今日は母のことを。

 

22日に田舎の母を見舞いに日帰りで行ってきました、主人の運転で。

 

去年12月体調が思わしくなくこちらに来るのもどうしようかと思い悩むくらいだったのに、こちらに来たら奇跡のような復活をし旅行にも行けるくらい元気になりました。

 

元気になったのはちゃんと食べて体力がついたからで、やっぱり食事が大事ということを改めて思ったようで、今まで食事がつまらなく食欲もないのに時間だから食べるという義務みたいな食事で、量も質も足りてなかったのが良くなかったと反省したようでした。

 

食事のメニューはもちろんだけど、食べる気にならないといけないと感じて、田舎に帰る前に食事が楽しくなるような素敵な食器や料理が楽にできるポットやミニホットプレートを買って持って帰り、田舎に帰ってからも楽しく料理をし、時には美味しいものを取り寄せたりしながら体調を維持していました。

 

天気の良い日にはシルバーカーを押しながらだけど散歩をしたり足上げ体操をしたりて、歩けなくならないよう体力をつけることも心がけて真面目にやっていました。

 

ある日テレビでグランマモーゼス展の紹介番組を見たのをきっかけに、彼女の絵の虜になり、彼女の人生に共鳴するものを感じたようで、電話するたびにグランマモーゼス、グランマモーゼスと熱く語るので、それじゃぁと今度4月から始まる広島でのモーゼス展に連れて行くよう計画を立て、提案してみました。

 

旅行はもう行けないだろうなと思っていたけど、体調もあれから問題ないみたいだし、ゆっくり旅だったら行けるかもだし、何よりもそういう目標があれば張り合いになるだろうし。

 

案の定、行けるんだったら行きたい!と声もはずんで喜んでいました。

 

そんな感じで順調にいっていると思っていたのですが、3月8日に弟から「母が昨日と今日下血したので、病院に診てもらいに行ってそのまま入院になりました」とLINEが来てびっくり。

 

「具合が悪く寝込んでいたわけではなく、その日も散歩に行こうとするので、昨日今日下血してるんだから病院に行けって言って行かせたくらいで、意識もしっかりしているし心配することはない。何よりコロナで面会できないから来なくていいよ」と弟。

 

とはいえ、翌日母に電話すると声は弱々しく、検査検査で点滴だけで食事はなく、病院に入って一気に病人のようになっていました。

 

何より、順調に生活していて4月にはグランマモーゼス展に行ける!って喜んでいた矢先にいきなり入院で、天国から地獄に突き落とされたような気持ちにもなりますよね。

 

若い人だったら、治ったらまたって先のことも考えられるけれど、この年で入院なんてもうお先真っ暗、生きて退院できるんだろうかっていう思いがグルグル巡っているようで、すごいネガティブな感情に囚われていました。

 

臨床検査から推測するにS状結腸に憩室がたくさんあり、憩室炎を起こして出血しているらしいので、まずは出血を止めるために点滴のみで腸を休ませる必要があるということでしばらく入院する事になりました。

 

2年前の動脈硬化の手術でステントを入れて以来、血液をサラサラにする薬を飲んでいたせいもあって血が止まりにくくなっていたようです。

 

予定としては18日に内視鏡検査をし19日に一旦退院して家に戻り、28日に再入院して30日に憩室がたくさんあるS状結腸を切り取って繋ぐ手術をするという段取りになりました。

 

***

 

一方、主人の弟も去年の秋に大腸癌が見つかり、その後放射線治療などを続けていましたが、いよいよ3月15日に入院して17日に手術をする事になっていました。

 

私たちも主人が28日に、私が30日に大腸内視鏡検査をする事になっていて、なんでこうもみんなが大腸関係の疾患に罹っているのか、こんなことは重ならなくていいのに嫌なことが続きます。

 

私と主人の検査は定期的なものなのでいいけれど、義弟は結構大変な状況で10時間ほどの手術になったようでした。

 

癌が発覚してから何度か主人は会いに行ってて、私も一度会ったけど、家を改装したり思い入れのあった車を中古で買ったりとしたいことがあったからか、意外と元気な様子だったので手術も乗り切ってくれると思っています。

 

***

 

そんなわけで、再入院する前に会っておこうと22日に行く事に決めました。

 

でも結局19日の退院時に手術に関してのメリットデメリットをお医者様から聞いて、母は手術をしない事に決めました。

 

母と私と姉弟でzoomで話をしましたが、母の決意は固く「もうこの年だし、良い人生だったと思うし、いろんなんリスクを聞いたら今更もう危険を冒してまで手術するのはいいかなと思う。手術で不具合な状態になるより、このままの体で行きたいところに行きしたいことをして残りの人生を過ごしたい」と。

 

出血を防ぐためには血液をサラサラにする薬ははやめたほうがいいけど、それをやめると血管が詰まる危険が出てくるので、その辺のバランスも考えないといけないけど、「出血して死ぬか血管が詰まって死ぬかどっちかだと思うけど、そうなった時は延命治療などはしないでおいてね」

とも、サバサバした感じで言っていました。

 

重い話だし気落ちしてるかなと心配でしたが、実際22日に行って母に会ったら、前回別れた時とさほど変わらない様子で、普通に話をしセカセカと動きまわり、拍子抜けするくらい元気で、気持ちが吹っ切れたからか表情も清々しくて「あぁ、きっとこの人はこんな感じで長生きしていくんだな」と思いましたよ。

 

「じゃ、モーゼス展に行くのもそのまま予定しとくからね」って言って実家を後にしました。

 

(内視鏡の結果、腸はきれいだったそうです)