「おばあさんの耳はどうしてそんなに大きいの?」
「それはね、お前の声がよく聞こえるようにだよ」
「おばあさんの目はどうしてそんなに大きいの?」
「それはね、お前の姿をよく見るためだよ」
「じゃあ、その口、どうしてそんなに大きいの?」
「それはね、・・・お前を・・・食べるためだよー!!!」
赤ずきんちゃんは、お皿の上に乗って頭にパセリをパラパラ振りかけました。
「あら、おいしそう」ペロリ、パクリんちょ。
おばあさんオオカミに食べられた赤ずきんちゃんは、お腹の中へとやってきました。
「誰かー誰かいますかー?」
「はーい、どちらさん?」
お!返事があったぞ。
「わたくし、赤ずきんと申します。実はですねぇ・・・」
「新聞なら取らないよ!帰った帰った」
チェッ
仕方ない、世間とはそういうもんだ。
都会の風はどこか冷ややかで、希望という光なんて今はもう、冷凍状態。カチカチだ。
トボリトボリ歩いて、おばあさんオオカミの外に出てきました。
「おばあさん、新聞、取ってくれなかった」
「残念だったね。このご時世、主流は携帯やパソコンだからね」
ネット社会か。
紙の匂いなんて、いずれ、消え行くんだ。
インクの匂いで、トイレに行きたくなる日も、なくなるんだ。
でも私は
新聞で包んだ弁当が好き!
散髪だって、新聞を敷くわ!
ビバ新聞!
グッドラック新聞!
新聞紙を折り折りして、赤いマジックで塗りだした赤ずきんちゃん。
明日は、自作のずきんをかぶって
また勧誘に向かいます。