キミは王子様!? #1 | 夜空を瞬く星のように☆ミ

夜空を瞬く星のように☆ミ

いつか君に捧げた歌
今じゃ哀しいだけの愛の歌
風に吹かれ飛んで行け
僕らが出会えたあの夏の日まで

Calc.

プロローグ


こんな私が、あの王子様に恋するなんて思っていなかった。


人生で幸せってあるんだなって、そう思った。


それはキミにあったあの日からの物語。



第一話


希side


あたしはなんでここにいるんだろう?ちょっとまて…頭が真っ白なんだけど…?


っていうかなんで学園の王子様があたしの目の前にいるんだろう…


あ、そうだ。思い出した。あたしここに閉じ込められたんだ。


ここは資料室。今日の朝、先生に頼まれたものを持って行って、そのまま寝ちゃったんだ。


はぁ…しかも鍵が開かなくて…


騒いでたら、王子様(秋本 陸)がいた。


「うるさいんだけど。」


「へ?」


ありゃりゃ?いつもの陸くんは王子様スマイルとか、やさしい人じゃ…?


「人の昼寝を邪魔しないでくれる?」


「陸…くんだよね?」


「うん。だから静かにしてくれるよね?」


うひゃあ…これは王子様スマイルじゃなくて悪魔の笑みだ。


背中から黒いオーラが出てるよ…


「あ、ひとつ言い忘れたけど」


「な…なんでしょう?」


ひぃっ!!なんか怖い。


「今日から俺の彼女になって?」


え?


今、何て言いました?


「じょ…冗談はやめてくださいよ~。」


「人の昼寝を邪魔した罰だよ?」


うぅ…その黒いオーラ放ったままの王子様スマイルは勘弁してください。


「はぅ…」


「でもさ、俺、タイプなんだけど?」


「は?」


「あ…あたしなんか?」


「うん。ただ純粋に。タイプ。」


学園の…王子様だよね?


じょ…冗談にきまってるじゃん。そうだよね。


「本気だけど…?俺、お世辞とか言わないし。」


陸がこっちに近づいてくる。


確かに、とても整った顔立ち。


栗色の髪に、切れ長の、でもどこか優しい目。


どこからどう見てもかっこいい。


こりゃ、女の子が惚れるわ…


ちょ…心臓が飛び出るかも。


ま、まさか、あたし…陸を好きになったとか?