大宋宮詞 ~愛と策謀の宮廷絵巻~
第16話
【遼】は澶淵(せんえん)に向けて南下、【宋】も澶淵での勝利を誓い北上を続ける。後宮では曹思斉(そうしせい)が貴妃の妊娠の噂を広め、皇后が貴妃に胎児の発育を促す薬を渡す。貴妃懐妊の知らせに趙恒(ちょうこう)は激怒するがひとまず容認し、親征に同行していた文伽凌(ぶんかりょう)は容体急変で離脱する。一方、冀(き)王と曹鑑(そうかん)はひそかに謀反の準備を進める。決戦に備え新兵器の完成が待たれる中、王超(おうちょう)挙兵の一報が届き、帰京を勧める潘良(はんりょう)と進軍を主張する寇準(こうじゅん)が対立し、趙恒は帰京に傾く。
第17話
寇準(こうじゅん)の説得により、趙恒(ちょうこう)は澶淵(せんえん)へ向かうことを決意する。同じ頃、講和の使者・曹利用(そうりよう)が【遼】の軍営に到着。だが蕭(しょう)皇太后は会おうとしないばかりか、澶淵での決戦を見据え、軍を送る。その澶淵では、黄河の氷を割り、迫り来る遼軍の足止めに成功。その間に無事、趙恒が到着し歓喜に湧くのだった。一方、蜂起をたくらむ王超(おうちょう)の大軍が大名府に向かってくる。王欽若(おうきんじゃく)は知恵で乗り切ることを大名府の将軍・曹瑋に提案するのだった。
第18話
宋軍は巨大な床弩(しょうど)により【遼】の大将・蕭撻凜(しょうたつりん)を討ち、激戦の末、潰走させる。蕭(しょう)皇太后は蕭撻凜の亡骸(なきがら)と劉娥(りゅうが)の交換を申し出、劉娥は宋に引き渡される。同じ頃、宋の都・開封(かいほう)では、貴妃(きひ)潘玉姝(はんぎょくしゅ)が流産してしまう。毒を盛られたと誤解した潘玉姝は皇后郭清漪(かくせいい)を切りつけ、負傷させる。やがて、体制を立て直した遼軍が再び澶淵へと来襲する。遼軍は燃えさかる巨大な鉢の上に、はりつけにされた趙吉(ちょうきつ)を掲げ、迫るのだった。
第19話
澶淵(せんえん)では【遼】が退却し【宋】が優勢に立つが、敵に矢を放つよう命じた潘良(はんりょう)は役職を解かれる。【遼】の宰相(さいしょう)韓徳譲(かんとくじょう)は人質を【宋】に逃がす。警備につけた木易(ぼくえき)は本当の身分を李婉児(りえんじ)に明かし、鉄鏡長公主(てっきょうちょうこうしゅ)の説得も虚しく【宋】に留まる決意をする。趙吉(ちょうきつ)は帰国後間もなく、劉娥(りゅうが)に見守られ命を落とす。45年に及ぶ戦の末に皇子2人を失い、蕭綽(しょうしゃく)は講和を決意する。関南(かんなん)の割譲を拒否する【宋】に対し韓徳譲は宋と直接協議することを提案し、蕭綽はこれを受け入れる。
第20話
宋・遼の間で講和が成立する(澶淵(せんえん)の盟)。勝利に貢献した家臣は上位に封じられる。劉娥(りゅうが)は功績を称えられ徳妃(とくひ)として入内(じゅだい)するはずだったが、先帝の遺勅を盾に老臣が反対、趙恒(ちょうこう)は報復として郭賢(かくけん)を流刑に処す。しかし趙吉(ちょうきつ)の位牌(はい)を太廟に奉納する件をめぐり曹鑑(そうかん)らにも難癖をつけられる。このとき寇準(こうじゅん)が「遺勅は口伝である」とし、劉娥が先帝の霊に敬意を表し3年間供養することを条件に入内が許される。その後、皇后が趙恒のもとを訪れる。
第21話
趙恒(ちょうこう)は劉娥(りゅうが)が3年皇陵で供養を終えたら劉(りゅう)妃の入内(じゅだい)と趙吉(ちょうきつ)の位牌を太廟安置することを臣下に確約させる。劉娥と李婉児(りえんじ)を皇陵へ送り出した趙恒は、妻子を守れないことにふがいなさを覚えるのだった。定州(ていしゅう)への流刑が撤回となった郭賢(かくけん)は趙佑(ちょうゆう)の師として熱心に教育し、その成果に満足した趙恒は復職させる。寇準(こうじゅん)は軍人の俸禄と軍費の削減を提案し、潘伯正(はんはくせい)と対立する。潘伯正は王欽若(おうきんじゃく)の寇準への嫉妬心を煽り、陥れる策を教えるのだった。
第22話
潘(はん)家では潘玉姝(はんぎょくしゅ)と趙恒(ちょうこう)の血の相性が悪いため、子が産まれないという神医の見立てに一同愕然とし、潘良(はんりょう)と潘伯正(はんはくせい)は一計を案じるのだった。皇陵でのびのびと過ごす劉娥(りゅうが)と李婉児(りえんじ)は疱瘡(ほうそう)にかかって倒れていた青年を助ける。趙恒は疱瘡が蔓延しているという知らせを劉娥から受け取り、皇陵へ向かおうとするが、郭賢(かくけん)と曹鑑(そうかん)に阻止され激怒する。郭賢と曹鑑は趙恒に劉娥のことを完全に諦めさせるべく、ひそかに手を回すのだった。
第23話
