今日のお昼は、六本木アカデミーヒルズのランチョンセミナーに行ってきました
講演者は世界的ピアニストの中村紘子さん
私は4歳から高校までピアノを習っていたので
中村紘子さんのCDを何枚か持っており
コンサートにも足を運んだことがあったので興味がありました。
また、彼女は作家としても活躍され、文藝春秋読者賞を受賞した
『ピアニストという蛮族がいる』
などクラシック業界を中心とした面白い作品を数々書かれています
それらの読書に耽っていた頃の昔の自分も思い出されて懐かしい気持ちで訪ねました。
お話は、主にまだ日本人が世界舞台であまり知られてない1960年代から今日に至るまで。
世の中の変遷と音楽家としての立場を、有名音楽家やご自身のユニークなエピソードを交えてお話してくださいました。
トークもなかなかお得意なようで
「喋りだしたらとまらないんです」
とやはりちょっぴり時間オーバー気味に
1965年ショパンコンクールで中村紘子さんが初めて日本人で入賞を果たした時は、
日本はヨーロッパから見ればまだ東洋の無名の国であったようです。
しかし、そこから日本は大きな経済発展を遂げ、
夢やロマンを感じられる時代にピアノと共に生きられたことを幸せだと仰ってました
日本人が海外旅行に行き始めた頃にルーブル美術館を下駄の音を鳴らして歩き、
モナリザの絵の前で
「うちのカレンダーより小さいんだ!」
と叫んでいる光景が見られたようですが、
最近、銀座のブランド店などで品物を買い漁ったり記念撮影に余念のない中国の方などを見ていると
昔の日本人もこういう感じで見られてたのかな?と思ってしまいます。
日本は今はある程度経済的にも文化的にも成熟してきたわけですが、
そこから爆発的なパワーや革新的な芸術が生まれるのか?という疑問を投げ掛けられました。
バッハにしろモーツァルトにしろショパンにしろ、
時代の閉塞感や権力から抑圧された状態の中から偉大な芸術は生まれてきたと。
富が栄えるところに抑圧された人がハングリーな気持ちを持つことで発展してきたと。
今の中国や韓国は勢いがあり、格差があり、そこからエネルギーが生まれていく。
日本はどうなのか?
ハングリーさをなくし、
なあなあと過ごし
世界の中でリーダーシップをとっていこうとする気概がなくなってはいないか?
中村紘子さんは
「まあ、私が生きている間は日本も何とか持ちこたえてくれると思います」
と発言されてましたが、
私は、ある意味閉塞感のある今の日本だからこそ改革的なエネルギーを持って臨む人達の活躍を期待しています。
何だかムズカしい話になってしまいましたが、
とにかく重厚感のあるキラキラオーラを纏われた中村紘子さんを間近に拝見することが出来てわくわくしたランチタイムでした
With much pleasure