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「ベロ回し体操」は、咀嚼や嚥下の機能を高めるばかりでなく、顔の歪みやたるみの予防と改善、さらに噛み合わせのズレ予防にも効果を発揮することが分かっています。今回は、「ベロ回し体操」の詳しいやり方とその効果について。

 

「ベロ回し体操」のやり方を教えてください。

「ベロ回し体操」は、唇を閉じて、上下の歯の外側にそって舌をぐるりと大きく2秒に1回のペースで回します。これを時計回りと反時計回りに同じ回数行います。舌の筋肉は案外多くの方々が若くても衰えているので、5回ずつ回すだけでもつらいという方もいると思います。最初は5回でもいいので無理せず、少しずつ回数を増やしていき、慣れてきたら20回を目標にしてください。1日3度、毎食後に行いましょう。

「ベロ回し体操」にプラスするベロの体操として、「ベロ押し体操」「ベロ出し体操」も推奨しています。

「ベロ回し体操」が顎口腔機能の指標である舌圧、頬圧、口唇閉鎖力などにどのような効果を及ぼすのか、客観的なデータを測定してきました。
結果として、「ベロ回し体操」を2週間毎日続けると、舌を上顎に押しつける力「舌圧」と、唇を閉じる力「口唇閉鎖力」の顕著な増大が認められました。
舌圧は、咀嚼(噛むこと)、嚥下(飲み込むこと)、発音、味覚などの機能向上に大きくかかわっています。

口唇閉鎖力はその名の通り口を閉じる力で、これを強化することにより、咀嚼や嚥下機能を高めるだけでなく、口腔乾燥や感染症、腎臓疾患、心疾患、ストレートネック、頭痛などの誘因である口呼吸を鼻呼吸へと改善させる効果があります。

口呼吸は鼻のフィルターを通すことなく口から肺へ直接乾燥した冷たい空気やほこり、ウィルス、細菌などを送り込むので、感染症にかかりやすくなります。

昨今のように長時間マスクをしている生活では、息苦しいので、どうしても口呼吸になりがちなのです。「ベロ回し体操」が鼻呼吸へ改善する効果的なトレーニングになるので、ぜひお試しください。

 

「ベロ回し体操」で、どのような効果がえられるのですか?

「ベロ回し体操」では、舌の筋肉だけでなく、口の中、顔、のど、首、あご、頭についているおよそ70種類もの弱った筋肉のリハビリを同時に行えます。
特に、舌の筋肉、口を開ける筋肉、噛む筋肉、頬の筋肉、口唇の筋肉などの、咀嚼や嚥下時に使われる筋肉を同時に鍛えられるので、咀嚼力が向上し、しっかりとよく噛んで食べられ、嚥下もスムーズに行えるようになります。
また、噛むときに重要なのが咬合(噛み合わせ)です。咬合が悪いままだと、じゅうぶんな咀嚼ができないばかりか、アゴがずれて頭痛や肩こりの原因にもなります。
咬合のずれは顔のゆがみにもつながります。顔のゆがみが気になる方も、ぜひ「ベロ回し体操」を毎日の習慣にしてください。
また、唾液がよく出るという効果もあります。唾液を分泌する3大唾液腺(耳下腺、舌下腺、顎下腺)は、いずれも「ベロ回し体操」で活動する筋肉に囲まれていることから、それらの筋肉に刺激されて、唾液の分泌が促進されることがわかっています。唾液の分泌量が増加すると、口臭やむし歯、ドライマウスの予防につながります。
さらに、「ベロ回し体操」は、あごの下にある舌骨上筋群や、舌を動かす内舌筋と外舌筋が鍛えられ、睡眠中に舌が上気道に落ち込んで塞がれることで起こる「いびき」「睡眠時無呼吸症候群」の症状軽減も期待されます。

 

「ベロ回し体操」を行って顔の筋肉を鍛えることで、顔のたるみも改善されますか?

「ベロ回し体操」によって舌骨上筋群が鍛えられると、垂れ下がった舌骨が引き上げられるので、二重あごの改善につながります。顔や首回りの筋肉がしっかりと働くようになり、リンパの流れがよくなるので、むくみによる二重あごの改善も期待されます。
たるんでいた顔の筋肉(表情筋)が引き締まれば、垂れ下がっていた頬が引き上げられるので、ほうれい線やシワの改善も期待できるでしょう。「ベロ回し体操」は顔のたるみだけでなく、血液循環の改善、自律神経の調整、免疫力の向上、若返りホルモン・パロチンの分泌促進などの効果があることもわかっていますし、精神的ストレスの軽減や脳へのよい刺激にもなります。舌に関連する筋肉の衰えは、健康面だけでなく美容面でもマイナスです。現在のような長期間にわたるマスク生活では、顔の下半分が隠されていて話す機会も少なくなり、どうしても表情筋がゆるみやすいのです。マスクをはずして自分の顔を鏡で見たときに「こんな顔だったっけ?」と、たるんだ“ふけ顔”にビックリされることもあるのではないでしょうか。
「ベロ回し体操」は、マスクをしていてもできます。逆に、マスク生活の今こそ、いつでもどこでも行えて、舌や表情筋をしっかりと鍛えて若返るチャンスといえるかもしれません。ぜひ「ベロ回し体操」を実行して、その効果を実感してください。

【参考文献】