つばめにのって ~肺腺癌との闘い~  番外編でチョコレート膿腫 -2ページ目

つばめにのって ~肺腺癌との闘い~  番外編でチョコレート膿腫

2010年11月、母が肺癌宣告を受け、
ここから、これまでの恩を返す時間が始まりました。

そして2012年4月7日、母は永遠の眠りにつきました。

この経験がどこかで誰かのささえになれたらと思います。

番外編で、チョコレート膿腫のことも書いています。


卵巣膿腫のことを書こうと思いながら
なかなかすすめられないままずいぶん時間がたってしまった。

今日は、卵巣のほうではなく、
母のことの方。


職場の同僚が入院しているのでお見舞いに行った。

手術も経過も順調そうでよかった、
面会時間ぎりぎりにいったので
10分ほどしかはなせなかったけど
元気そうな彼女の様子を見て安心した。

その帰り、エレベーターホールに向かって歩いていて
ふと正面をみて・・・・


目に入ったのは母がいた病室だった。


普段の生活の中で
母を思い出すことはあっても、
悲しさとか寂しさとかを伴うような気持ちになることはない。
母がいない時間にはすっかりなれたつもりだった。



あの病室にいたな・・・
あの入り口の、入ってすぐの左側で
ここを出る直前まで過ごしていたんだ・・・

抗がん剤治療ですっかり髪の毛がぬけて
いつもパジャマで
いつもテレビのうえに果物を置いていて

そんな母の姿が浮かんで

あの入り口の向こうに
カーテンをあけると今でも母がいるような
そんな感覚がひさしぶりにした


会いたいような、寂しいような

母が旅立ってから初めてかもしれない。



母の残り少ない時間を誰もが感じながらも
それを受け止めきれずに
家族全員がぶつかり合った
一番くるしかった時期。

そのときを過ごした場所に戻ってくるのは
まだ早かったのかもしれない。


つぎ、同僚に会うのは、彼女が退院してからにしよう。


お墓参りにいこうかな