宇津ノ谷峠を越え岡部宿に着く。
大旅籠柏屋を目指す。そこは、資料館になっていて300円で係りの人が案内してくれる。弥次さん喜多さんの人形もあって、旅籠に私も入ったような気がする。入口の扉は上に持ち上げて間口を塞がないように出来ていて閉じると、小さな扉があり今も使っているそうだ。窓は障子と板の二段に分かれていて、別々に取り外し出来合理的で、昔の人の知恵に驚かされる。この建物は平成7年までおばあさんが実際住んでいたそうで、その後、町で整備して今にいたると言う事でした。本当にそのおばあさんに感謝です。ここまで歩いてきて、何処の宿場も本陣、脇本陣はほぼなく、岡部宿の本陣も何も残っておらず、旅籠がどんなだったかもわからないでいたので中に入って昔の旅の様子が少しでもわかったような気がします。2回の火事にあい今は180年前の建物だということでした。柏屋の敷地は2380坪、かれこれ1時を過ぎお昼にしようかと中庭を見るとお食事処もあり、入店。奮発して松花堂弁当を頼む。

大旅籠柏屋

内野本陣史跡

お腹もすいているせいか、もりもりと食べられる。手を抜かず一つ一つていねいに作ったお弁当。お茶を入れてくれながらお店の方が、話しかけてきてくれる。この近くにゴン中山の家があるのですよと教えてくれて、本にも書いてありますと言うと、見せて下さいと言うので見せて話が弾み、サッカーが盛んで長谷部選手もここの出身であることをお聞きしました。その先に進むと、確かに家の軒下にサッカーボールの手まりがあちこちに下げてあるのを見かける。
何百年も峠を越えてきた人達におもてなしをしてきた伝統が山あいの宿場に受け継がれているような気がします。
何だか元気をもらって、藤枝宿に向かう。時々並木があり、昔の人もここを通って歩きながら松ノ木を見上げたのかなあと思いをはせます。

藤枝宿は岡部宿のお食事処の方が言った通り余り風情がなく、宿場は2キロということで街道に店は延々と続いていくが、ここも本陣は跡形もなく、明治初期からというおせんべい屋さんをのぞいたりしながら先に進む。お茶屋さんがあったり、サッカーのポスターがあちこち貼ってあったり藤枝の特徴は感じられる。上伝馬商店街の街灯は木戸風になっている。


若一王子神社


上伝馬商店街
宿場を抜けると二車線ののんびりした住宅地を進み、勝草橋を渡る。この辺で4時近くになり、島田宿まで2時間だと結構きついかなと思い始める。古東海道追分を過ぎこの辺も松並木が断続的にあり、田植えをした田んぼが広がる。三島辺りでちょっと見かけただけで、東海道からの田んぼの景色は珍しい。あちこちで今日は紫陽花の花が咲いていて心が和まされる。上青島一里塚跡を見つつ島田をあきらめ、初めて聞いた六合駅へと進む。日差しはないものの案外蒸し暑く、夏は歩くの本当に大変だろうなあとこれからを思う。前回、熱海でお弁当は売り切れだったので、もう買って行くしかないと、駅近くのコンビニを調べて六合駅へ。もうかれこれ5時になってしまった。
熱海までの電車は案外混んでいて、熱海で乗り換えグリーン車に乗ってやっとお弁当を開く。今日は本当に雨ふらなくて良かった。
古東海道追分


六合駅