貴妃に復権した潘玉姝(はんぎょくしゅ)は成平殿(せいへいでん)で鍾樵(しょうしょう)と密会を続けて子をみごもる。怪しんだ皇后が貴妃のもとを訪れるが、うっかり転倒させてしまい趙恒(ちょうこう)の怒りを買う。疱瘡(ほうそう)が都でも猛威を振るい、宮中では趙佑(ちょうゆう)皇子と貴妃が感染。劉娥(りゅうが)が薬草と薬酒で村人を疱瘡から救っていることが評判となり、郭賢(かくけん)は蘇義簡(そぎかん)を遣わせて佑皇子の治療に当たるよう依頼。劉娥はお忍びで宮中に戻る。佑皇子は絶望的だが、貴妃の疱瘡は軽症のため劉娥の治療が奏功する。
第24話
劉娥(りゅうが)の手当てもむなしく趙佑(ちょうゆう)皇子は亡くなる。悲嘆にくれた皇后も続けて命を落とす。皇后は「次の皇后は劉娥に」という内容の遺言を趙恒(ちょうこう)に渡し、臨終間際に直接劉娥にも伝える。劉娥は宮中で趙恒と再会し、徳妃(とくひ)に封じられるが供養中のため、皇陵に戻る。貴妃が産んだ女児には指が6本あり、ハサミで指を切り落とされる。ついに3年の供養を終え、劉娥が正式に迎えられる日が来る。郭賢(かくけん)は入内に賛意を表し、李婉児(りえんじ)は婕妤に封じられる。
第25話
3年の供養を終えて劉娥(りゅうが)は入内し、徳妃(とくひ)に冊封され、趙吉(ちょうきつ)の位牌も無事、太廟へ安置される。だが、タングート侵攻の知らせを受けた趙恒(ちょうこう)が意識を失ってしまう。侍医から治す術がないと言われた劉娥は箝口令を敷く。そして侍医や臣下にも言わず、黙って痛みに耐えていた趙恒の孤独を思い、劉娥は心を痛める。一方、突然の朝議の退朝を不審に思った曹鑑(そうかん)は、趙恒が意識を失っていることを知り、冀(き)王・元份に即位の時だとけしかけるのだった。
第26話
意識を取り戻した趙恒(ちょうこう)はタングートの侵攻と陝西路(せんせいろ)の飢饉を劉娥(りゅうが)が解決したと知り、信頼を深める。一方の冀(き)王・元份は趙恒から謀反の疑いをかけられていると誤解し子供を殺して自らも死のうと考える。騒ぎを聞きつけた趙恒は、冀王と曹鑑(そうかん)ともども、忠義心はよく分かっていると告げる。遼から耶律留守(やりつるす)が使者として宋を訪れ、銀と絹100万の借用を求める。常軌を逸する求めに趙恒は回答を保留し、劉娥に相談するのだった。
第27話
皇后と趙佑(ちょうゆう)を亡くした趙恒(ちょうこう)は自責の念に駆られ、第7子が生まれた冀(き)王・元份とわが身を比べてしまう。宮中で禁忌とされる山猫が宴に現れ、けがをした貴妃は劉娥(りゅうが)が山猫を呼び込んだという噂を流す。一方で劉娥は老女官が山猫の世話をしているのを見たと蘇義簡(そぎかん)に打ち明ける。木易(ぼくえき)が【遼】に戻るとの知らせに動揺する李婉児(りえんじ)は趙恒の乳母と交流を深めるが、その中で木易への思いを断ち切らせるために劉娥が婕妤に推挙したことを知らされる。
第28話
劉娥(りゅうが)との誤解が解けた李婉児(えんじ)は、劉娥の計らいにより、趙恒(ちょうこう)と初めて床を共にする機会を得る。世継ぎを作らねばならない趙恒のために、劉娥は自分の気持ちを抑え李婉児と趙恒を引き合わせたのだった。そんな劉娥を案じて一緒に過ごしてくれる楊瓔珞(ようようらく)に劉娥は趙恒と出会った時の話を聞かせる。その翌朝、花摘みをしている劉娥の所へ、趙恒がまた目覚めなくなったという知らせが届く。大臣らに情報が漏れぬよう劉娥たちは画策するのだが…。
第29話
趙恒(ちょうこう)が風邪を引いたという理由で朝議が開かれないことに臣下たちはいぶかる。劉娥(りゅうが)は趙恒の意識が戻らないことを伏せたまま口勅を伝えるが、曹鑑(そうかん)たちは世継ぎを立てるよう迫る。一方、【遼】の皇帝は【宋】から送られた絹が二級品であったことに憤り、【遼】の使者として耶律留守(やりつるす)が再来する。謁見を求める彼に対し、劉娥は真相を隠し通して宴を開くことでやり過ごそうと腐心するが、耶律留守ばかりか曹鑑たちからも激しい抗議を受けるのだった。
第30話
耶律留守(やりつるす)が新鄭(しんてい)で軒轅(けんえん)帝を参拝することに趙恒(ちょうこう)も臣下たちも危機感を覚えるが阻止する策を考えるも思いつかない。趙恒は冠を脱ぎ、先祖に謝罪するべく太廟に籠もる。同じ頃、劉娥(りゅうが)は耶律留守から趙吉(ちょうきつ)の遺品と蕭(しょう)皇太后からの手紙を受け取る。劉娥はこれに報いるべく鳳袍(ほうほう)を仕立てるために5日間の猶予を求め、耶律留守は了承する。劉娥は妃や臣下の妻たちを総動員し、何としても5日間で鳳袍を仕立てるべく奔走するのだった
参考