栄養価が高いことで知られるキウイ。手軽に食べられる果物として親しまれていますが、「実は皮はむかない方がいい」というのは本当なのでしょうか。キウイの食べ方や知られざる栄養の秘密についてお届けします。
海外では皮ごと食べるのが当たり前?
日本では皮をむいて食べるのが当然のキウイですが、実は海外では皮ごと食べる人も多いのだそう。キウイを皮ごと食べると、果肉だけの倍の食物繊維、1.3倍のポリフェノールが摂れます。
表面にやわらかな毛が生えているキウイは、皮ごと食べるのが難しそうですが、表面の毛をこすり落として食べれば意外と気になりません。果肉の黄色いキウイは毛が少なく表面が滑らかいので皮ごと食べやすい種類です。
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キウイ中心の白い部分(果心)は、もともとは「めしべ」。果実を作るための栄養を蓄える箇所です。
キウイを2個食べれば、1日に必要なビタミンCが十分摂れます。キウイのビタミンCは中心の白い部分に特に多く含まれています。
果心のまわりにある黒いぶつぶつはキウイの種。ひとつのキウイに1000個ほどがぎゅっと詰まっています。ポリフェノール量は種が最大で、皮の約3倍、果肉と比較すると40倍以上もの含有量になるのです。
また、皮のすぐ下の部分もやはり栄養が豊富。黄色いキウイより、緑のキウイの方が、たんぱく質を素早く分解して消化を助けるアクチニジンがより豊富です。
キウイを長持ちさせる驚きの技とは
熱前処理による長持ちキウイ
キウイを劣化から守りたいなら、保存する前に温水に浸けてみましょう。45℃の温水に10分浸けることで、傷みにくくなるだけでなく、抗酸化力が上がるとする報告もあります。温水に浸けたあとは通常通り冷蔵庫に入れて冷やしておきます。
皮もおいしく食べて!
きれいに皮をむくなら、おすすめは冷凍しておくことです。キウイを皮ごと保存袋に入れて冷凍庫へ入れ、凍ったら流水などで半解凍に。皮がきれいにむけます。
1. キウイを皮ごと洗い、ジップつき保存袋などに入れて冷凍庫へ。
2. 凍ったキウイを流水に20秒ほどあて、ヘタ部分を切り落としたら皮をむく。
栄養素充足度果実中No.1!
果物の重量100gに、ビタミンや食物繊維、ミネラルなどの栄養素がどのくらい含まれるか比較した「栄養素充足率スコア」によると、キウイはランキングNo.1。サイズも手頃で、毎日食べるのに適した果物なのです。
キウイは追熟させて栄養成分2倍にアップ!
キウイは追熟でビタミンも消化酵素も倍増!キウイは熟す過程で栄養成分が増えるため、まだ硬いキウイは糖度が低く酸っぱく感じるだけではなく、栄養価も低い場合があります。
皮の表面に毛がある緑のキウイを皮ごと食べる場合には、丸めたアルミホイルで皮をごしごしとこすってみましょう。
水で流せば表面を覆う毛もきれいに取れます。切り方は輪切りがおすすめ。皮の面積が少ないため、食べやすくなリます。
冷凍で皮がするりとむける!
皮に栄養が豊富とはいえ、やっぱり食べづらいという場合は、できるだけ皮の下の栄養を失わないように食べるのがポイント。追熟することで、ビタミンC含有量が少し増えるほか、アクチニジンは1.5〜2倍になることも。
追熟するには、室温に2〜3日置いておけばOKですが、早く追熟させたいならリンゴやバナナと一緒に袋に入れておきましょう。リンゴやバナナから発生するエチレンガスの効果で、キウイの追熟が促進されます。
食べるなら食前、食後どっち?
キウイの水溶性の食物繊維は、血糖値の上昇を抑える働きがあり、アクチニジンは消化を助けます。なので効果を活かすなら食後。もしアクチニジンがなければ、例えばとうもろこしは2時間30分で1割しか消化しませんが、アクチニジンがあれば約4割も消化! 実に4倍も消化を促進します。
いろいろな加工品を比較
加工品ならドリンク類で
実際にキウイの加工品を摂ると腸内でどうなるのか、研究によれば生のキウイやジュース、ワイン、ビネガーは、ビタミンCとポリフェノールが体に吸収されやすく、消化率が高いんです。
一方、ドライフルーツやジャムはミネラルを多く含んでいますが、消化後の機能性は低く、消化率も低いです。キウイのワインは消化後も高い機能性が。
食べるタイミングでキウイの効果は変化
栄養豊富なキウイですが、朝と夜、果たしてどの時間帯に食べるのが効果的でしょう? 食べる時間帯によって得られる効果が違うので、どの時間帯の効果を期待するか、何個食べればいいのかなど、自分に合った食べ方を試してみましょう!
睡眠の質アップ
睡眠の1時間前に食べることで、キウイのビタミンCやトリプトファンが、睡眠の質を向上させます。
貧血予防にも!
キウイには鉄分や葉酸といった、日本人に不足しがちな栄養分が豊富。朝のキウイは貧血予防に◎。
美肌にも効果あり!
美肌に効果的なキウイのビタミンCは、睡眠の2〜3時間前に摂ることで、寝ている間の肌の新陳代謝を助けます。
腸内環境アップ
食物繊維が腸の活動を促進し、便秘を解消。ただし、便秘効果は1日2個食べないと影響が出ないとのこと。
内臓脂肪減少
葉酸やアクチニジンが糖や脂肪を分解してエネルギーを作り出し、内臓脂肪の蓄積を抑えてくれます。
「キウイ酢」や「キウイ飴」も
キウイを皮ごとお酢に漬け込めば、栄養がしっかり溶け込んだフルーツ酢に。漬けた後のキウイはヨーグルトなどに入れると◎。
皮ごとのキウイをよく洗い、輪切りにして氷砂糖と酢を混ぜたものに漬け、砂糖が溶けたら完成。炭酸や水、お湯などに大さじ1ほどを加えて。
一方、キウイに含まれるアクチニジンは、肉のたんぱく質の結合を切って分解しやすくしてくれるので、焼く前の肉と一緒にしておけば柔らかい肉が楽しめます。
また、キウイを砂糖水にからませて、冷凍庫で冷やせば、キウイ飴の出来上がり。皮ごとおいしく食べられます。