて日刊ゲンダイなる新聞をコンビニで買ってみました。
これがなかなか面白いのです。ポルノとか競馬とか芸能とかの記事がたくさん載っていて、実は読むところはあまりないのですが、1面、2面あたりに載るトップニュースは、ほかの大新聞が書かないような政権に対する歯に衣着せぬ批判をずばずばと書いている。痛快です。
軟派な記事が多いこういう新聞のトップに硬派な記事が載って、自分からネットで情報を取りに行こうとまでは思わないお父さんたちがこういう記事を読む。これは意義が大きいと思います。
今日紹介するのは日刊ゲンダイのネット版の記事で、イギリスの新聞記事の紹介です。日刊ゲンダイ紙面版の方にも同じ記事が載っているのかどうかはわかりません。
短い記事ですが、こんな鋭い突っ込みの記事は、大手新聞は怖くて絶対に書けないと思います(笑)。
英紙が痛烈批判 「安倍首相は平和への脅威」
2013年8月14日 掲載
http://gendai.net/articles/view/syakai/143997
米は本気で日中戦争を懸念
記事を書いたのは、ギデオン・ラックマンという、外交問題の首席コラムニスト。
さらに、安倍政権が戦争をはじめることを、アメリカは本気で警戒していると、こう解説している。
〈オバマ政権の国務次官補だったカート・キャンベルは、太平洋での戦争の危険を心配し、最近こう書いている。「東京と北京は国家主義的ムードをもてあそんでいる」〉〈アメリカ人は、日本によって中国との戦争に巻き込まれるのではないかと不安になっている〉
どうやら、フィナンシャル・タイムズの記事は、安倍政権に対する欧米先進国のスタンダードな見方らしい。米国事情に詳しいジャーナリストの堀田佳男氏がこう言う。
「著者のギデオン・ラックマンは、アジア外交に詳しい有名な記者です。記事はバランスが取れていると思う。欧米のインテリ層の声を代弁していると言っていいでしょう。キーワードは、ヘマという意味のgaffeです。何度となく出てくる。“また日本はヘマをしでかした”といったニュアンスです。日本人はピンとこないかも知れませんが、欧米は、オバマ大統領を筆頭に、なぜ中国や韓国を挑発するのか、と安倍首相を問題視しているのが実情です」
戦前、日本は国際社会から孤立して破滅してしまった。このままでは、また同じ道をたどりかねない。これ以上、安倍首相の暴走を許してはダメだ。
(引用ここまで)
この間、デモクラTVはじめ、あちこち(主にネット)でよく聞いてなるほどと納得した話。
① 日本人は、米中は対立関係にあって、日本もまた中国と対立してアメリカ側につくみたいな漠然とした印象を持っている人が多いが、それはまったくの思い違い。今、米中はかつてなく接近していて、アメリカにとって中国は、日本などよりはるかに重要な国である。右翼政権を戴き、中国や韓国と対立する日本は世界で孤立しつつある。
② 世界では安倍政権は危険な極右政権とみなされている。安倍氏はオバマ氏からも冷遇されていて、日本のマスコミはちゃんと報道しないが、実はまともに会談もしてもらえていない。いまだかつてないほど卑屈にアメリカすりより(のつもり)の姿勢を見せる現政権だが、実はポイントを外したことばかりしていて、上の記事にあるように、
「日本の外交は、滑稽と不吉の間を漂っている」 (翻訳なので正確な表現はわかりませんが、実によく言い当てていると思う!)
日本の外交は滑稽な迷走の連続(もちろん迷走しているのは外交だけではない)。でも滑稽と笑ってすまされない危険な状況に今はなりつつあると思います。だから「滑稽と不吉の間」と言っているんじゃないでしょうか。
本当に不吉な日本の政治。日本人はそれでもやっぱりおとなしい…。声を上げているのは、ほんの一部の国民にすぎません。こうしてふたたび愚かな道を日本は歩きはじめるのでしょうか。
もちろん今は世界情勢が違うので、かつてのような戦争がおこることはないと思いますが、中国や韓国と政治的に対立するだけでもダメージは計り知れないほど大きいです。
大手の新聞やテレビのニュースだけを情報源にしていたのでは、世界で起こってる本当のことは、絶対にわからないと思います。
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